松橋克史

October 18, 2007

松橋克史
先日、夕焼けに見事に赤く染まった雲を眺めながら秋の深まりを強く感じました。気付けば10月も下旬に入ろうとしています。今回が最後のブログかと思うと感慨も一入です。本日のブログは副将の松橋克史が担当します。どうぞよろしくお願いします。

長かった4年間も残すところあとわずかとなってきました。さらに、僕も含め多くの4年生があと少しで長かった野球人生にも終止符を打ちます。思い起こせば、小学校入学前に父親と兄が公園でキャッチボールする姿を眺めながら野球をやろうと決意したあの頃、慶應義塾で野球をやることなど思いもしませんでした。
今の野球人としての自分がいるのも、あの頃から積み重ねてきた数え切れない思いや多くの人達の支えが積み重なってきた賜であると思います。また、それらの積み重ねを崩すことなく貫いてこられたことは自負しています。もちろんその支えとなってくださった多くの方々など今の自分に導いてくれた全ての環境がなければ成し得なかったことは言うまでもありません。その意味では、自分を取り巻く全ての環境に非常に感謝しています。

さて、先程「積み重ね」という言葉がありました。僕は今、「積み重ねる」ことについて考える機会が増えています。それは、積み上げてきたことに一区切りつける時が迫っていることが大きな理由でしょう。
積み重ね。それは、ある意味では当たり前のことかもしれません。毎日を過ごしていれば自ずと日々は積み重なっていきますからです。しかし、ここでいう「積み重ね」とは何かの目的を伴ったものです。その意味では、何か目的に向かって積み上げていくことは意志の強さや身の回りの環境を整える必要があると思います。

僕にとっては、大学野球は最後のシーズンに日本一になることが何よりの目的です。そのために最善の手段を選択し尽力してきました。しかしながら、時に挫折し現実に打ちのめされそうになることもありました。それは、怪我であったり理想と現実のギャップだったりしました。その時々、僕は周りの環境に支えられてきました。そこには常に志を共にする仲間がいたのです。
また、積み上げてきたものを崩すのは簡単です。目的から目を背けるだけでいいのですから。ですが、そこに強い意志、気持ちがあればどんなに挫折しても目を背けることはないと思います。きれい事かもしれませんが、僕は長い野球人生を通してこのことを痛感しました。
積み重ねることは、当然ながら野球に限った話ではありません。人間関係においても、夢や目標の実現においても当てはまると思います。その時々、的確に目的を捉え手段を選ぶことでより良い方向に展開していくと思います。

先日、電話越しにふと言われたことでした。

「早慶戦の日は7,981日目だね。」
「神宮大会の決勝は7,998日だよ。」

「何のこと」という感じだったのですが、実は、僕の「日齢」だったのです。
僕もこんなに長い日数を積み重ね生きてきたのだとしみじみとした気持ちになりました。それと同時に8,000日という区切りを前に人生において、これまで積み上げてきたものを最高の仲間たちと日本一という形で体現できたらと思います。そして、それがこれまでの人生における全ての環境への感謝の気持ちを表現することとなれば幸いです。

最後まで読んでくださった皆様、どうもありがとうございました。

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June 10, 2007

松橋克史
こんにちは。松橋です。
早いもので、このブログを書くのも5回目となりました。

先日の早慶戦で敗戦を喫し、リーグ戦を3位という不甲斐ない結果で締めくくってしまいました。
今年も、秋に向けての練習を始めるまで、数日間のオフがありました。
それを利用して、半年ぶりに茨城の実家に帰りました。
リーグ戦を欠かさずに観戦に来てくれた両親に今度は僕が会いに行かなければという想いや母校にリーグ戦の報告などに行こうと思ったのが表向きの理由ですが、一番の目的は母親のおいしいおいしい手料理が恋しくなったからです。
改めて、母親の料理を食べられることに幸せを感じるとともに、帰省を通して再認識させられたことがあります。
前回のブログでも書かせていただいたことと重複するのですが、僕には「感謝」すべき人が地元にも大勢いるということです。つまり、それだけ周りの人達に支えられて今の自分がいることを強く感じたわけです。
実家で両親と過ごしているときも、高校までは当たり前のように感じていたことがどれだけ幸せなことで、感謝すべきことなのかを痛感しました。
高校に挨拶に行ったときも、監督や部長、コーチできていた同期だけでなく、後輩たちの父母の方々にも、「テレビ観てたよ!」「秋は早稲田に勝ってよ!」などと言葉をかけていただき、秋に向けて激励していただきました。
本当に多くの方々が、その理由はどうあれ、僕の存在を気にかけ応援してくださっていることを知ることができました。秋はそれに応えるべく、そして有終の美を飾れるようにリーグ戦優勝、大学日本一に向かって邁進していきます。

全体練習再開にあわせ、僕は同期の伊藤悠祐と二人で岐阜高校に1週間行くことになりました。毎年、この時期に上級生が指導に行くのですが、今年は僕が行くことになりました。
岐阜は始めてなのでいろいろな意味で楽しみなのですが、1週間という短い時間でどれだけ教えることができるか不安でいっぱいです。
ですが、このような機会が僕自身が周りの人間を生かすチャンスとなり得ると思うので、全力で高校生にぶつかっていきます。場所は違えど、僕を育ててくれた高校野球という環境に少しでも恩返しができればと思います。

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May 07, 2007

松橋克史こんにちは。4年の松橋です。
 先日、母校の竜ヶ崎一高が17年ぶりの春季関東大会への出場を決めました。監督は僕が現役の時と同じ方がやっていますし、同期がコーチをやっているということで後輩たちの頑張りに強い刺激を受けるとともに大きな喜びを感じています。今年の関東大会は神奈川開催ということなので、激励に駆けつけたいと思います。さらに、偶然のいたずらなのか初戦が神奈川県優勝校の慶應高校ということで、勝敗に関係なく非常に楽しみです。
 また、私事ではありますが、先週末の東大戦、ついにスタメンとして復帰することができました。昨年の秋の開幕戦以来、約8ヶ月ぶりの出場となりました。その間、手術やリハビリなど、自分自身でも乗り越えて来られたことが不思議に思えるくらい厳しい状況を乗り越えてきました。乗り越えさせてもらってきたと言う方が正しいのかもしれません。
 なぜ、あえて言い換えたのか。この8ヶ月を過ごす中で、自分がどれだけ周りの人間に生かされているのかを強く実感したからです。今回は、生かされ生きていることについて書きたいと思います。
 僕は、この8ヶ月多くの人に生かされてきました。手術を執刀してくださった先生はじめ病院関係者の方々、怪我への理解を示してくださった野球部の監督、コーチはじめチームメイトのみんな、リハビリに尽力してくださったトレーナーの高村さん、常に心の支えとなった家族や親しい友人など、列挙しだしたらきりがないほど多くの人がいます。この人達がいなければ、僕の意志だけでは決して復帰を迎えることはできなかったでしょう。この8ヶ月間は周りの人々に生かされていることを強く実感するという意味で、人生の縮図のようなものだと感じました。
 僕はまだ21年と5ヶ月ほどしか生きていませんが、それでも数え切れないほど多くの人に生かされてきています。当然自分の意志でその時々の判断を下していますが、それも自分を取り巻く環境あっての意志なのだと感じます。僕自身が野球を続けられているのも、慶應義塾大学に入学し在学できているのも、自分の意志が最終決定を下していますが、それを支えてくれた人がいたからこそ実現できたのです。もっと根本的な境地から考えると好きなものを食べられるのも、好きな服を着られるのも周りの環境あってのことなのです。つまり、人間は自分自身でより良い人生を生きようと努力しますが、それもこれも周りの人間をはじめとする環境に生かされているのです。逆に考えると、周りの人間を生かすのは時として自分自身にもなり得るのです。
 先程の話に戻りますが、僕はこの8ヶ月、多くの人に生かされてきました。多くのものを与えられ、支えられてきました。今度は、僕が周りを生かす番だと思います。その要素は多岐にわたると思います。選手として慶應義塾を優勝に導くこと、新監補佐として慶應義塾の将来を担う下級生選手の育成、怪我の経験者として塾野球部の怪我撲滅に尽力することなど部内だけでも大々的にこれほどにも多くの役割を果たすことができます。それを塾野球部員としてだけではなく、一塾員として、一人間として考えたとき、僕自身が周りに人間を生かすチャンスはいかようにでも存在しうると思います。これまで、この8ヶ月、復帰まで導いてくれた環境全てを、自分自身の21年半を生かしてくれた周りの環境を、今度は僕がそれらを生かす一助となれるようになりたいと強く感じています。そしてそれが、後に自分自身を生かしてくれる要素となり得ると思います。
 人間はこうして、生きて生かされ生きていくのでしょう。

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March 13, 2007

こんにちは。春野に来て日焼けで顔がこんがり焼け上がりつつある松橋です。
気付けば3月も中旬。ちょうど1ヶ月後くらいにリーグ戦が開幕となります。開幕に向けて日々士気の高い練習が展開されています。
また、個人的にはなりますが12月の手術から3ヶ月が経過しました。もう3ヶ月も経ってしまったのかと驚くほど早く感じられます。それだけ、いろいろな意味で濃い時間だったのだと思います。

さて、今回は、その手術の際の入院中に後輩からもらった本を紹介したいと思います。

『新自分を磨く方法』

知っている方も多々いらっしゃるかもしれませんね。
この本を通して、自分自身の生き方や物の考え方、捉え方などをすっきりと前向きにすることができました。この本はどんな人が読んでも感じるものがあるはずです。
この本で僕がキーワードだと感じた言葉の一つに「イメージ」があります。
そのことについて少し具体的に展開したいと思います。

イメージって大切ですよね。
この本には冒頭にこうあります。
「人は、自分が想像した通りの自分を実現する。」
と・・・

また、アメリカの大手自動車メーカー、フォード・モーターズの創業者であるヘンリー・フォードはこう言いました。
「自分は成功すると思おうが、成功しないと思おうが、それは100%正しい。」
と・・・

あるアメリカの社会学者が調査を行いしました。
有名企業のトップ経営者など世の中で成功している人と、失業した人や貧困に苦しんでいる人の違いは何か?
それはイメージの違い。
と・・・

人が何かをするとき、常にそれに対してのイメージを少なからず持っています。そのイメージの持ち方次第で人はいかようにでも成長しうることができるのだと思います。

「周りの人がこうだから・・・」
「普通はこうでしょ・・・」
「それはありえない・・・」

これらの言葉、いかがでしょうか?
時には必要であり適切な言葉かもしれません。

例えば、
「宇宙旅行をビジネス化する」
なんていうビジョンが計画されていることは周知の通りかと思います。
しかし、これを最初に真剣に考案した人はすごいイメージを持っていたのではないでしょうか。
その当時であれば、
「それはありえない。」
なんて罵声が多々あったはずです。
でも、そんなでっかいイメージを持った人がいたから、現在、実際に宇宙旅行が実現しようとしています。

逆に、先程の失業者や貧困者のイメージではないけど、
「これはうまくいきそうもない」
「自分はダメだ」
といった、ネガティブなイメージはネガティブな人間を作ってしまいます。それは同時に、自分にありもしない「限界」を自ら作ってしまうことになります。

ここでノミの話を紹介したいと思います。
ノミは普段30センチ以上のジャンプをすることができる。
そのノミをビーカーの中に入れてガラス板で蓋をする。
すると最初はジャンプしては蓋にぶつかるというのを繰り返す。
しかし、やがてノミはガラス板の蓋の少し下までしかジャンプをしなくなる。
これは、ガラス板の蓋をとっても、その後一生変わらなかった。
このノミは、自分に限界を作ってしまった。
「どうせビーカーからは出られない」
「ダメなノミなんだ」
と・・・
みんなは自分の世界に蓋をしているものありませんか?
本当はもっと大きく羽ばたけるのに・・・

独創的なイメージ
大きなイメージ
ポジティブなイメージ

それらは皆、自分自身を大きく成長させてくれるこの上ない肥料になると思います。そんなイメージを持って日々の生活を過ごしたら、 少しずつ世界が変わっていくのではないでしょうか?
ってこんなイメージを持ってみたり・・・

僕はこの本に出会えたことに本当に感謝しています。そして、この本に出会わせてくれた後輩にも。さらに、この本のおかげで最近はすっかり読書にはまっています。いろいろな意味で僕自身の転機となった本です。

「これで元気になれますよ!」
その時の後輩からの言葉が今でも忘れられません。

長々とお付き合いいただいた方、本当にありがとうございました。

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January 15, 2007

こんにちは。松橋です。
もう一周回ってきてしまったのですね。
さらに先月の手術から早いもので5週間が経とうしています。手術にあたって様々な形で励ましてくださったり、支えてくださった方々、本当にありがとうございました。この場を借りてお礼を申し上げます。
その後の経過は順調で、すでにリハビリへと移行できているのもチームメイトはじめ多くの人に支えられているからだと改めて実感している今日この頃です。

さて、先日の1月13日に大和市の大和引地台球場にて神奈川県中学校体育連盟が主催する野球教室がありました。それにあたって、SFC(湘南藤沢キャンパス)で発足している神宮球場や東京六大学を活性化するプロジェクトと塾野球部のコラボレーション第一弾ということで塾野球部は技術講師として参加しました。
また、昨年までは元プロ野球選手が技術講師だったということや参加人数が200人を超すことから主力メンバーが中心となって指導にあたりました。
当日は午前中だけの指導ではありましたが、主将の宮田や企画段階から積極的に参加してくれた松下をはじめとする下級生を中心に質の高い内容を工夫して教えることができたのではないかと思います。
僕はといえば、指導にあたることができなかったので、スタンドで見学していた生徒に質問コーナーを設けて、彼らにも飽きのこないように努めました。即興で行ったにもかかわらず、スタンドでの見学者からは約1時間におよぶ質問攻めにあってしまいました。それほど、野球や大学生という存在に関心を持っていることを肌で感じられ感慨深い時間となりました。
閉会式での参加してくれた中学生の表情を見ていて、野球の楽しさや野球を通して相手を思いやることなどを伝えることができたのではないかと思いました。また、最後に感想を述べた信之介や中林の言葉にもありましたが、この短い時間を通して、僕たち塾野球部員も中学生から多くのことを学ぶことのできた貴重な時間になったと思います。
野球教室終了後、駆け寄ってきてくれた青葉台中学校の部員に、名前を 聞かれ、さらに「神宮で声かけても無視しないでね!」という言葉は、今後の僕たちにとって大きな励みとなることは間違いないでしょう。
今回のような活動が、野球界の発展や野球の裾野を少しでも広げることに役立てば光栄に思います。

今回の野球教室も、僕たちの本気な想いの表れだと思います。神宮満員、慶應日本一達成で、それらの想いを形で表せるようにチーム一丸となって努力していきます。

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December 11, 2006

こんにちは。
新4年、副将兼新人監督補佐という重役に就かせていただいた松橋克史です。
まず、先日同期の角に聞かせてもらった話を紹介したいと思います。
「『頑張る』ことと『本気』になることの違い。」
頑張ることは誰にでもできる。しかし、本気になることは気持ちをそこまで奮い立たせるための大きな目的・目標が必要である。
同じ目的・目標であっても人によって、それに対しての価値観は異なる。だから一概に、これで誰もが本気になれるというものはない。だけど、必ず誰にでもあるはず。
そして、本気になれたときに初めて人は大きな力を発揮することができるのではないだろうか。
と、僕の中に新たな概念が明確化されました。
ありがとう、角。
そして、明日。
僕の野球人生において重要な時を迎えます。
ヘルニアの再手術に臨みます。
正直な気持ち。
恐怖、不安、…ネガティブなことしか出てこない。
でも・・・
前に進むために。
高くジャンプする前に強くしゃがむように。
矢を放つ前に強く弓を引くように。
筋肉痛になるのも同じ意味付けしていいのかな。
前に進むためには、時に逆方向のベクトルを作ることも必要なのだと思います。
そして、その大きな逆方向のベクトルが今おとずれようとしています。
ネガティブにしか思えないのも事実です。
だけど、これを乗り越えた先に待っているものは、それ以上のものです。その希望に満ちた未来を迎えることができるために、今はグッと我慢するときなのだと思います。
この高い高い壁を何とか乗り越えてみせます。
今の僕たちには使命がある。
今の僕たちには、本気になるための明確な目的がある。
日本一。ただそれだけ。
それ以上でも、それ以下でもない。
必ず部員全員が本気で日本一に向かっていると信じている。
それくらい熱い奴らが揃っているから!
そして、こんな妄想に更け入る。
監督を胴上げ。キャプテン宮田はじめチームの先頭に立って引っ張っているコーチの小泉さん、龍太、角、中井、出石、主務の一星も胴上げ。
「慶大優勝」の電光掲示を前に記念撮影。
そして、みんなで笑って、嬉し泣きして三田への道をパレード。
この使命を達成するためには、僕自身が今まで支えてくれた多くの人に感謝の気持ちを込めて、神宮球場のフィールドでチームの勝利に貢献することが必要不可です。それが、周りの人たちへの恩返しにもなると思います。
今、直面している高い壁。
逃げも隠れもしない。本気でぶつかっていく。
来年の11月みんなで最高の結果を残して引退したい。
長い目で見たら手術することはないのかもしれない。
でも今はそんなことは言ってられない。
確実に開幕に間に合うためにはこの方法が最も見通しが立つのだから。
Last Year
本気で本気に挑戦するために。
そして、その権利を得るために。
目には見えないものかもしれない。
誰にもわからないものかもしれない。
それでもいい。
前に進むために・・・
一緒に戦う仲間を信じて本気で手術台に上がってきます。

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