2005年08月

2005年08月24日

デザインエンジニア5

今週の月曜日、L.E.D(リーディングエッジデザイン)の田川さんにインタビューに行ってきた。彼はtagtypeの開発者ということで、知っている方も多いことと思う。今現在は、山中氏の率いるL.E.Dのデザインエンジニアである。そもそもデザインエンジニアとはいかなるものか?そしてプロダクトデザインにおけるその可能性とは?というところを中心に話を聞いてきた。

実は田川氏とは3年ほど前からひょんなことから仲良くさせてもらっている。またsuper robotで作っている、フラットパッキングシステムライブジョイントの名付け親でもある。当時から田川さんの学生時代の作品や、tagtypeなどのプロダクトから強烈な個性と頭の切れの良さには舌を巻くところがあった。今回2時間ばかりのインタビューだったが、この日本で、あるいは世界を探しても、彼のような人物は稀なのではと思うにいたった。インタビューの最後に、彼が今考えている夢のプロジェクトについての話をこっそり教えてもらった。もちろんオフレコである。だからここでは書けない。例えを言うならば、タイムマシーンを作りたいというようなことだとしよう。普段の私だったらまず信じようがない話だったが、私は確信を持った。田川さんならやってのけるにちがいないと。

インタビューの内容は、2月号の住宅特集に掲載予定


芦沢啓治建築設計事務所

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2005年08月22日

狩猟1

深夜の自宅。なぜか騒騒しい居間。そして、いつになくリンとした我が家の黒猫ココアが、不穏な動きをしている。そう、どこでつかまえてきたかわからぬセミをいたぶっているのだ。そして、音がしなくなった。いつもは娘にいたぶられ、そして引っかいてお返しをする程度の穏やかな飼い猫が、ひとたび格好な餌食をみつけると、血が騒いでしまうようである。朝、皆が起きる前に残骸を片付けることにする。


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2005年08月18日

風景

夏休み、義理の母の実家である銚子にいってきた。
漁港と醤油が有名な町である。のんびりした町であるが、2年前に初めて尋ねたときにはなかった景色が現れた。風力発電である。一年を通していい風が吹くらしい。町の人たちは景色が変ってしまったと嘆く。私は面白い景色だと思い写真をとる。海沿いの景色はコンクリートやテトラポットで護岸されて、寒々しいものとなっている。むしろ守るべき景色はこちらのほうで、風力発電の景色はあらたなテクノスケープとして観光にすればいいと、部外者の私は思う。

芦沢啓治建築設計事務所

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2005年08月12日

casa-m3竣工

casa-m3が竣工した。解体から考えるとほぼ1年。実に簡素な住宅であるが、割と灰汁の強い住宅でもある。あっけらかんとした無骨な家といってもいい。それは一重に建主の生活力によるものだと確信している。先日のブログにも書いたが、生活者が自ら空間を作る、作り変えることほど正しい住まい方はない。恩着せがましい生活観を塗りこんだ真っ白な「作品」も、南仏風の悪趣味な商品化住宅も、マクドナルドを食べて少ないお小遣いをためて買うビトンのバッグも基本は一緒なんじゃないかと思うことがある。どれも自分の生活感をもたないカメレオンといってもいい。何色になるかを自分で決めることはない。
構造はコンクリート、ほぼ内外打放しである。遮熱塗料と収納の内部以外は断熱材はほどこされていない。1つには予算のためではあったが、素にこだわる渡邊さんの思いもある。casa-m3の工事記録の原稿でこう語っている。

「・・・・すでに自ら塗った外壁などプロの手に依る仕上げには程遠いが、ほお擦りをしたいほどの愛着がある。住みながら、成長し、時の経過とともに完成してゆく家にしたい。」

これぞ家作りの醍醐味。

芦沢啓治建築設計事務所







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2005年08月02日

先週

渋谷の中古マンション改修工事が無事、なんとか竣工を迎えた。今回は、完全スケルトンにするのではなく、使える壁、床、設備をうまくつかいつつ、最小限に手を入れることを念頭においている。中古マンションの改装は、その按配が実は難しい。予測不能な配管、配線ルート、思いのほか壊せなかった壁や、表面がボロボロの躯体をどう楽しむか。それがコスト削減と意外に良い?デザインにつながっていくゲームのようなところがある。そのゲーム性を理解していただいた建主との仕事は・・手前みそになるが・・この渋谷の306号室のようにパズルが解ける。
しかしながら、通常のマンションのリフォームが如何に杜撰か解体してみると良くわかる。列挙すると、
躯体から2重に壁がふかされていた。トイレの換気扇の配管がどこにも繋がっていなかった。扉の枠が異常に大きかった。(別の部屋の建具枠は異常に小さかった。おそらく間違えてつけている。)お風呂の天井から排水がもれていた。
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先週、そろそろ竣工するcasa-m3の渡邊さんに誘われて、館山のsecond houseに遊びにいかせていただいた。昨年に引き続き2回目である。岩場に砂浜、ちょっとしたシュノーケリングスポットのある隠れ家的な海水浴場、そして渡邊さんの手料理。おいしいワイン。僕らは生活の器をデザインをする職業だけれども、本当の意味での生活者という観点では、いつも建主にはかなわない。写真はそろそろ開拓が終わりお役目ゴメンのユンボー。

芦沢啓治建築設計事務所


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