2009年08月20日

思い出した「白鬚神社」あれこれ

寿老神 先月末(7/29)、織幡神社(宗像市鐘崎)の祭神武内宿彌のことなどを本ブログに書いたとき、「白鬚おじいさん」に興味を持たれたシータさんから、「白鬚といえば、白鬚神社の祭神は猿田彦大神ですが、関係あるんでしょうか」というコメントをいただいた。
 このコメントは嬉しかった。「白鬚神社と猿田彦大神」について忘れかけていたことを、いろいろ思い出させてくれたからだ。

 まず、学生時代に江戸向島の「隅田川七福神と石碑」の共同研究を行ったとき、そのなかに「白鬚神社(寿老神)の章」があった。
 江戸時代に文人墨客らが「隅田川七福神巡り」を考案したとき、隅田川河畔で七福神のうちの「寿老神」を見つけることができなかったが、東向島にある白鬚神社の「白鬚」という文字に目をつけ、この神社の神を白鬚の「寿老神」に当てたという。
 もともとこの白鬚神社は、近江国比良山麓(現滋賀県高島市)にある「白鬚神社総本宮」から猿田彦大神の御分霊を勧請した神社なので、「寿老神」とは直接関係はなかったが、猿田彦大神は「白鬚明神」ともいわれたので、文人墨客たちの遊興の知恵で、この「白鬚明神」を「寿老神」に当てたのだろう。

 なお、記紀を読んでいて、天孫降臨(瓊々杵尊)の先導役を務めた猿田彦大神の姿から白鬚の老人をイメージすることはできないが、謡曲「白鬚」(観阿弥作)では、猿田彦大神のことを「江州白鬚の明神」と謡っているらしい。
 また、全国の白鬚神社は、同上白鬚神社総本宮から祭神猿田彦大神の御分霊を頂いたものが多く、猿田彦大神の妻という伝承のある「天鈿女命(猿女君)」を一緒に祀っている神社もあるようだ。

 では、全国の白鬚神社の主祭神は、猿田彦大神かというとそうではないようで、「白鬚明神」は住吉神であったり、武内宿彌であったりで、すべてが「白鬚明神=猿田彦大神」とはならないようだ。

 たとえば、長崎県諫早市有喜の白鬚神社の主祭神は「武内宿彌」で、同地には、武内宿彌が壱岐から帰還中、暴風雨に遭い神功皇后の船から離れ、漂着した地との伝承がある。ここの白鬚明神は「武内宿彌」である。

 また、能古島(福岡市)にある白鬚神社の主祭神は、「住吉三神」である。神功皇后が能古島で住吉三神を祀り、ここに住吉三神の御霊を残したので、この島の名が「残島」となり、後に「能古島」になったという伝承がある。
 住吉三神は、八幡説話では「白髪の老人」として現れてくるので、ここの白鬚明神は「住吉三神」である。
 なお、ここにも上記の白鬚神社総本宮から勧請されたと思われる猿田彦大神が祀られてはいるが、主祭神ではない。

 その他、参拝したことのある白鬚神社がなかったと思考を巡らしているうちに、宗像市平等寺(次回記載)や、古賀市薬王寺(下記ブログ参照)、佐賀市久保泉町などにも白鬚神社があったことを思い出した。

※画像は寿老神(真言宗智山派隅田山吉祥院多聞寺・隅田川七福神めぐり」からお借りしました)。

※つづく→「平等寺「白鬚神社」の神霊(1)」。  

※参照→「乃木希典・ステッセリ水師営の会見絵馬(薬王寺・白鬚神社)」。
※参照→「猿田峠の西東(2)〜猿田彦峠?」。

keitokuchin at 23:56│Comments(0)TrackBack(1)

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1. すっぽん料理がおいしい  [ 諫早市お元気Today! ]   2009年09月05日 09:48
長崎県の第3の都市といわれる諫早市。すっぽん料理がおいしいのです。

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