2009年05月

2009年05月24日

 私は日本史で受験しましたので、それ以外の社会科目については書きません。下の「日本史のアウトライン」の記事も読んでくださいね。
 英語は様々な英文を読みまくる必要があるため、参考書もたくさん紹介しましたが、日本史は基本的にいくつかの参考書をマスターすれば大丈夫です。

石川日本史B講義の実況中継 石川晶康(河合)
おすすめ度★★★★★ レベル3〜4

 この本が日本史の中心です。ほぼ全てであると言っても過言ではありません。全5巻のボリュームは、まさに受験日本史をカバーしきれています。分かりやすい説明や図説。そして史料の紹介。私大文系の受験に必要な情報は全てここにあります。
 付録もたくさんありますが、サブノートやCDはほとんど使いませんでした。また、これ以外にノートを作る必要もありません。
 私が日本史の勉強を始めたのは、夏だったと思います。近現代が重要なので、江戸時代から読み始めて、平成まで来たら江戸から平成の文化史を読み、次に古代から安土桃山時代を読み、最後にその時代の文化史を読みました。受験までまだ日があったので、江戸から平成の文化史以外をもう一度読みました。この順序は、確かに近現代の強化に役立ったと思います。しかし、必ずしもこの方法をとる必要はありません。歴史の流れが分かりづらくなる恐れがあるし、何より模試で点が取れません。私の実力が模試に反映されるようになったのは、一番最後のプレの頃でした。それまでは、日本史は無勉か、例えば範囲が室町までなのに私は江戸から大正しか知らない、といった状況でした。これだと日本史は偏差値が参考になりませんし、その結果全体も正しい偏差値が出ません。国語も古典の勉強を始めたのが遅かったので、最初の頃は英語と現代文しか意味のある偏差値が出ませんでした。もちろん判定はEがほとんどです。そうすると逆に、判定が悪くても気にならないという利点があります。
 この本の使い方としては、例えば今日は23章、明日は24章を読む。そうしたら、明後日はまた23章、次の日は24章、その次の日は25章、26章、25章、26章、と2章ずつセットで、2回読むようにしました。二日同じ章が連続だと飽きるし、間隔があいたほうがいいのです。近現代だけ受験前にもう1周したのは、前述のとおりです。どういう順番でもいいですが、2,3周すると記憶に定着していいと思います。

日本史B一問一答完全版 金谷俊一郎(東進)
おすすめ度★★★★★ レベル2〜5

 一問一答は試験のために用語の記憶を定着させる上で欠かせません。この本は入試データを分析しており、本当に出るものは出ます。星3から0まで段階がありますが、基本的に3と2だけで十分です。1の中にも重要なものが隠れていることもありますが、自分で判断できるものは覚え、後は無視して構いません。たくさんを薄く覚えるより、少ないものを確実に暗記することが、どの科目でも大切なことです。
 この本に全て載っているというなら、実況中継はいらないじゃないか、と言う人がいるかもしれません。しかしそれは大きな間違いです。人間の脳はハードディスクではありません。そこには意味のある情報しか蓄積できないのです。意味というのは、理解できること、あるいは印象に残ること、です。そのためにはまず、実況中継で歴史を理解する必要があります。その上でこの本を使えば、効率よく暗記できるのです。何周もしないと、すぐに忘れてしまうので注意。

実力をつける日本史100題 Z会出版編集部
おすすめ度★★★★ レベル3〜5

 この本は一部の問題を1回解いただけです。大抵の問題は解けましたので、既に分かっていることを、分かっているのだと自覚するだけだったと言えるかもしれません。しかし、反復や、違う問題の中で同じ知識を問われるというのは、重要ですので、意味がなかったとは思いません。問題の質は悪くないし、網羅性は一問一答ほどでなくとも結構高いので、やれたらやったほうがいいでしょう。

 さて、以上3冊、正確には実況中継が全5巻なので7冊ですが、紹介しました。日本史は実際この程度で十分なのです。日本史は100%を目指すと無限の暗記地獄に落ちます。しかし合格点は、案外簡単に取れるものです。英語と違って入試の中心科目ではないので、時間をかけすぎないようにしましょう。夏以降1日2時間以内で十分です。日本史は英語同様、しっかり勉強すれば裏切られることはない科目なので、苦手な人もできるだけ頑張りましょう。コツは、全てを暗記に頼るのではなく、英語などと同じで類推できるところもある、ということです。

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keio09 at 02:45コメント(10)トラックバック(0)日本史の参考書 

教科書は読むな
 自分で調べてみれば分かりますが、日本史は教科書を読むのが基本、と言っている人が多いです。それならと思って私も山川の詳説日本史Bを買いましたが、つまらないし全然頭に入ってきませんでした。結局教科書はあまり読まずに終わってしまいました。そもそも、教科書というものは、どの科目でも出来が悪いのが普通です。「教科書以上によくまとまっている本はない」と言う人もいるかもしれませんが、つまらなくて分かりづらいのであれば、どんなにまとまっていても無意味です。特に独学の人にとってはそうです。あえて言わせてもらえば、「教科書なんて破り捨ててしまえ!」いや、実際にそうする必要はないんですが、気持ちの上で、ですよ。

学習漫画は役に立つか?
 マンガ日本の歴史、といった類の本はよく目にしますし、受験でも最初に読んでおけと言う人は多いです。しかし私はおすすめしません。理由は、これも案外分かりづらいからです。マンガの利点は読みやすさですが、学習漫画の類は原作(ストーリーや構成)が漫画家ではなく歴史家によって書かれており、全然読みやすくありません。もちろん普通の漫画家が歴史のマンガを書くことはよくあります。しかしそれは、通史ではないし、脚色が多かったりします。架空の人物が主人公であることもあります。マンガより普通の通史を読んだほうが分かりやすいかもしれません。

歴史が苦手な初心者向けの通史はあるか?
 残念ながら分かりません。他のところで書きますが、私は平泉澄の「物語日本史」全三巻を読んで以来、歴史が好きになり、様々な歴史の本を読みました(歴史小説は除く)。そのため、受験勉強で初めて日本史に触れる人にすすめられる本は知りません。高校受験の本でも調べてくださいとしか言えません。まず「物語日本史」ですが、これは結構読むのに苦労しますので、超名著なのですがおすすめしません。次に、竹内睦泰の「超速!最新日本史の流れ」「超速!最新日本近現代史の流れ」が参考書として出ていますが、これも分かりやすさがいまいちで、おすすめではありません。講談社火の鳥伝記文庫は、小学生向けですが結構おすすめで、実は読みまくっています。この中から日本史の中心的人物のものを読めば、意外に受験にも役立つかもしれません。
 中学の時にちゃんと日本史を勉強していれば、それで十分と言えば十分だし、もし忘れたというなら、それは人間として大切なものが欠けていると言いたいところです。しかしまあ、学校で習う歴史は大抵つまらないし、歴史を知らないからといって誰かを責めることはできません。とにかく、必要だと思えば自分で調べてください。しかし、最初から実況中継を読んでも問題はないと思います。
 ところで、受験日本史には4種類の問題があります。一般常識、受験生の常識、歴史好きの常識、歴史マニアだけの知識、です。このうち受験生は最初の2つをマスターすればいいのですが、私は3つ目も解けました。4つ目は基本的に無視してかまいませんし、歴史が特別好きというわけではない人、時間がない人は、3つ目も無視して構いません。ただ、受験の日本史はマニアックな知識を問う割には、常識をカバーし切れていないということは、覚えておいてください。

受験の日本史は役に立つか?
 大まかなことを言えば、役に立ちます。歴史は人間の精神における重要な一部分を占めるものであるし、多くの教訓を学べるので学問的価値も高いです。それは受験の日本史についても言えます。しかし思想的に言えば、受験の日本史に面白みはないし、細かい知識は役に立たなくてすぐに忘れてしまいます。要するに、私大の日本史は問題の質がいまいちで、参考書もそれに合わせていまいちになっているのです。その点、英語はいいですよ。

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keio09 at 02:43コメント(0)トラックバック(0)日本史の参考書 

2009年05月19日

英語の参考書を、文法・解釈・単語・長文・英作文の5カテゴリーに分けて紹介していきます。以下のリンクをクリックしてください。

参考書の進め方

文法

解釈

単語

長文1

長文2

英作文 ←NEW!! 5/18更新

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keio09 at 23:04コメント(0)トラックバック(0)英語の参考書 

2009年05月18日

大矢英作文講義の実況中継 大矢復(代ゼミ)
おすすめ度★★★★ レベル2〜4

 この本の構成は、英作文のための簡単な文法解説、似た意味の単語の違い、自由英作文対策、の3章となっています。簡単ながらも実戦で役に立つ内容で、おすすめです。そもそも英作文は、読解力が身について自然に英語が頭に浮かんでくる状態になるまでは勉強すべきではありません。その状態になると、簡単な内容なら英語で言いたいことを表現できるようになっています。そのレベルの人には、この本はちょっと簡単かもしれませんが、日本人が間違えやすいポイントがまとまっている感じなので、しっかり読むといいでしょう。ただ、自由英作文対策は薄いので、これ1冊だとなかなか厳しいかもしれません。

自由英作文編 英作文のトレーニング 成田あゆみ、日比野克哉(Z会)
おすすめ度★★★★ レベル3〜4

 自由英作文専門の参考書ですが、自由英作文にもいろいろあって、慶應経済や早稲田政経のような問題は案外少ないです。それでもこの本を読んでおくと、自由英作文の対策が立てやすくなると思います。
 このブログは独学をウリにしていますが、通信制の高校の先生に、小論文と英作文の添削を依頼し、実際に何度か見ていただきました。英作文については、添削してもらった回数が少なく、直されたところも、同じ表現をまた使うとは限らないし、逆に違う表現を使って間違える可能性があるし、方法論みたいなものは特に教わらなかったので、果たしてどの程度の効果があったのかは謎です。気休めになったのは確かですが、添削してもらえない状況にいる人は、そのことを気に病む必要はないように思います。ただ、添削してくれる人がいる場合は、どんどん利用するほうがいいでしょう。利用できるものは利用する。たとえそれが気休めのためであったとしてもです。実際、物事で一番重要なのは自信であって、気休めほど必要なことはないのです。
 最後にもう一度言いますが、英作文の基本は読解力であり、その上に自由英作文の書き方を学んで初めて効果があります。勉強する時期は秋以降でいいと思います。ちなみに、伊藤和夫の「テーマ別」に、読むことを学んでも書けるようにならない人もいる、という英文が出てきます。そういう人は英作文は諦めるしかないかもしれません。

英会話問題のトレーニング 風早寛(Z会)


会話問題のストラテジー(河合)

 この2冊は私は使っていませんが、慶應法などには会話問題も出ます。しかし、対策を取らなかったからといって難しいと感じたことはありません。入試の会話問題は、英会話の能力を問うものではなく、形を変えた読解問題でしかないのです。なぜなら、英会話の能力はリスニングとスピーキングが欠かせないのであり、それを課さずに紙で出題しているのですから、読解問題でしかありえないわけです。
 私の第一志望は慶應法学部でしたが、大学や学部によって傾向が違うからといって、それぞれに合わせた勉強をしたという記憶はありません。もちろん自由英作文が出る出ないという違いは大きく、そのへんは合わせましたが、それは問われる能力が読解とは違うからです。読解問題に様々な形式があるとはいえ、力があれば大抵の問題は解けます。そこで特殊な対策を立てる必要はないのです。このことは他の科目についても言えます。そもそも大学側も、特殊な解答法ができる人間を求めているわけではないので、少なくとも入試の領域において、普通のちゃんとした能力があれば十分です。

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keio09 at 01:34コメント(4)トラックバック(0)英語の参考書 

2009年05月17日

 前回はレベル別に分けたものを書きましたので、今回はおすすめ度で分けてみました。


速読英単語:必修編
速読英単語:上級編
速読英熟語
やっておきたい英語長文300
やっておきたい英語長文500
やっておきたい英語長文700
英語総合問題演習・中級篇
英語総合問題演習・上級篇


速読英単語:入門編
英語総合問題演習・基礎篇


Take off
大学入試 英語長文 ハイパートレーニング レベル3
入試超難関突破!解ける!英語長文


超基礎がためわかる!英語長文

 4と5を全てやれば、だいぶ力がつくはずです。これは多いよと思う方、全然多くありません。少ないと思う方、その調子で頑張ってください。

英語総合問題演習・基礎篇 伊藤和夫
おすすめ度★★★★ レベル2〜3


 伊藤和夫の英語総合問題演習シリーズは、あまり長くない長文問題を解いて、試験に対応できるようになるための力をつける本です。長くない文章、という意味では確かに時代遅れになりつつあるのかもしれません。しかし、この本の真価は問題の種類の豊富さと、特に懇切丁寧な解説にあります。
 問題の種類ですが、英文法のナビゲーターに出てくるような文法や熟語の問題が、長文中に埋め込まれていることがあります。これは実際入試ではよく目にする形式なのですが、文法問題が長文問題に隠れて出てきたときに、混乱してしまうようなことがあっては困ります。「やっておきたい」シリーズにも確か文法の問題はあったと思いますが、あのシリーズは似た形式の問題が多いので、このシリーズもやっておくと様々な形式に対応できるようになるでしょう。
 懇切丁寧な解説は本当に助かります。記述式の問題は私大ではそれほど出ませんが、それでも少しは出る以上はやっておいたほうがいいと思います。それに、記述式を通してしか測れない実力というものも確かに存在し、その実力は客観問題を解く上でも非常に重要だったりします。
 私は長文を読みまくって大学に受かりました。しかし読みまくるための土台を作ったのは、ナビやビジュアルの伊藤メソッド(伊藤本人はそんなふうに呼ばないが)であって、それを問題を解くときにどのように運用するか、つまり頭をどう働かせるか、解説しているのがこのシリーズであるというわけです。やれば分かりますが、伊藤メソッドと言ったところで、特に変わったところはなく、ただ伊藤先生は説明が非常にうまいから分かりやすいのですね。むしろ他の人たちが、英文に線を引かせたり、SだのVだの書かせたり、1語ずつ訳させたり、後ろから前に訳したりして、学生が自然に読めないように誘導することが多いのでしょう。
 基礎篇はビジュアル1に相当するレベルだと思います。中級篇もあまり変わらないので、この本は飛ばしても構いません。ただ、私が「この本はやらなくていいよ」と言ったからといって、私より少ない読書量で大学に受かるという意味ではないので、注意してください。別の本でもいいよ、ということであって、できれば私と同じくらい多くの英文を読むようにしないと、実力はつきません。

英語総合問題演習・中級篇 伊藤和夫
おすすめ度★★★★★ レベル3


 中級篇はビジュアル1終了程度のレベルだったと思います。基礎篇とレベル差を感じなくて驚いた記憶があるのですが、人によっては違う感じ方をするかもしれません。ただ、そこまで難しくなってないのは確かだと思います。

英語総合問題演習・上級篇 伊藤和夫
おすすめ度★★★★★ レベル4


 問題の形式は大体前の2冊と同じで、レベルは一気に上がり、ビジュアル2終了レベル、入試難関レベルとなっています。伊藤和夫はどの本でも「何点以上なら次の本に進んでよい」みたいなことを前書きに書いていますが、この本で合格点を取れれば、いい大学に入れるでしょう。私は伊藤先生の本を中心に勉強してきたので、彼の書き方や方法論が合わないという人には、このブログは参考にならない気がします。まあ他の科目のページでも見ていってくださいな。

超基礎がためわかる!英語長文 竹岡広信(駿台)
おすすめ度★★ レベル1〜3


 まさに超基礎がためで、わかる!のですが、あまりに超基礎すぎて、やる意味がないと感じます。CDも使いづらい感じです。しかも最終的にセンターレベルの英文が出てきて、その中間がなく、他の本と併用しないと挫折すること請け合いです。このレベルは速単入門1冊で済ませてしまってもよいと思います。少なくともこの本はおすすめしません。

入試超難関突破!解ける!英語長文 竹岡広信(駿台)
おすすめ度★★★ レベル4


 超基礎がための続編ですが、はっきり言って同じシリーズと考えないほうがいいと思います。確かに装丁などそっくりですが、レベルは前作が中学レベル→センターレベルと急展開していたのに対し、この本は終始難関レベルです。完全にワープしてしまっています。英文も問題形式もあまりいいとは思いませんでしたし、使わなくていいと思います。CDは前作と違って使いやすいです。

大学入試 英語長文 ハイパートレーニング 3 安河内哲也(東進)
おすすめ度★★★ レベル4


 英文のレベルは難関入試で、問題もまあ悪くないと思います。ただ、解説が見づらく、SとかVとか括弧とかが一面に書かれています。こういうのに慣れている人にはいいでしょうが、漢文で言うところの白文で読みたい人には、うっとうしくて仕方ありません。また問題数も12問と少なく、あまりおすすめできない本です。レベル1と2がありますが、私は使っていません。その2冊は竹岡で言うとおそらく「超基礎がため」に相当するのだと思います。

Take off
おすすめ度★★★ レベル1〜3

 この本は最初にいた高校で買わされたもので、本というより冊子です。どうやら学校に卸す専用の本で、2年の夏休みの宿題に課されたようでした。1ページ目が例文集、2ページ目が文法問題と簡単な英訳問題、3ページ目と4ページ目が長文問題、それが1セットで、全部で20題あります。どれも基礎的なものですが、長文は高校入試レベルからセンターレベルといったところで、長さも300語程度と、最初の頃は重宝しました。もちろん皆さんがこの本を探して買う必要はありません。ただ、高校で買わせる本や冊子の中には、なかなか使えるものもあるので、実際に使ったり、その前にネットで評判を検索したりしてみるといいでしょう。

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keio09 at 01:37コメント(0)トラックバック(0)英語の参考書 
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