2009年08月29日

ベンチマーク

ビールは、確実に腹にきく。つまりおなかの肉になる。なるほどこれが中年ぶとりといわれるやつかと思う。ビールぱらともいう。無謀にもここ2ヶ月ほどこの肉をいかにとるかで格闘するも、腹筋やうでたてふせは、はらの肉とともに、体格がよくなりだけで、「全体的に分厚くなったね。」といわれるしまつだ。だからといって夏のビールはやめられない。が、今日のように、ビールが冷蔵庫になければ(飲まれてしまっていれば。)炭酸水を飲む。これでもかなりすっきりする。2日に1度はこれでごまかそう。さて今週は実に刺激的な一週間で、メダルを取ったアスリートじゃないけれど、皆さんに感謝である。動いている現場をまわり、オーストラリアからピーターがきて、娘が誕生日となり、近所の建築家の方々と意見交換で深酒。
ピーターと温泉に入りながら、竣工間際の建築をいっしょに回りながらのやり取りは、これから先の長い人生においても貴重な時間であったと思えることだろう。彼は長いこと先生もやっているからさながら僕は生徒のようなのだが、この年になって、新たな師匠を得るというのは決して悪くないと改めて思った。僕はゴルフをしないから、ゴルフの楽しみはまったくわからないのだけれど、ゴルフは中々上手にならないから面白いのだとか。建築も本当に残念だけれど突然上手になったりはしない。ピーターの話しだと、それは経験することでしか、解消しないのだと自信たっぷりにいうのだが、ハードワークである程度カバーできるともいっている。優雅なライフスタイルを楽しむオーストラリア人からすれば、僕ら日本人の働きかたは、ほとんどキチガイのようにうつるかもしれないが、彼から送られてきた素晴らしいスケッチをハードワークで紐解いた建築は、彼の心にも響いたようで、彼にとってもベンチマークになりうる建築になったといっていた。そして、よくぞここまでのクオリティーをつくってくれたと感謝の言葉を何度となくいただいた。それが単なるサービストークではないことは、そろそろ長い付き合いになっているのでなんとなくわかる。その瞬間にいままでの苦労はどこかに吹っ飛んでしまうから不思議だ。また現場での彼の振る舞いも、実に勉強になる。彼は柔軟である。現場の間違いや、彼のスタッフ、または僕の勇み足のディテールに微笑みながら、これぞあたらしいのデザインのチャンスとばかりに、アイデアを豊富にしめす。どこぞの建築家のように作った壁をハンマーでこわすことはしない。そのかわりにその壁のかわいいところを見つける努力をする。かつてのコルビジェも現場の間違いをうまく生かすことが得意だったということを思い出した。間違いは最高のディテールを発見するチェンスなのだという。それは言いすぎだとは思うが、僕は概ね肯定する。明らかに現場のミスや、彼のチェックミスによる間違いに関しても、激高することなく、静かに「どうしてこうなったのだろうか。」「こうすればもっと素晴らしいと思う。」彼は職人に対しても、僕に対しても直せとはいわない。質問をするだけだ。これが僕や現場に対して一番のプレッシャーであること、また合意を得る方法であることをよくしっている。

娘が3歳になった。3年という歳月があっというまであることに打ちのめされる。夫婦そろって自営業であることの不安と、僕が親からいままで育てられてきたことの感謝、そして目にいれてもいたくないという言葉がうそではないということに、改めて気付く。

久しぶりの文京区の建築関係者の会合で、手嶋さんと河野さんと深酒をする。いまは我々と同業となった元住宅特集の佐藤さんも同席。薩田さんにも初めてお会いした。手嶋さんは、先日行ったピーターの講演会や、内覧会にもきてくれている。尊敬できる先輩と話すのは、本当に心地いい。手嶋さんはピーターの考える建築が日本で風土と馴染むかどうかは疑問があると正直な感想をいただく。僕はあまりにも彼の近くにいて、もはや判断がつかない。ただ1ついえるのことは、彼のスケッチがあまりにも美しいこと、と答えた。そのスケッチのよって、空間や、メンバーがまとまり、そして絶妙なバランスで建築が組みあがっていくことを目の当たりにすると、彼が才能のある建築家であることは間違いないだろうと思っている。いずれにしても、そのようなことが語り合える場所にいて、そのような経験をできるこは、いまこの環境に本当に感謝すべきことだとつくづく思う。





keijidesign at 15:12│Comments(2)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by ワンコ   2009年08月30日 10:42
はじめまして、ワンコといいます。
いつもブログ楽しく拝見させてもらっています。
私は都内組織設計事務所で働いています。
どこぞやの建築家、そしてお施主さんからも出来た躯体をハンマーで壊されることもしばしば・・・この気持ちはハンマーを振りかざしている当人には分らないものでしょう。
監理はデティールや見映えを押し付けるのではなくどう対応していくが大切だと日々感じています。それが大変なんですが(笑)
私も新たな師匠を探すべく日々精進していけたらと思います。

2. Posted by keijidesign   2009年09月01日 13:31
こんにちは。スケッチブログ拝見いたしました。かわいいイラストですね。ひそかにまねしようかと画策中です。そして楽しく読んでいただいているとのこと、うれしいかぎりです。ここでの僕と、実際の芦沢には若干のずれがあり、すこし楽しい芦沢でいようと心がけています。なんのことやらですが。

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