宗像四国東部霊場・須恵のお堂(2)〜番外地蔵菩薩(宗像市)「龍昌寺」散策(1)〜外参道で美樹観賞(岡垣町)

2018年06月18日

宗像四国東部霊場・須恵のお堂(3)〜第68番「来迎寺」阿彌陀如来(宗像市)

 前回「宗像四国東部霊場・須恵のお堂(2)〜番外地蔵菩薩(宗像市)」から続く。

 [平等寺集落の檀家]

 以前「平等寺貴船谷(鶴林寺)地蔵堂ゞ盪魁μ關媚蛙(宗像市)」の記事中に「当集落名は平等寺だが、集落内には平等寺という寺院はなく、また所謂檀家寺院はなく、人家の多く(約8割)は、浄土宗聖聚山来迎寺(宗像市須恵2-5-5)の檀家となっている。」と書いていたが、今回は、その「来迎寺」について書きとめておく。

 平等寺集落に来迎寺の檀家が多いのは、文明(1469〜1486)の頃、平等寺集落内(現鶴林寺地蔵堂所在地)にあった平等寺と土穴集落内(現「船頭寺観音堂」所在地か)にあった寺(船頭寺か)が合併して、須恵に「来迎寺」が創建されたという背景があるのではないかと思う。以後代々来迎寺の檀家として引き継がれてきたのかもしれない。


  [来迎寺]

1来迎県道口 ・聖衆山来迎寺引攝院。
 ・浄土宗・妙円寺末。
 ・本尊阿弥陀如来、勢至菩薩、観音菩薩。
 ・福岡県宗像市須恵2丁目5-5。
※県道291号線「須恵浦🚥」の南550m右。
※同「須恵橋🚥」の北450m左。
※同「須恵🚥」の北50m左。



2来迎寺石段 ・県道に面した参道口から境内の小坂を上る。
 ・すぐ右側に大駐車場あり。
 ・正面に石垣と剪定の行き届いた美しい庭が観え、その間にある石段(21段)を上る。
 ・石段上の正面に「来迎寺本堂(阿弥陀三尊安置)」、左方に石庭、墓地、大日堂などあり。



 [來迎寺史料]
 ・「須惠村 來迎寺 コジロウバヤシ 浄土宗 佛堂六間四間半 聖衆山引攝院と號す。那珂郡住吉村妙圓寺に属せり。本尊阿彌陀・勢至觀音ハ安阿彌か作といふ。文明年中深譽といふ僧開基せり。寺内に藥師堂あり。」(筑前國續風土記附録)
 注: 那珂郡住吉村妙圓寺は、現福岡市博多区住吉2丁目17-17 妙円寺。
 文明年中は19年間(1469〜1486年)、応仁の乱(1477〜1467)の終息期、室町将軍足利義政、義尚、宗像大宮司71代興氏の時代。

 ・「須恵村 來迎寺 聖衆山来迎寺引攝院と号す。 浄土宗住吉村妙圓寺の末寺也。 本尊の弥陀 観音 勢至ハ安阿弥か作也と云。 奇巧也。此寺文明年中に深譽と云僧開基せり。」(筑前國續風土記拾遺)


 [大日堂]

3来迎寺大日堂 ・「宗像四国東部霊場第六十八番須恵来迎寺境内 本尊阿彌陀如来」は、本来的には来迎寺本堂の本尊阿彌陀如来だと考えるのが妥当だが、この表示板は、そうではなく、なぜか本堂の左側に建っている別棟の「大日堂」の庇の柱に貼ってある。



 ・「大日堂」の本尊が阿弥陀如来である筈はないと思い、須弥壇をよく見ると、確かにその中央部に「大日如来坐像」が安置されているが、その両横に須弥壇を3分割する2枚の仕切り板がはめ込まれており、その左右の枠内の、左端の小仏坐像と右端の小石仏坐像が「阿弥陀如来坐像」のようにも見えなくもなかったので、いずれかが「第六十八番本尊阿弥陀如来」なのかもしれない。

 ・因みに左枠内の右側の小仏は薬師如来立像か、また右枠の左側の像は弘法大師坐像(陶器)である。

 ・須弥壇には「昭和二十四年三月再建大日堂」(1949)の棟札が置いてあったが、現在の「大日堂」は、それより新しいコンクリート造(一部木造)瓦葺の建物で、その裏側に参詣者に便利なトイレが作られているのが珍しい。

 ・「大日堂」は、筑前國續風土記附録(寛政9年=1797)に「須惠村 〇大日堂 ミヤノマエ」(宮の前)とあるので、もとは「福足神社」(宗像市須恵2丁目24-21)の前に在ったもので、明治以後、いつの頃かに来迎寺境内に移されたものではないかと思う。

 ・「須惠村 〇大日堂 福足社の下に在。坐像長三尺斗。寛永の頃にや此像光を放ち長大になりたりし事村老の談あり。是狐狸の所為なるへし」(筑前國續風土記拾遺)

 ・大日堂の本尊「大日如来坐像」は智拳印を結んだ寄木造りの大きな金剛界大日如来像だが、木面の金箔や漆がはげ落ちて木材の素地や継ぎ目が丸見えになっているので少々無残に思える。

 ・大日堂の前に立って、この大日如来坐像のイラストを描いていたとき、突然、住職から「何か調査されているのですか」とご声掛けられた。予期せぬことだったので慌てて「霊場の巡廻参拝をしています」と返事したが、信用されていないような感じがしたので、早々に引き上げた。

 ※本稿「宗像四国東部霊場・須恵のお堂(1〜3)」おわり
 ※本稿トップ→「宗像四国東部霊場・須恵のお堂(1)〜第67番薬師如来(宗像市)」。

 ※つづく→「足形池の伝説(宗像伝説風土記) 宗像市ひかりヶ丘」。

keitokuchin at 23:30│Comments(0)

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