2011年09月
2011年09月16日
Shelf
様々なことが同時に動き出しているとき、多くの人たちは、実はお手玉といっしょで落ちてくる玉から順番に拾い始める。だから忙しい人に仕事を頼む時、その落ちっぷり、その速度といまどれくらい地面に近づいているかをプレゼンテーションすると案外ぽっとやってくれる。
これはあたかも人の話のようだけれど、実は最近の暇アピールを連呼していたら、暇じゃなくなってきて焦りはじめている。まあ仕方がない。働かざるもの食うべからずなのだ。そういっても仕事のような仕事じゃないようなことのほうが多いんじゃないか?
・・ともかく、今日はshelfの話をしたい。というのも9/25日からAXISで「人づくりシェルフ展」が開催されるゆえ。
このプロジェクトが外部のデザイナーを巻き込むようになってから3年間、がっつり僕は関わってきた。もっというと、人づくりプロジェクト、新人の教育のためのプロジェクトについて最初に丹青社さんから相談があったときに、「シェルフ展にしましょう!」と何の気なしにぺらっとしゃべった。そして本当に「シェルフ展」になったのだ。そんなわけでまず、なぜシェルフなのかという話をしたいと思う。
協力デザイナーにはデザインする上でいくつかのルールをつくろうという話がまずあった。小さすぎないこと。つき板、もしくは無垢材と金属を使ってほしい、できれば金属と木材が面になるようなデザインをしてほしいということだ。これは何をいっているかというと、店舗の設計と施工の多い丹青社さんにとって、そこがデティールの胆であり、二大マテリアルというわけだ。いずれにしてもその二つのマテリアルを駆使してつくるという意味において、「shelf 」は王様だろう。次にそのうち展示会をやれるといいねということもあった。そこでのテーマが、「金属と木材が面になる什器展」では様にならない。しかも協力デザイナーがそれなりに意欲的に独自のテーマもって挑めるものにしようということになって、「棚」では限定的すぎるから「shelf 」ということになった。そして「shelf 」展なわけだ。
これが「bench」や「tabel」ではここまでのバリエーションはでてこなかっただろう。
新人デザイナー、制作担当は、デザイナーがなげかけるコンセプトに基づき、だれも作ったことのない「shelf」に挑むわけだが、家具とはいえ、ビックプロジェクトになる。「どんなshelfですか?」と新人君がきけば、デザイナーは森羅万象、壮大なストーリを語りだす。(もちろん、僕の家にたりない家具をさ・・と素朴な人もいる。)これらは全て新人君の勉強となり、アイデアを具現化していく上で、スキルや新しい技術をしることとなり、これは丹青社の引き出し、新人君の引き出しになっていくという仕組みだ。
今回僕がつくったのは下記。
3年間、ほぼ一貫したコンセプトをShelf に対してぶつけている。
boxinbox
去年
slybox
一昨年
drawershelf
これはあたかも人の話のようだけれど、実は最近の暇アピールを連呼していたら、暇じゃなくなってきて焦りはじめている。まあ仕方がない。働かざるもの食うべからずなのだ。そういっても仕事のような仕事じゃないようなことのほうが多いんじゃないか?
・・ともかく、今日はshelfの話をしたい。というのも9/25日からAXISで「人づくりシェルフ展」が開催されるゆえ。
このプロジェクトが外部のデザイナーを巻き込むようになってから3年間、がっつり僕は関わってきた。もっというと、人づくりプロジェクト、新人の教育のためのプロジェクトについて最初に丹青社さんから相談があったときに、「シェルフ展にしましょう!」と何の気なしにぺらっとしゃべった。そして本当に「シェルフ展」になったのだ。そんなわけでまず、なぜシェルフなのかという話をしたいと思う。
協力デザイナーにはデザインする上でいくつかのルールをつくろうという話がまずあった。小さすぎないこと。つき板、もしくは無垢材と金属を使ってほしい、できれば金属と木材が面になるようなデザインをしてほしいということだ。これは何をいっているかというと、店舗の設計と施工の多い丹青社さんにとって、そこがデティールの胆であり、二大マテリアルというわけだ。いずれにしてもその二つのマテリアルを駆使してつくるという意味において、「shelf 」は王様だろう。次にそのうち展示会をやれるといいねということもあった。そこでのテーマが、「金属と木材が面になる什器展」では様にならない。しかも協力デザイナーがそれなりに意欲的に独自のテーマもって挑めるものにしようということになって、「棚」では限定的すぎるから「shelf 」ということになった。そして「shelf 」展なわけだ。
これが「bench」や「tabel」ではここまでのバリエーションはでてこなかっただろう。
新人デザイナー、制作担当は、デザイナーがなげかけるコンセプトに基づき、だれも作ったことのない「shelf」に挑むわけだが、家具とはいえ、ビックプロジェクトになる。「どんなshelfですか?」と新人君がきけば、デザイナーは森羅万象、壮大なストーリを語りだす。(もちろん、僕の家にたりない家具をさ・・と素朴な人もいる。)これらは全て新人君の勉強となり、アイデアを具現化していく上で、スキルや新しい技術をしることとなり、これは丹青社の引き出し、新人君の引き出しになっていくという仕組みだ。
今回僕がつくったのは下記。
3年間、ほぼ一貫したコンセプトをShelf に対してぶつけている。
boxinbox
去年
slybox
一昨年
drawershelf
2011年09月13日
ボディーブロー
今後の活動ならびに下準備、そして他様々な情報収集のため先週の水曜日、木曜日で石巻入り。見違えるほど町はきれいになっているけれど、逆に本来の復興に時間がかかりそうだということも同時感じてしまう。町に人が戻ってくること、町として機能させるまではやはりなんらかの仕掛けが必要だろうと痛感する。その仕掛けは単発ではだめだという人もいるけれど、その単発をつなげていくことでもいいんじゃないかと最近思っている。つなげていくことで、それは線となり、いずれ面となって空間へとつながっていくんじゃないかと。ボディーブローはいっぱつでは効かないが、地味に打ち続けると体力をうばい、ときにはダウンすらとれることもある。小さな活動をボディブローにたとえることもできそうだ。
ベンチ、テーブルをつくったときにお世話になった石巻工業高校へあいさつから始まって、石巻マルシェとは成立するのかという話を会議を工房で。誰にむけてマルシェをやるのか、いったいそういったマルシェを開催してどれだけ人がくるのか、そのあたりの戦略を練り上げる必要があるという話になった。お魚王子の発案で魚屋として出店するのみならず、牡鹿半島の漁師、漁場をめぐるツアーとあわせて計画しようということになった。彼がすばらしいのは、すでに彼が築いているネットワークの中で、ツアーが組めてしまうところにある。旅行会社、ツアーに参加してくれるであろう人たち、そしていかにそのツアーを成功させるかという勘所まで押さえている。脱帽。そのあたりは彼に任せて、僕らは阿部新前のマルシェ予定地における後方支援をしていこうと思う。
同時に、石巻西高校の美術の先生とお話。彼女は、仮設住宅支援を地元で精力的に活動している。生徒に対する熱意や、今回の震災後の彼女自身の役割、やりがいも感じているようで、本当に素晴らしい。ハーマンミラーの活動にむけての準備や、協働できること、継続して活動していく方法を考えていこうという話に。
そんな会議のあとは、石巻のお寿司屋さん、日本酒バー、そして最後に復興バーへ。これがなかなかどうして楽しい。コストパフォーマンスもさることながら、日本酒も地元のバーでのむと、おそらく保存状態の良さもあるとは思うが、実にうまい。魚はいうまでもなく・・。宿も復活しつつある石巻にぜひ多くの人に行ってもらってお金を落とすこと。それを町の人は望んでいるし、あきらかにお金のおとしがいのある町だと思う。
写真は、昔の復興バー/今の復興バー。super robot作、松竹号。グラフィックは
room composite http://www.room-composite.com/ 津波を被った錆びだらけになったテーブルの修復。藤森泰司さん。工房でつくったテーブル&ベンチ。もはやこのスペースのインフラ。
ベンチ、テーブルをつくったときにお世話になった石巻工業高校へあいさつから始まって、石巻マルシェとは成立するのかという話を会議を工房で。誰にむけてマルシェをやるのか、いったいそういったマルシェを開催してどれだけ人がくるのか、そのあたりの戦略を練り上げる必要があるという話になった。お魚王子の発案で魚屋として出店するのみならず、牡鹿半島の漁師、漁場をめぐるツアーとあわせて計画しようということになった。彼がすばらしいのは、すでに彼が築いているネットワークの中で、ツアーが組めてしまうところにある。旅行会社、ツアーに参加してくれるであろう人たち、そしていかにそのツアーを成功させるかという勘所まで押さえている。脱帽。そのあたりは彼に任せて、僕らは阿部新前のマルシェ予定地における後方支援をしていこうと思う。
同時に、石巻西高校の美術の先生とお話。彼女は、仮設住宅支援を地元で精力的に活動している。生徒に対する熱意や、今回の震災後の彼女自身の役割、やりがいも感じているようで、本当に素晴らしい。ハーマンミラーの活動にむけての準備や、協働できること、継続して活動していく方法を考えていこうという話に。
そんな会議のあとは、石巻のお寿司屋さん、日本酒バー、そして最後に復興バーへ。これがなかなかどうして楽しい。コストパフォーマンスもさることながら、日本酒も地元のバーでのむと、おそらく保存状態の良さもあるとは思うが、実にうまい。魚はいうまでもなく・・。宿も復活しつつある石巻にぜひ多くの人に行ってもらってお金を落とすこと。それを町の人は望んでいるし、あきらかにお金のおとしがいのある町だと思う。
写真は、昔の復興バー/今の復興バー。super robot作、松竹号。グラフィックは
room composite http://www.room-composite.com/ 津波を被った錆びだらけになったテーブルの修復。藤森泰司さん。工房でつくったテーブル&ベンチ。もはやこのスペースのインフラ。
2011年09月02日
石巻工房 WEB
先日石巻工房の会議を事務所で行いました。世の節電にかこつけて30度をこえる熱帯夜の中、弊社では節電というより節約、節欲によりエアコンはついておりません。汗をふきながらのミーティングです。内容は、のちほど詳しくお話します。
工房会議の前は、ハーマンミラーさんとも打ち合わせをいたしました。ハーマンミラー本社から10数人を超える屈強アメリカ人の職人、デザイナーが石巻での復興活動を約10日間行うのですが、その際の日本側パートナーとして石巻工房が選ばれました。(アクシスの佐野さんのご尽力いただきました。)いったい我々のようなモノをデザインをする人間が職能を生かしていかに復興の手伝いをいかにするか、効果的なことができるのか?非常に難しい問いです。様々議論をしていくなかで、ハーマンミラー日本法人社長である松崎さんから、いいお話を聞かせてもらいました。
「小さな産業をおこすつもりで、いっしょにやっていきましょう。」
なるほどと思いました。このセリフのキモは、「小さな」です。小さくてもいいんだと思うことで、少なくとも始めること、スタートすることは出来そうです。「東北の復興」などとフレームを広げすぎてしまうと、何をやっていいのかわからなくなります。そのくらい自体は複雑ですし、被害をうけたエリアは尋常ではないくらい大きいわけです。そこにポツンと一人の人間が立ち向かうとなると途方もなく無力さを痛感してしまいます。小さくてもいい、その小さなことがつながって大きくなることもあるに違いないと、そう信じること、そしてスタートすること、これが復興支援をつづけていく鍵なんだろうと改めて思ったわけです。
これから、雑談ページや、石巻工房のページでは、小さな野望や、小さな約束をいくつかしていきたいと思います。うまくいかないこともあるでしょう。ときには、野望(小さな)はかなえられるかもしれません。そして小さな産業をおこすこと、小さな革命がおこること、小さいけれど復興の足がかりが、石巻工房からうまれることがあるかもしれません。そんな出来事をどうか見守ってください。
先日のミーティングに話を戻します。
多くのデザイナーからの支援をいただき、また様々なメーカーさんなどから資材や道具の提供をすでに受けております。そうした材料や道具、そして現地でのパートナー、工業高校建築部の生徒、美術部の生徒などといっしょに、いくつかプロジェクトを起こしていきます。そしてそれらはある程度の量がまとまった段階で、ゆるく製品化していくことをたくらんでいます。なぜなら、参加していただいている仲間のデザイナーはそれができるほどに、十分に優秀であるという自負があります。工房の向かえにある被災した建物1階をショールームにする計画がでています。また商品は、協力していただけるメーカーさんや仲間を通して市場におくりこみながら、同時に仮設住宅や必要としている人たちへと供給されていきます。
そんな話を食事をしながら打ち合わせいたしました。
石巻工房は小さな産業をめざしていきます。
ps
表題にあるように、石巻工房はWEBSITEができました。
工房会議の前は、ハーマンミラーさんとも打ち合わせをいたしました。ハーマンミラー本社から10数人を超える屈強アメリカ人の職人、デザイナーが石巻での復興活動を約10日間行うのですが、その際の日本側パートナーとして石巻工房が選ばれました。(アクシスの佐野さんのご尽力いただきました。)いったい我々のようなモノをデザインをする人間が職能を生かしていかに復興の手伝いをいかにするか、効果的なことができるのか?非常に難しい問いです。様々議論をしていくなかで、ハーマンミラー日本法人社長である松崎さんから、いいお話を聞かせてもらいました。
「小さな産業をおこすつもりで、いっしょにやっていきましょう。」
なるほどと思いました。このセリフのキモは、「小さな」です。小さくてもいいんだと思うことで、少なくとも始めること、スタートすることは出来そうです。「東北の復興」などとフレームを広げすぎてしまうと、何をやっていいのかわからなくなります。そのくらい自体は複雑ですし、被害をうけたエリアは尋常ではないくらい大きいわけです。そこにポツンと一人の人間が立ち向かうとなると途方もなく無力さを痛感してしまいます。小さくてもいい、その小さなことがつながって大きくなることもあるに違いないと、そう信じること、そしてスタートすること、これが復興支援をつづけていく鍵なんだろうと改めて思ったわけです。
これから、雑談ページや、石巻工房のページでは、小さな野望や、小さな約束をいくつかしていきたいと思います。うまくいかないこともあるでしょう。ときには、野望(小さな)はかなえられるかもしれません。そして小さな産業をおこすこと、小さな革命がおこること、小さいけれど復興の足がかりが、石巻工房からうまれることがあるかもしれません。そんな出来事をどうか見守ってください。
先日のミーティングに話を戻します。
多くのデザイナーからの支援をいただき、また様々なメーカーさんなどから資材や道具の提供をすでに受けております。そうした材料や道具、そして現地でのパートナー、工業高校建築部の生徒、美術部の生徒などといっしょに、いくつかプロジェクトを起こしていきます。そしてそれらはある程度の量がまとまった段階で、ゆるく製品化していくことをたくらんでいます。なぜなら、参加していただいている仲間のデザイナーはそれができるほどに、十分に優秀であるという自負があります。工房の向かえにある被災した建物1階をショールームにする計画がでています。また商品は、協力していただけるメーカーさんや仲間を通して市場におくりこみながら、同時に仮設住宅や必要としている人たちへと供給されていきます。
そんな話を食事をしながら打ち合わせいたしました。
石巻工房は小さな産業をめざしていきます。
ps
表題にあるように、石巻工房はWEBSITEができました。