2012年10月

2012年10月19日

米国の大統領選挙の後

米国の大統領選挙が近づいてきました。私の大統領選挙後のビジョンは、『2015年までは通貨と株で資産を守れ!』(2012年3月刊行)に書いておりますので、その中の文章を引用した上で、補足を加えたいと思います。

(以下、引用)

大統領選で共和党候補が勝利し、上院の改選でも民主党が敗れ、上下両院ともに共和党が多数を握った場合、米国経済はどう変わるのでしょうか?この場合、議会のねじれは解消されるため、共和党政権は選挙で掲げた公約の実現を容易に達成できるものと思います。

 
先に述べたように、茶会党など多くの共和党支持層は「小さな政府」を望んでいることから、新政権はすぐに財政再建に向けて舵を切ることになるでしょう。格付け会社のS&Pは、新しい政権が財政再建を実行できると評価し、米国債の格付けを「最上級」に引き上げることも予想されます。余程のことがない限り、米国は欧州のような債務危機問題に脅かされる事態にはならないと思います。

ただし、第2章で説明したように、財政再建と経済成長は両立できません。したがって、欧州に続き、米国も財政再建路線を打ち出せば、世界経済を牽引してきた新興国経済も急減速し、世界経済が本格的な低成長時代に突入することは避けられないでしょう。

最新のOECDの予測では、2012年の世界全体の成長率は3.6%との見通しですが、新政権が本格的に始動する2013年以降は3%以下の低成長に陥る可能性が高まるだろうと予想されます。

また、米国社会で懸案の格差問題は、共和党政権が誕生することで、今まで以上に拡大する恐れもあるでしょう。現時点で大統領選に名乗りを上げた共和党候補たちは、こぞってキャピタルゲイン課税の廃止を公約にしています。これは、所得の大半が投資による売却益である富裕層を優遇するもので、国民の不満が一段と高まる事態も考えられます。

しかし本当に最悪なのは、オバマ大統領が再選し、上院選にも民主党が勝利した場合なのかもしれません。この場合は「大きな政府」が続くので、財政再建は思うように進まず、米国発の債務危機を引き起こす可能性が高まっていきます。

議会のねじれ状態も続き、オバマ政権は政治的な指導力を発揮することもできません。こういった政治的な危機が、ただでさえ足腰がしっかりしていない米国経済を非常に不安定な状態におとしめてしまうリスクも考えなければならないでしょう。

(引用終わり)

私の誤算は、共和党の選んだ大統領候補がモルモン教徒のロムニー氏であったことです。米国での大統領選挙では、宗教はとても重要な要素となります。失業率が8%前後と悪い状況を考えると、共和党がいつものようにプロテスタントの候補者を選んでいれば、かなり優位に立ったはずなのです。

オバマとロムニーのどちらが勝つのか、予想のしようがありません。しかしながら、どちらの候補が勝つにしても、米国経済は袋小路にはまっていくことになるでしょう。目先の懸案は「財政の崖」にどう対処していくのかになりますが、この崖を乗り越えたとしても、あと数年は辛抱の必要があるように思われます。

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keizaiwoyomu at 12:51|この記事のURL政治分析 
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