まずいスープ/戊井昭人。2012.04.13 銀河鉄道の夜/青年団@駒場アゴラ劇場。

2012年04月12日

夏天の虹・みをつくし料理帖(第7巻)/高田 郁。

6巻が出たときに、同じ作者の「銀二貫」で興味を持って初めて読んで一気に読み通した。
上方の少女・澪が、事情と哀しみを携えて、大店の料理店のごりょんさんと江戸に出てきて女料理人として料理の腕を磨く話。
本格時代小説好きの人には物足りないかもしれないけど、料理と人の心の描写は出色。
澪たちを取り巻く市井の人々の描き方も魅力的。
飯屋の主人、下足番の娘、吉原の花魁、その花魁を大切に思っている吉原の料理人、長屋の夫婦、戯作者や版元など常連客、手伝いの腰の曲がったお婆さん、ライバルの大店の店主、澪の心のよりどころとなる武士、などなど。
この小説は “喪失とどう向き合って強く生きていくか” ということが大きな命題になっていると思う。
それぞれの登場人物たちが持つ悲哀や痛みが、毎回ないまぜになってずしりと響いてくる。
澪は、どうにもならない哀しみや痛みを、自分も成長しながら周囲の人々と協力して、料理で癒していく。
哀しいできごとが起こっても、どうにか次にむかっていく方法をみつけていく姿は、無条件に読者にも力を湧かせる。

今回の「夏天の虹」は、失ったものが大きすぎて、読後もこちらが立ち直れない感じだけど、1年後に
出版される次号では登場人物たちの生き生きした姿がみたい。
と思わせるほど、ここに出てくる人物たちが他人と思えなくなってしまったのだ。

あらすじは書かない。
騙されたと思って読んで欲しい本。
わくわくして。

夏天の虹―みをつくし料理帖 (角川春樹事務所 (時代小説文庫))
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keiko_flash at 23:30│Comments(0)TrackBack(0) 読書 

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まずいスープ/戊井昭人。2012.04.13 銀河鉄道の夜/青年団@駒場アゴラ劇場。