タケ坊@馬なり単走の馬バカ日誌

2015年に念願の一口馬主デビュー。全ては“競馬”という巨大な産業の無限大に広がる可能性にロマンを感じてしまったが故です。
2015年~2022年まで個人馬主さんのエージェント的な役回りも経験させて頂きました。2020年からは乗馬のレッスンに参加。
当ブログでは、一口愛馬の近況をはじめ、競馬に関することを中心に綴っています。

2016年10月

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 第4回京都競馬8日目。厚い雲に覆い被された太陽が、時折細切れになった雲の隙間から顔を覗かせます。晴れなのか曇りなのか、気まぐれでハッキリしない秋の空。追い打ちをかけるように強い風が吹き荒れて、隣のお母さんが子供に砂遊び禁止令を発令していました。そんな中、京都8Rにマッカートニー[牡3・梅田智厩舎]が出走。ダ千二㍍で鞍上に岩田騎手。初勝利した折の条件とコンビで否が応にも増す期待感。何せ前走がハイレベル。2着のウエスタンラムールと12着のブラックジョーが準OPに、その他3頭が1000万下に昇格した出世街道です。次はマッカートニーの番だ、現級なら休み明けでも。まるで昇進辞令を今か今かと待ち焦がれるサラリーマンのような心持。

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 正直なところ、もう少し上位と差のない競馬を演じられると思っていました。差し馬で決着したとはいえ、結果的に梅田先生が仰っていた「あと1本欲しい」という馬体の緩さや、前半3F34秒7-後半3F37秒1の前傾ラップにおける大外枠の条件が、ゴール板へ近づくにつれてマッカートニーのパワーダウンを招いてしまったのかもしれません。今夏のリフレッシュ放牧によって、ソエや骨瘤の症状は治まっていますし、爪も良くなっているとの事ですから、使いつつ徐々に本来の走りを取り戻してくれればと思います。この時期はダ千二㍍の番組が意外と少なく、テンションを意識しながらの調整で、使うタイミングが難しいところも…。成長力に富んだ血統、目指せV字回復ですね!

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 依然、左トモの踏み込みが甘いデビルズヘアカット[牡1・中竹和厩舎]。実際に藤井さんが跨ってみると、やはり左トモに力が入っていないらしく、右手前で走った際にどうなるか少し不安ですねと事前に話していました。先日、アルティザンSへ寄らせて頂いた際、ダク~キャンターの動きをオーナーと一緒に確認させて貰ったのですが、左から右手前に替えようとすると馬が躊躇してしまうようです。パッと手前を替えられない。ただ、まだキャンターを取り入れて数日しか経っていなかったので、今後の慣れと職人達の手腕に望みを託しています。

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 左回りで走らせて、その後右回りでも走らせる。ちなみに赤いメンコを着用しているのがデビルズヘアカット君です。ずっとおとなしくしていたそうなのですが、ある日突然、この馬にしては珍しいくらい暴れ回ったらしく、それから対策としてメンコを着用するようにしています。半兄アキラも目が血走ってましたから、おそらく血統的にプッツンし易いところがあるのかもしれません。「コーナーで膨れないようにするのは勿論、一方向の手前だけで走っていると馬が苦しくなってしまうので、気持ちを汲み取って扶助してあげることで、人の言うことを聞く従順な馬になるんだ。そこで無理をさせてしまうと、尻っ跳ねをしたり、騎乗者を振り落とそうとしたりして、馬が反抗的になっちゃう。重要なポイントの一つだね」と藤井さん。いつもながら馬作りに賭ける想いがひしひしと伝わってきました。

静内エクリプスホテルに宿泊し、翌日は繁殖牝馬セールの見学から開始。
その後、マッキー軍団の1歳馬達が滞在している福山育成牧場さんとアルティザンステーブルさんを訪問させて頂きました。
まだ後期育成に入ったばかりなので断定は出来ませんが、個人的にこの1歳世代は当たり年ではないかなと期待しています。
今回、現場に足を運んでみて、そんな印象を受けました。少なくともここ数年よりは勝ち上がる馬が増えると思います。
一緒に配合を考えさせて頂いた仔達もいる世代なので、贔屓目に見ているところも勿論あるのでしょう(笑)。

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まずは福山育成牧場さんからイマジンピースです。父シンボリクリスエス、母父ダイワメジャーの牡馬。
母アナザーガールがノーザンテーストの3×3持ちなので、なるべく似通った血筋で固まらないようにカップリングしました。
中期育成の段階では、群れのドンとして居座っていたように、初仔の長男らしくないところに血統の影響を感じさせます。
耳の形や表情など、いきなり父親に似た雰囲気の馬を出してくれたアナザーガール。
生産の木下さんも楽しみが多い血統と褒めて下さってますし、ちょっとこれは繁殖として良い仕事をしてくれるかもしれません。
移動当初は煩い面を覗かせていたとの事ですが、福山さんの息子さん二人が馬術と空手の名手でして、現在はハミ受けも含め、問題ないレベルにまで落ち着かせてくれています。馬格もありますし、非凡な能力を感じさせる1頭ですね。

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こちらはコールドターキー。父ジャングルポケット、母ドライブマイカーの牡馬です。
パッと見で目につくのがポテッとした立派な腹袋。やはり母父タニノギムレット経由でブライアンズタイムの影響も少し出ているのでしょうか。
両親から割とナスルーラを多めに引き継いでいますので、行く行くはヤンチャな部分が出てくるのかなぁと思ったりしているのですが、福山さん曰く、1歳馬3頭の中では一番おとなしい方だそうです。将来的に競馬へ行って前向きさが発現してくれればと願っております。

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そしてアイラブハー。1歳馬3頭の中で一番早く福山さんの牧場に移動してきました。
父シンボリクリスエス、母サンキュウガールの牡馬です。
結構胴が長い印象。あまり体高がないので、少しでも歩幅を稼げる体型をしているのは好材料と言えるかもしれません。
上述したイマジンピースと同じシンボリクリスエス産駒でも、こちらの方が気難しいところがあったそうです。
サンキュウガールもこれで4頭目の産駒。そろそろ今後に向けて明るい話題が欲しい血統です。
この時期の1歳馬は総じてまだ背中の骨が軟らかく、腱や筋肉も緩い状態。当分はウォーキングマシンでの運動とダクでしっかり歩かせていく方針。同牧場は今春にウッドチップを詰め替えてフカフカの状態。脚元に優しい環境で逞しく育ってくれればと思います。

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福山育成牧場から車を走らせること約80分。今回の旅で最後に訪れたのはアルティザンステーブルさん。
このブログでも何度も触れていますが、元カントリー牧場の育成主任の藤井さんが場長を務め、ウオッカやタニノギムレット、最近で言えば新潟2歳Sに出走したキャスパリーグの基礎訓練に携わられました。
7月から調整して貰っているのがミルクアンドハニー。父エイシンフラッシュ、母父マンハッタンカフェの牝馬です。
すでにキャンターでの調整を開始している早期移動組。
ちょっと口元が繊細で、頭が右へ左へ動くところが見受けられた為、その点に注意しながら慎重に進めて頂いています。

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この栗毛に身を包んだ牡馬がハッピークリスマス。父ダイワメジャー、母マッキーアイドルで、馬体重は477㌔を計測。
移動してきて約2週間ほど経過しましたが、屋外コースの入り口やキャンターで逃げようとしたり、ダクで乗っても2周目で他馬に遅れを取ってしまったりと、なかなか厳しいスタートを切っています。
体質的に太り易く、それでいて運動後に裏筋が腫れるそうなので、燕麦の量を調整して頂きながらの状況。
おまけに洗い場でブラシを落とすとビクッとする位に気が小さい面も見せているとのことで、良化までに少し時間がかかるかもしれません。

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最後にご紹介するアンジェラは父ジャングルポケット、母アンナの牝馬です。
半兄アリゲイター、グラスオニオンが母から喉鳴りの症状を引き継いでいるだけに、やはり本馬もその点が気に掛かります。
ただ、兄達が背っ垂れだったのに対し、妹は背中が硬くてしっかりしているとのこと。
喉さえ問題なければ、この馬なりに良い競馬を披露してくれるのではないかなと期待しております。
ハッピークリスマスと一緒に移動してきた為、まだダクでの運動を開始したばかりですが、今のところはゴネずに応じてくれているとの事。
「こういう素直な性格の牝馬ほど、一旦ゴネらすと矯正が大変なんだ」とは藤井さん。やっぱり牝馬は頑固なんですね(苦笑)。
尚、デビルズヘアカットにつきましては、改めて別途個別の記事でアップする予定!今回の旅も実りの多い二日間でした。

 10月18~19日は1泊2日で北海道へ。今回は、サポートさせて頂いているNオーナーが競り市で購入された馬に会いに行くのが主な目的。朝晩の気温差が激しかったものの、雲一つない青空に恵まれ、絶好の見学日和となりました。しかし、今春にJRAで馬主としてデビューされて、まだ半年が経過したばかりだというのに、すでに2歳馬5頭の内、2頭が勝ち上がっているのはお見事としか言いようがありません。結構バタバタしましたし。あの時、中竹先生や佐藤先生に預託依頼を断られていたら、また違った結果になっていたのかもしれないと思うと、運勢はどこでどうなっているのか、分からないものです。購買を推奨したレジーナフォルテも無事に勝ち上がってくれて本当に良かった。やっぱり責任を感じてましたから…。感謝の一言に尽きます。

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 この馬は中竹先生が今夏のセレクションセールで射止めたキングヘイロー産駒。アンジュトウショウの2015です。全兄トウショウヘイローは甲南SなどJRAで5勝をマークした実力馬。ジャマイカジョーをはじめ、マッキー軍団もお世話になっている秋田さんの生産馬でして、現在は森本ステーブルで調整されています。中竹先生好みの馬体らしく、現場経験に裏打ちされた理論をお聞かせ頂いて、また一つ勉強になりました。この配合と馬体ですし、順調に行けば良い競馬を披露してくれるのではないかと思います。母父オジジアンを補強できる材料がキングヘイローにはある!

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 マッキー軍団からはリバプールタウンが同ステーブルで調整して貰っています。父ルーラーシップ、母マッキーパシオンの期待馬です。まだまだ幼児体型ですが、血統的に変わってきそうなタイプだけに、少なくとも上の兄姉よりは走ってくれそうな手応えを感じています。母マッキーパシオンが名牝アルマームードの末裔で、血量が濃くなる影響か、これまでの産駒がノーザンダンサー系の種牡馬やマームード、ヘイルトゥリーズンのクロス持ちであるタイキシャトルで一息だった為、バラエティに富んでいる非サンデー系ルーラーシップに父が替わったのは、良い方向に作用するのではないでしょうか。驚いたのは、代表の森本さんがマッキーマックスの育成に携わってらっしゃったという話。いやぁ、ホント世間は広いようで狭いですね!

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 せっかくの機会なので、合間に訪問可能な距離の範囲内で、マッキー軍団の預託牧場にも寄らせて頂きました。森本ステーブルから車で30分。荻伏三好ファームで約3か月ぶりにホワイトアルバムの初仔と再会。馬格のある母に似て、どんどん体高が伸びています。将来的に体重500㌔、体高170㌢位にまで達するのではないかと談笑していました。父オルフェーヴル譲りのヤンチャな気性も健在です。ここに来てコンディションが上がってきたことから、そろそろ離乳の段階へと進む予定。この大柄な馬体と気性ですから、おそらく群れの中でボス的な存在として君臨することになるでしょう(笑)。

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 北海道の滞在1日目、最後に訪れたのは秋田育成牧場。父ヨハネスブルグ、母スペシャルワールドの牡馬です。離乳を無事に終えて、現在は同期と過ごすことで社会性を育んでいる状況。勝ち上がり率が非常に高い父の力を借りて、とりあえず一つ勝ちに行けるようにという願いを込めて配合されました。アキラも含め、そろそろスペシャルワールドに繁殖牝馬としてのポテンシャルを発揮して欲しいですね。3頭連続で男馬を産んだだけに母胎の回復が待たれますが、空胎明けの来春はエネルギーが蓄えられているでしょうし、早期の種付けが可能となるので、何とか一族の存在感をアピールしてくれませんか。

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 第4回京都競馬5日目は京都12Rの藤森Sにハニードント[牝5・梅田智厩舎]が出走。大外枠を引き当てたとはいえ、頭数が落ち着きましたし、淡々とした流れになりましたので、4角の手応えから好勝負できるのではないかと期待していました。いやぁ、ゴール前で盛り返してくれているのですが、勝ったエイシンバッケンに後方から素早く出し抜かれた感じですね…。エンジンのかかりが違いました。流石は欅SでスプリンターズSの覇者レッドファルクスに差し迫った実力の持ち主。それでもコンマ3秒差の6着ですし、改めて準OPで通用するところを証明してみせました。ナイスファイトです!

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 今や毎年恒例となった関西ラーメンダービー。多くの来場者で賑わっていましたが、流石に並んで待つ勇気は持ち合わせておりません。隣に居合わせた紳士曰く、事前にテレビの取材を受けて広報に力を注いでいたラーメン店は客足が途絶えない傾向にあったそうです。マスコミの影響力は健在なんですねぇ。会場を見渡してみると、おみくじ馬券という、コンピュータがランダムに馬番を選ぶ馬券のPRをしているスタッフさん達の姿が。困ったことに、女性スタッフのコスチュームが、個人的にお願いコスプレランキングで3位にランクインしている巫女さんだったものですから、おみくじ馬券を買いたくなる衝動に襲われました。

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 秋華賞の開催に加え、この日は表彰式のプレゼンターが有村架純さんだったのもあり、場内の盛り上がりが凄かったです。彼女がスタンドから手を振ると、男性ホルモンの活発そうな若い衆が全身を使って喜びを表現していました。菊花賞はプレゼンターの名が挙がっておりませんが、この流れで行くと、そろそろガッキーとか来てくれないかなぁ。今秋のドラマで家事代行の役柄を演じてらっしゃいますが、ありゃ反則です。鬼に金棒ならぬ、ガッキーにエプロン。プレゼンターに限らず、競馬場は運営の工夫一つでまだまだ来場者層を広げられる可能性を感じました。ちなみに秋華賞当日は、入場人員、売上共に前年比を上回ったようです。

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