オーストラリア弁護士生活

2004年からオーストラリア・ゴールドコーストのサーファーズパラダイスで弁護士をしている信頼と実績の弁護士・神林佳吾です。  困った事があれば、1人で問題を抱えず、まずは気軽に日本語でご相談下さい。 あなたの問題が解決するまで親身になってサポートします。 (秘密厳守)

ゴールドコーストの弁護士

オーストラリアの不動産売買について その2

先日のブログではオーストラリアの不動産売買における契約後の流れについて説明させていただきましたが、今回は不動産売買の実務で気を付けるべき点をご説明したいと思います。 その前に不動産は金額の大きい資産ですから、やはり一番気になるのは手数料や費用などではないでしょうか。 そこで、クィーンズランド州における不動産売買における手数料・費用の目訳について、先ずはご説明したいと思います。

 


不動産売買の費用目安について

-      印紙税 25               物件価格に拠って変動 買主負担

-      不動産エージェント手数料   物件価格や業者に拠って変動(交渉可能) 売主負担

-      弁護士費用                      750~1000ドル前後**                 

-      建物検査・不動産価格調査   5002000ドル

 



 


オーストラリアの印紙税について

2015711日現在におけるクィーンズランド州のStamp Duty(印紙税)は以下の通りです。

 



売買&譲渡額

印紙税

A$5,000

無税

A$5,000以上A$75,000未満

A$5,000以上についてA$100毎にA$1.50

A$75,000以上A$1,000,000未満

A$1,050+(A$75,000以上についてA$100毎にA$3.50)

A$540,000以上A$1,000,000未満

A$17,325+(A$540,000以上についてA$100毎にA$4.50)

A$1,000,000以上

A$38,025+(A$1,000,000以上についてA$100毎にA$5.75)


 


Stamp Duty(印紙税)算出について

 A$600,000の物件を投資目的で購入する場合にはStamp Duty(印紙税)はA$20,025がかかります。 なお、その際の計算式は以下の通りです。

         A600,000の場合: A$17,325(60,000 x 0.045) = $20,025

 


不動産物件を投資目的ではなく、通常の居住用(=別荘ではない)として購入する場合にはConcession Rate(減税レート)が適用され、A$600,000の物件ですとStamp Duty(印紙税)はA$12,850となります。 なお、その際の計算式は以下の通りです。

         A600,000の場合: 54万ドルまでA$10,150ドル+54万ドル超過分6万ドルに対して4.5

また、オーストラリア国民及び、永住権保持者にはFirst Home Buyerという政府の補助金を申請できる場合がありますので、税金の金額や補助金についてはケースバイケースで判断する必要があります。

 


不動産エージェント手数料について

不動産購入エージェントは売主の依頼を受け、その際の契約内容に基づいて不動産の買主を見つけてくる事で手数料を受けます。 不動産売却における仲介手数料については交渉で下げる事が可能なのですが、不動産手数料を値切ったばかりに親身になって応対してもらえず、本来は85万ドルで売れる物件が80万ドル*で買主を見つけてこられたのでは困ってしまいます。 そこで気を付けて頂きたいのは、不動産エージェントは不動産が売れなければCommission(手数料)を得られない訳ですから、自分が納得できない売値については断固断るという姿勢を提示する事です。 場合によっては、幾つかの不動産業者に競わせると良いでしょう。

 


* 不動産エージェントの視点としては、高く売ろうとして話が流れるよりも、安くても買いたい人がいれば、手数料が入る訳ですから売りたいというのが本音です。

 


オーストラリアの不動産売買における注意点

殆どの方は不動産業者を通して買いたい物件を決められると思いますが、この時に知っておかなければいけないことは、不動産エージェントの役割はあくまでも売主の依頼の下で任務を遂行することであり、一見して親身になってくれているようでも、必ずしも不動産エージェントは買主のために行動しているということではないということです。 また、不動産は他の物品を買う場合とは異なり、書面による契約が必須であり、契約締結前の約束事は何の拘束力も待ちません。 契約書にサインしてから「不動産エージェントはあの時はこういってたのに」となっても後の祭りですので、重要な内容については契約書にサインする前に必ず確認しておく必要があります。

不動産購入に際して銀行などの金融機関にホーム・ローンを申請される場合、銀行側は購入不動産を含め各種査定を行います。 ここで気を付けていただきたいのは、銀行側がチェックしているのは申請者の返済能力を加味した上での不動産自体の担保価値についてのみです。 言い方を変えれば、銀行側がチェックしているのは不動産が正常な価格で取引されているかということではなく、貸したお金を回収できる見込みがあるかどうかということですから、買主が最も得たい、また、得る必要がある「この物件が適正な価格なのか」という点についての助言は不動産エージェント、銀行側のどちらからも得られるものではないことを意味します

不動産売買は契約書にサインした時点で契約締結となり、この契約内容に基づいて全てを進めなければならなくなります。 契約書に署名した後は、契約書で取り決められた内容に沿ってしか話が進んでいきます。

不動産物件の購入アシストや売却手続きの代行、また、英語での取引が不安な場合など、各種代行業務も承っておりますので、先ずはお気軽にお問い合わせください。 

神林佳吾法律事務所による不動産売却代行公式ページ: https://kklaw.com.au/archives/how-to-sell-australian-property.html


 


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Written by

オーストラリア国弁護士 神林 佳吾,
LL.B (UQ), B.Bus (UQ), Grad. Dip PLEAT (UQ)


事務所公式ホームページ http://www.kklaw.com.au

e-mail: info@kklaw.com.au
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