2015年07月

2015年07月29日

アメリカ株は天井を打ったのか?

先週の初めには、NYダウ平均株価は再び過去最高値を伺うような値動きをしていましたが、それが一転して下落基調に陥ったのは、7月下旬から始まった主要企業の決算が今のところ低調な結果で推移しているからです。もちろん、「中国景気の減速」や「商品価格の下落」なども下落の要因として考えられるのですが、あくまで主たる要因は「アメリカ企業の業績悪化」にあります。

これまでも「1-3月期よりも4-6月期のほうがドル高が進んでいるので、アメリカの主要企業の業績は悪化するだろう」と申し上げてきましたように、キャタピラーやIBM、マイクロソフトなどは減益決算となり、金融や一部の IT企業を除いては総じて振るわない結果となっております。その象徴的な事例として、23日に減益決算を発表したキャタピラーは、過去1年間の安値を更新するまでに株価が下落してしまっているのです。

アメリカの主要企業が海外で稼ぐ売上げ比率は30%程度になり、金融を除く幅広い業種でドル高による収益悪化の悪影響が強まってきています。今回の主要企業の決算が始まる前のトムソン・ロイターの集計によると、主要500社の4-6月期の1株当たり利益は、前年同期から3%減るという見通しにあります。1-3月期の2.2%増から一転して、減益に沈むというのです。実際に、主要企業が全体で減益に陥ると、金融危機後の2009年7-9月期以来となるため、株式市場への影響は大きいと見るべきでしょう。

もっとも、ここ数年のアメリカ企業は日本企業と同じく、業績見通しを控えめに出す傾向があります。そのため、当初は1-3月期も3%弱の減益が予想されていましたが、最終的な結果は2%台の増益に転じたのです。モルガン・スタンレーの著名なアナリストなどはこの点を指摘し、「市場の予想は低すぎる。結果は予想を上回るだろう」という予測を立てています。

この続きは、7月28日配信の『経済展望レポート』でご覧になれます。

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keizaiwoyomu at 09:24|この記事のURL市場分析 

2015年07月21日

安保関連法案の本質とは

私はこのブログやその他の連載において、いつもは経済や金融、グローバル人材などに関する記事を書いておりますが、今回に限っては、この国の行く末を憂える国民の一人として、「安保関連法案の本質」についてはっきりと申し上げたいと思います。

まずは、安倍首相の安保関連法案に関する説明では、
「違憲ではない」
「自衛隊のリスクは高まらない」
「戦争の抑止力が高まる」

ということですが、これらが全部ウソなのは、普通の教養をお持ちの方にはすぐにわかることです。国民の反対が多いのは、まさに日本人全体の教養のレベルが高いということなのです。

そのことは、これまで政治に関心がなかった10代~20代の若い世代が強く反発していることでも、十分に納得できることでしょう。彼らは学校教育で憲法について学んできたばかりなので、安保関連法案が憲法違反であることを、私たちの世代よりも強く意識することができるのです。国会での首相のデタラメな答弁を見るまでもないわけです。

それでは、ここまで国民の反対が多い「安保関連法案の本質」は、いったいどこにあるというのでしょうか。

この続きは、7月20日更新の『中原圭介の未来予想図』でご覧になれます。

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keizaiwoyomu at 09:26|この記事のURL政治分析 

2015年07月13日

ギリシャ問題の悪影響は限定的だ

私がここ数か月のギリシャとEUの債務交渉を見ていて心底思うのは、「チプラス首相は愚かすぎる」ということです。彼の支離滅裂な一連の行動は、これまでのEUとの交渉の土台や信頼関係をぶち壊すだけでなく、ギリシャ国民をいっそう厳しい状況に追い込んでしまっています。

それは、先日辞任したバルファキス財務相についても、同様であると言えます。彼はEUとの交渉において当初から、具体的な改革案を示すことができなかったばかりか、改革案の前提となる数字すらまったく把握することができていなかったというのです。EU側からすれば、「何のために交渉に来たのか」と言いたいところでしょう。

EUの関係者のあいだでは、交渉のたびにそういったチプラス政権の愚かさが露呈することによって、「この政権とまともな交渉をするのは不可能かもしれない」という雰囲気が形づくられていったといいます。ドイツやフランスを中心に、ギリシャを見捨てても構わないという国々が増えていったのには、そのような経緯があるわけです。

それでは、仮にギリシャがユーロを離脱するとしたら、実体経済や金融市場にどの程度の影響があるのでしょうか。

まず、実体経済にはほとんど影響がないと言えるでしょう。ギリシャの経済規模は過大に見積もっても、EU全体の2%、ユーロ圏全体の3%に過ぎないからです。いくらグローバル経済の特質に波及効果があるといっても、経済規模が小さすぎるために、注視するほどの悪影響があらわれるとは考えられないのです。

その一方で、金融市場に多少の悪影響が及ぶことは避けられないでしょう。しかしそれでも私は、金融市場への影響は短期的かつ軽微なものにとどまると考えております。かつてはギリシャの債務危機がスペイン、イタリアなどに波及し、欧州全域に深刻な悪影響が広がる可能性がありましたが、現在ではECBが緊縮財政を実行している国々に対して資金を供給することを約束しているので、その心配はほとんどないと言っても良いからです。

さらには、ギリシャの債務の大部分がECBやIMFなどによって保有されているため、たとえギリシャがデフォルトに陥ったとしても、民間の金融機関で巨額の損失を抱えるというリスクは心配する必要がないと考えられるのです。ですから、仮にギリシャがユーロを離脱しても、金融市場の動揺は短期的なものに収まるのではないかというわけです。

ところが、ギリシャ国民にとってのユーロ離脱は、これまでの緊縮財政の時よりもさらに過酷な生活が待っていることを意味しています。かつての自国通貨ドラクマに戻れば、通貨の暴落は避けられず、年率20%や30%のインフレを受け入れざるをえないからです。そうなれば、国民生活が今と比較にならないほど、苦境に追い込まれることになるでしょう。

ギリシャがユーロに残留しようとも、離脱しようとも、私はチプラス政権の誕生後を見ていて、「首相が愚かであると、国は誤った方向に導かれてしまう」と痛切に感じさせられました。我が国の首相を見ていても同じような危うさを感じてしまうのは、決して私だけではないのではないでしょうか。

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keizaiwoyomu at 08:32|この記事のURL経済分析 

2015年07月10日

今回の暴落は個人投資家にとって好機となる

今回は特別に、昨日の早朝にお送りした『経済展望レポート』の一部分を引用したうえで、詳しい解説を加え、読者の皆さまの日頃からのご愛顧に報いたいと思います。

(以下、『経済展望レポート』より一部引用)

日本の株式市場を見渡してみると、個人投資家には前向きな見方をしている人が多いように感じられます。株価がパニック的な売りから下落したところを、滞留している個人投資家の資金が待ち構えているからです。

早々に売ってしまった個人投資家にとっては、ひょっとしたら最後の買い場になるかもしれないという考え方が浮上しているのです。確かに、上海総合指数が3000ポイントまで下落してもいいように(現在は3500ポイント)、これから3回くらいに分けて日本株を買っていくのは、一つの有効な方法であると思われます。

(引用終わり)

個人投資家は2013年の上昇相場スタート時から一貫して売り主体となっており、日経平均株価が20000円を超えた段階では、上昇相場の蚊帳の外にいる投資家が多いと言われています。

東証が発表する投資主体別の売買動向を集計してみると、2013年、2014年、2015年(1月~5月)の海外投資家の買い越し額が15兆1196億円、8526億円、2兆7749億円であるのに対して、個人投資家の売り越し額は8兆7508億円、3兆6323億円、4兆1994億円となっています。

取り立てて大きな押し目がなく高値を更新し続けている相場では、空売りで失敗している個人投資家が多いと聞いていますし、買いしかやらない個人投資家の口座には現金が貯まり続けているということです。2015年の売り越し額だけでもすでに2014年の売り越し額を超えているのですから、現時点の個人投資家の買い余力は凄まじい金額となっているに違いありません。

今後の大きなイベントのスケジュールを考えると、個人投資家にとって今回の暴落は、最後の買い場としての好機になるのかもしれません。

(7.12 追記) 『経済展望レポート』の読者への配慮から、この記事の内容を当初の「全文掲載」から「一部引用」に改めさせていただきました。ご了承いただければ幸いです。

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keizaiwoyomu at 09:16|この記事のURL市場分析 
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12/10(本年最終号)

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