2013年08月

2013年08月23日

日本人は「経済学」にだまされるな!

(中経出版)2013/9/23発売


本日、新刊 『日本人は「経済学」にだまされるな!』 (中経出版)が出版されます。目次は以下の通りです。

第1章 日本人は「経済学」を信じてはいけない
第2章 インフレ経済学が日本経済を襲う!
第3章 インフレ経済学が日本人を貧乏にする!
第4章 インフレ経済学が日本企業を苦しめる!
第5章 インフレ経済学がまき散らす「世界経済」のウソ
第6章 インフレ経済学のウソからあなたの資産を守れ!

グローバル経済下においては、現在の主流派経済学は「机上の空論」にすぎず、ダイナミックな経済を見ていません。経済学者が広める学説の誤りを説明し、ダイナミックな経済の視点から見えてくる真実を明らかにしています。

興味のある方はご覧いただけると幸いです。

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keizaiwoyomu at 08:50|この記事のURL拙書の紹介 

2013年08月19日

QE3縮小は来年だ

このブログでは基本的には金融政策の予測をしないのですが、今回は敢えてQE3の縮小時期について、私がどう見ているのかを簡潔に述べたいと思います。

アメリカの金融関係者の間では「9月末にもQE3の縮小が始まる」と、まことしやかに言われています。しかし私は、「QE3の縮小は早くても来年前半である」と考えております。

FRBがこれから迎えようとしている最大の試練は、2008年の金融危機以降に実施した量的緩和の縮小・停止を市場の混乱を招かずにどう進めるかということです。議長はかつて、市場に混乱を与えない対策を最優先で検討することを明らかにしています。

FRBの出口戦略は大きく分けて3段階になります。第1段階は、毎月850億ドルの資産購入を縮小することです。購入額を徐々に減らしていき、最後にゼロにするという作業です。ここで初めて、FRBの資産拡大は止まります。

続く第2段階では、3兆ドル超に膨らんだFRBの資産規模を縮小し、第3段階ではゼロ金利政策の解除に伴う政策金利の引き上げが待っています。

当面の注目を集めている資産買い入れの縮小(第1段階)は、長い出口戦略の始まりにすぎません。それでも議長が慎重を期しているのは、量的緩和縮小の初めの一歩であっても、市場が過剰に反応するリスクを段階ごとに和らげていく必要があるからだと思います。

議長は緩和縮小の前提条件を「雇用の持続的な回復が維持できれば」としていますが、現時点の米国の失業率の問題は見かけ上低下していることです。16歳以上の人口のうち働いているか、積極的に職探しする人々の比率を示す「労働参加率」は63%半ばで、34年ぶりの低水準に落ち込んでいます。

本来であれば、景気回復の局面では職探しをする人々が増え労働参加率は上向くはずなのですが、技能不足の若者などの構造的な失業者が職探しを断念してしまっているのです。

フルタイムの定職がない全米の25歳以下の若者の数1000万人、高卒の失業率は30%に迫っている状況です。あるシンクタンクの調査では、やむなくパートに就くなどの事例も合わせた就職難の若者の比率は50%を超えるということです。

低水準の労働参加率は失業率の計算の分母になる労働力人口を減らすため、実態では雇用情勢が改善していないのに、見かけ上の失業率だけが低下してしまいます。バーナンキ議長もこのことは十分に認識しているので、見かけ上の失業率低下だけでは緩和縮小を決定しないでしょう。

よって、今年中に緩和を縮小するのは難しいと考えています。

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keizaiwoyomu at 10:01|この記事のURL金融政策分析 

2013年08月05日

アメリカの金融政策は本当に成功しているのか?

2、3年前から拙書等でたびたび訴えてきたことですが、アメリカの金融政策は格差を拡大させる副作用が大きく、国民生活の視点から見ると失敗するだろうという懸念が現実のものとなりつつあります。

金融危機後にFRBのバーナンキ議長はデフレ経済への転落を払拭するために、量的緩和を通じて何が何でもインフレにしようと考えました。それが、その後のQE1、QE2、QE3とつながっていきます。

その結果、アメリカの株価は右肩上がりに上昇を続けています。もともとアメリカは日本と違い、国民が金融資産の半分以上を株式で持っている国ですから、株が上がることはそのまま国民の資産が増えることを意味しています。

しかし、それは見かけ上の話です。国民が金融資産の半分以上を株式で持っているといっても、一握りの富裕層が平均値を押し上げているだけであって、実際には金融資産を持っていない国民が大半なのです。

その証拠に、富裕層が主たる顧客であるメイシーズなどの高級百貨店の売上げは2ケタのペースで増え続けていますが、一般国民が顧客であるウォルマートの売上げは横ばいで増えていないのです。

アメリカ国民の平均所得は2006年から大きく下がっている一方で、物価は量的緩和の効果もあって年2%程度の上昇をしています。これは、名目以上に実質的な所得が減っていき、国民生活が徐々に苦しくなっていくということに他なりません。

アメリカでは現在、6人に1人が貧困層、3人に1人が貧困層および貧困予備軍と言われるまでに格差の拡大が進んでいます。アメリカはまさに「貧困大国」と言っても差し支えないかもしれません。

大規模な量的緩和は、所得の再分配を引き起こします。最も恩恵を受けるのは富裕層、恩恵を全く受けないのが一般国民ということになります。

アメリカの事例を見ると、仮に日本でインフレが起こるようなことがあれば、大多数の国民が望んでいない未来がやってくることが考えられるのです。

だから、日本は本気で成長戦略を実行し、潜在成長率を引き上げなければなりません。潜在成長率を引き上げることができる前にインフレになってしまったら、日本はアメリカ型の社会に一歩踏み出してしまうことになってしまうでしょう。

次回は、「QE3はいつ終わるのか」について述べる予定です。

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keizaiwoyomu at 13:51|この記事のURL金融政策分析 
レポート配信履歴
7/13・7/30

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