2017年04月25日

欧州の政治リスクが後退したわけとは

フランス大統領選の第1回目の投票では、中道系独立候補のエマニュエル・マクロン前経済相と国民戦線のルペン党首が決選投票に進む結果となりました。直前の世論調査によれば、マクロン氏がルペン氏を逆転して僅差でトップに立ちましたが、実際の投票も同じような結果となっています。

少し前の3月に行われたオランダ下院選挙では、与党である自由民主党が第1党を維持し、極右政党の自由党に競り勝ちました。「自由党が第1党に躍進する勢い」という事前の世論調査もあっただけに、このときは「やっぱり欧米の選挙では世論調査があまり当てにならない」ということが証明されていたわけです。

この続きは、4月24日更新の『中原圭介の未来予想図』でどうぞ。

※連載コラムのタイトルは編集者の意向で変わるケースがございます。ご了承ください。


  ←応援クリックお願いします!
keizaiwoyomu at 09:45|この記事のURL政治分析 

2017年04月13日

トランプ大統領は米国経済を衰退させかねない

今となっては、読者のみなさんも米国のトランプ大統領の性格がよくおわかりになっていることと思います。彼は自分にとって不都合な事実を認めないばかりか、自分を正当化するためには「平気で嘘をつく人物」であるということです。

さらに困ったことに、自分に対する批判には感情的になって反論せずにはいられない「短気で攻撃的な性格」であるということです。そのうえ、経済や歴史を知らない、あるいは知ろうともしない反知性の象徴のような人物であるともいえます。トランプ大統領の偏った物事の見方は、あらゆる事象の一面しかとらえていないのです。

経済や歴史を知らない、反知性の典型例を挙げるとすれば、まずはNAFTAの見直しを取り上げることができます。確かに、米国の製造業がNAFTAの仕組みを使いメキシコへ工場を移転することで、製造業の一部の雇用が米国から奪われたというのは事実であります。

しかしその一方で、メキシコの農業は米国の農産物の攻勢にさらされ、壊滅的な打撃を受けたという事実も無視してはいけません。NAFTAによって雇用が奪われたのは、米国だけではないというわけです。

この続きは、4月13日更新の『中原圭介の未来予想図』でどうぞ。

※今回のコラムでは、最後のほうにメディアでは知られていない重要な事実を記載しています。
※連載コラムのタイトルは編集者の意向で変わるケースがございます。ご了承ください。


  ←応援クリックお願いします!
keizaiwoyomu at 09:38|この記事のURL経済分析 

2017年04月05日

ローマの記事は読んでほしい

ブログやオンラインの記事では、それぞれがどのくらい読まれたのか、はっきりと数字に表れるようになっています。ですから、雑誌の連載とは違って、読者がどういったテーマに関心があるのか、リアルタイムで認識することができます。

しかしながら、私の悪いところは、読者にあまり媚びることはしないということです。今年に入ってからは、そういった思いがいっそう強くなり、自分がその時に書きたいものしか書かないという傾向が鮮明になっているように思われます。

その結果として、書き手がこれは読んでほしいと思う記事と、実際に閲覧数が多い記事のあいだで、大きな乖離が生じるケースも見られるようになってきています。

実のところ、今年に入って書いた記事のなかで、私がいちばん読者に読んでほしかったのは、『古代ローマの栄枯盛衰から学ぶべき教訓 』という記事です。古代ローマの発展が現代でいう「中間層」の拡大によってもたらされたこと、その衰退のきっかけが中間層の没落と格差の拡大であったことなどを、現代の問題に照らしながら書いています。

今のところ、あまり読まれていないのが残念です。あまりの長文になるのは避けたかったために、はしょってしまった部分もありますが、ぜひ読んでいただきたいと思っております。

『古代ローマの栄枯盛衰から学ぶべき教訓 』はこちらから。


  ←応援クリックお願いします!
keizaiwoyomu at 16:27|この記事のURL

2017年03月30日

英国のEU離脱は失敗する

いよいよ英国がEUに離脱を通知し、原則2年間の交渉が始まります。スケジュール通りになれば、英国は2019年3月末にもEUを離脱するといわれています。英国のメイ首相は最近、「2年以内に交渉を終えることができると楽観している」と述べましたが、本当にそのようになるのでしょうか。

私はそのようになるはずがないと考えています。現実を直視すればするほど、交渉期間はわずか2年しかないという苦境が浮き彫りになってくるからです。まず真っ先に、英国はEUとの新しい貿易協定を結ぶ必要に迫られていますが、それ以前に、現在EUが英国に適用している農業や環境などの規制を英国独自の規制に作り替えなければ、EUとの新しい貿易協定を結ぶための交渉さえ始めることができないのです。

この続きは、3月30日更新の『中原圭介の未来予想図』でどうぞ。

※連載コラムのタイトルは編集者の意向で変わるケースがございます。ご了承ください。


  ←応援クリックお願いします!
keizaiwoyomu at 09:02|この記事のURL政治分析 

2017年03月23日

やっぱりマイナス金利は「毒薬」だった

日銀によりマイナス金利が導入されて、1年余りが経ちました。昨年2月1日の記事『マイナス金利は「劇薬」というより「毒薬」だ』では、銀行の収益悪化を招くことをはじめ、数々の副作用が起こるという予測を述べたうえで、経済の本質や流れをまったく理解できていない愚策であるという見解を述べさせていただきました。

実はその過去記事を書いた直後に、テレビ朝日の朝の情報番組のディレクターから、マイナス金利の特集をするので基礎的な知識を教えてほしいという依頼を受けました。そこで私はマイナス金利の弊害について、初心者でも理解できるように論理的かつ丁寧に、2時間くらいかけて記事の内容をかみ砕いて説明させていただきました。

ところが驚いたことに、実際の番組ではリフレ派の大学教授が解説役をしていて、「マイナス金利は正しい政策です」「銀行の収益は逆に増えます」といった、まったく理解不能なことを主張していたのです。コメンテーターの二人から「そんなわけがない」と突っ込まれても、論理的な理由をまったく示さずに、「とにかく、そうなのです」と押し切っていたところに、リフレ派の学者に共通する合理的思考力の欠如を見せつけられた気がいたしました。

この続きは、3月23日更新の『中原圭介の未来予想図』でどうぞ。

※連載コラムのタイトルは編集者の意向で変わるケースがございます。ご了承ください。


  ←応援クリックお願いします!
keizaiwoyomu at 08:50|この記事のURL金融政策分析 

2017年03月17日

歴史から学ぶ中間層の重要性(後編)

世界の歴史を遡ってみると、かつては軍事・経済・文化で繁栄を誇った国々の多くが、中間層の疲弊・没落をきっかけにして衰退や滅亡の道を辿って行きました。そこで今回は前編の古代ギリシャの事例に続く後編として、古代ローマ帝国の歴史を振り返ることによって、現代社会における「中間層の重要性」を見ていきたいと思います。

世界の古代史のなかでも最も有名なローマ帝国の始まりは、紀元前6世紀の初め頃に、ラテン人の一氏族が現在のイタリア・ローマの地に建国した都市国家でした。当時のイタリア半島には、ラテン人の諸族の国家のほかに、北部に先住民族のエトルリア人の諸国家、南方の沿岸部にはギリシャ人の諸植民市がありました。ローマはそのうちの小さな国家のひとつにすぎなかったのです。

それでは、なぜローマは大帝国を築くことができたのでしょうか。それは、イタリア半島の風土や気候がギリシャとほぼ同じであったからです。ローマ人はギリシャ人と同じように、貴重な特産物であるブドウ酒とオリーブ油をユーラシアの内陸部へ出荷し、その代わりに大量の穀物や貨幣を手にするようになったのです。その結果、ローマの農民はギリシャの農民と同じく、中小農民と呼ばれる富裕な農民となっただけでなく、武具(兜、鎧、盾、槍など)を自費で賄う重装歩兵にもなりえたというわけです。

この続きは、3月17日更新の『中原圭介の未来予想図』でどうぞ。

※連載コラムのタイトルは編集者の意向で変わるケースがございます。ご了承ください。


  ←応援クリックお願いします!
keizaiwoyomu at 08:47|この記事のURLその他 

2017年03月09日

歴史から学ぶ中間層の重要性(前編)

歴史を振り返ってみると、かつて軍事・経済・文化で隆盛を誇った国々の多くが、中間層の没落をきっかけとして衰退し、最後には滅んでいきました。そこで今回は、歴史から中間層の重要性を学ぶために、都市国家として栄えた古代ギリシャの事例を見ていきたいと思います。

ギリシャの気候は、夏は暑く乾燥し冬には少量の雨しか降らない地中海性気候に属しています。おまけに陸地には山が多く、大河や平野に恵まれていないため、穀物の生産には適していません。しかし、この地理的特性は、オリーブ・ブドウなどの果樹栽培や羊の牧畜には適していました。

ブドウ酒やオリーブ油は、作るのに特別な風土と技術を必要としただけでなく、貯蔵がとても簡単だったので、瓶に入れて長期のあいだ保存することができました。そのまま遠く離れた国や地域に運搬することができたため、ギリシャの特産物として高価な貿易品となりえたというわけです

この続きは、3月9日更新の『中原圭介の未来予想図』でどうぞ。

※連載コラムのタイトルは編集者の意向で変わるケースがございます。ご了承ください。


  ←応援クリックお願いします!
keizaiwoyomu at 08:52|この記事のURLその他 

2017年02月20日

これからの中国経済を見るポイント

拙書 『経済はこう動く』 でも述べていることですが、2017年の中国経済を見るうえで最大のポイントは、中国政府が小型車減税を2016年末で打ち切るのか、あるいは2017年末まで延長するのか、ということでした。中国でも自動車産業は製造業の要となっており、推定で5000万人近い雇用を支えているからです。

中国政府にとってその差配が難しかったのは、小型車減税を2017年末まで延長するのであれば、目先の心配がなくなって済むのですが、延長する期間が長くなれば長くなるほど、その後の反動が大きくならざるをえないということです。そういった意味では、予定通りに打ち切るのも心配であったし、延長するのもまた心配であったというわけです。

その結果として中国政府が昨年末に下した判断は、2016年まで小型車の自動車取得税を10%から5%に引き下げた減税措置を、2017年末までは7.5%と半分に圧縮するというものでした。従来の減税措置の「打ち切り」と「延長」のちょうど間の政策判断をしたというわけです。

私の見通しでは、減税幅が半分に圧縮されたとはいえ、下支え効果がなくなったわけではないので、2017年の中国経済には大きな波乱はなさそうです。ただし、減税幅の圧縮により、2016年のような効果はとても見込めないと考えるべきでしょう。

歴史を振り返れば、中国政府は2008年のリーマン・ショック後に消費を喚起しようとして、2009年~2010年の2年間にわたって小型車減税を実施しています。政府は当初、小型車減税は1年間だけの実施予定としていましたが、当時の経済環境を考慮してもう1年間だけ延長するという決定がされたのです。

確かに減税の効果によって、2009年の新車販売台数は45.5%、2010年は32.4%と大幅に伸びたのですが、減税終了後にはその反動によって、2011年は2.5%、2012年は4.3%と、その伸びは大いに鈍化することとなりました。

2009年~2010年当時の中国は、4兆元投資も重なってバブルに近い景気の拡大期にあったのですが、2016年に新車販売台数が13.7%増えたというのは、現在の景気が減速期にあるなかでは、十分に健闘しているといえるでしょう。

そこで心配なのは、小型車減税が2017年末に終わることによって、需要の先食いがかなり起こるだろうと考えられることです。実のところ、2016年の小型車販売の伸び率は21.4%と突出していて、乗用車全体の7割強を占めるまでになっているのです。

ですから、2018年の新車販売の現場では、相応の反動減を覚悟しなければならないでしょう。供給の過剰感が強まることで安売り競争にいっそう拍車がかかり、疲弊したメーカーのなかには破綻するところが出てくるかもしれないのです。


  ←応援クリックお願いします!
keizaiwoyomu at 15:06|この記事のURL経済分析 

2017年02月13日

トランプ政権になっても、米国経済の大きな流れは変わらない

米国経済が他の主要国や主要地域と比べて好調であるのは、個人消費が経済全体を下支えできているからです。近年、設備投資や輸出の伸びが芳しくないにもかかわらず、個人消費は平均して3%台の増加を続けてきているのです。

個人消費が伸びている最大の要因は、原油安をきっかけに物価が下落し、米国民の実質所得が上がってきているためです。2015年の消費者物価の上昇率が0.1%と低迷したばかりか、卸売物価指数にいたってはマイナス0.9%とデフレの状況にあったのです。その結果、2015年の家計所得(物価上昇を考慮に入れた)の中央値は5万6516ドルと5.2%増加し、その増加率は1967年の調査開始以来で最大となったというわけです。

この続きは、2月13日更新の『中原圭介の未来予想図』でどうぞ。

※連載コラムのタイトルは編集者の意向で変わるケースがございます。ご了承ください。


  ←応援クリックお願いします!
keizaiwoyomu at 08:50|この記事のURL経済分析 

2017年01月23日

これからの米国経済を見るポイント

米国経済の動向を見る最大のポイントは、拙書『経済はこう動く』でも述べているように、これからの米国10年債利回りの推移にあります。このような見方は、米国の大統領が誰になろうとも関係はありません。

過去数年の米国の経済成長を下支えているのは、個人消費の3%~4%の高い伸び率です。設備投資や輸出が冴えないなかで、個人消費が目立って堅調なのは、原油安や低金利により家計の購買力が高まり、自動車と住宅の両市場が好調を持続しているからです。

しかし、米国の大統領選後、米国債の利回りは1.6%台から2.6%台に跳ね上がり、20日現在では2.4%台と高止まりしています。長期金利が2%台後半になってもっとも懸念されるのは、消費の柱である住宅市場がこれまでの堅調さを維持できなくなってくるということです。米国の住宅価格はすでにバブル最盛期に近づいており、割高感が意識されているものの、史上最低と言われる低金利が住宅市場を牽引してきたのです。

リーマン・ショック後の景気回復の過程では、住宅市場が失速した時期が1回だけありましたが、それは長期金利が1.6%台から3.0%台まで駆け上がった影響を受けた2013年秋~2014年春のことでありました。住宅価格は当時と比べてかなり高くなっているので、住宅市場は想定外の金利上昇に対して、市場関係者が考えている以上に脆弱になっているように思われます。

さらには、消費のもうひとつの柱である自動車市場は、薄利多売による競争激化や原油価格の底入れ、金利の上昇などによって、2016年(正確には、2016年前半)にはピークを打っていた可能性が高いと見ています。2017年の新車販売は8年ぶりに減少に転じ、耐久財消費に暗い影を落とすことになるのではないでしょうか。

米国経済を個人消費が牽引している現状では、金利の上昇はもっとも避けなければならない事態であるはずなのですが、何故かウォール街はそのようなことは意識していないようです。「巨額インフラ投資」や「大型減税」で景気が拡大すると期待する勢力は、そういった期待が長期金利の上昇によって簡単に打ち消されてしまうリスクを見逃してしまっているのです。

また、長期金利の上昇とそれに連動するドル高を放置すれば、米製造業の業績悪化は避けられないという事態もわかりきっていることです。そのことを踏まえると、トランプ政権はどこかで支持者の離反を招きかねないドル高を抑制しなければならず、長期金利を抑え込む必要に迫られるかもしれません。すなわち、「巨額インフラ投資+大型減税」と「ドル安」は相容れない政策であるというわけです。

そういった意味では、トランプ政権がどういった選択をするのか、それによって長期金利がどのように推移するのか、注意深く見ていく必要があります。


  ←応援クリックお願いします!
keizaiwoyomu at 08:53|この記事のURL経済分析 
レポート配信履歴
3/14・3/29

4/13・4/27


※ご注意・・・OCNとJCOMで未達が続出中