2015年09月

2015年09月25日

FRBが利上げにこだわると、どういった懸念があるのか

中国株の暴落に伴い、世界の株式が暴落しました。この「チャイナ・ショック」を単なる株価暴落にすぎないと捉えていると、大きな趨勢を見誤ることになります。中国の実体経済はじわじわと蝕まれているからです。

そこへ追い打ちをかけるように、FRBが利上げにこだわれば、米国経済は拡大から減速へと転じ、その減速は世界経済に少なからず悪影響を与えることになるでしょう。

第一に懸念されるのが、金利が幾らか上振れすることによって、個人消費を牽引している自動車や住宅の販売が現在の勢いを失うということです。

米国では住宅購入時の審査以外は、融資基準がかなり緩くなっています。自動車ローンがその代表格で、低所得者層にも広く貸し出しがされているのが現状です。ニューヨーク地区連銀によると、2015年に入って自動車ローンの残高が初めて1兆ドルを突破したといいます。

その不良債権額は徐々にではあるが増加傾向にあり、利上げによって自動車版のサブプライム・ローンが弾けるかもしれないという指摘もあります。実のところ、2014年10~12月期に新たに30日以上の延滞となった自動車ローン残高は198億ドルにものぼり、2009年7~9月期以来、約5年ぶりの高水準になっています。

とはいっても、住宅のサブプライム・ローンと比べると額は9分の1程度と極めて少なく、他の金融商品にわからないように紛れ込んでいることはないので、リーマン・ショックのような金融不安につながるリスクは皆無と言っていいでしょう。

しかし、利上げによる販売の減速は避けられず、2015年見通しの1700万台から、2016年には1700万台を大きく下回ることも想定しなければならないでしょう。今の自動車販売が好調なのは、低利のローンに頼っている側面が否めず、これから想定される利上げは逆風になりかねないからです。利上げの影響で金利が少しでも上がれば、低所得者向けローンを組めない人々が相当な数で発生するだろうと推測できるのです。

この続きは、9月25日配信の『経済展望レポート』でご覧になれます。

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keizaiwoyomu at 08:50|この記事のURL経済分析 

2015年09月14日

経済展望レポート(9月11日号)の冒頭部分より

これまでの流れを整理するためにも、まず初めに、前々号(8月25日号)と前号(9月8日緊急特別号)のおさらいから始めたいと思います。

前々号では、「日銀が追加緩和を行わないとすれば、日経平均株価は20000円を回復するのも難しいように思われます。19000円でも回復できれば、御の字ではないでしょうか」と述べました。

みなさんもご存知のように、その後の株価の動きは実に急激であり、わずか3営業日で1300円超の上昇を演じ、19100円台まで回復することができました。絶好のポジションを整理する局面が訪れたわけです。

ところが、ポジションを整理する機会は正味1~2営業日しかなく、日経平均株価は続く7営業日で17400円台まで落ち込むことになります。そのあいだに、かなりの信用買い残が減少していることが推測できました。

これを受けて前号では、「本日までの株価の動きや先週までの信用残の整理具合を見ていると、9月中にもう1回はリバウンド相場があるかもしれないという考えに至るようになりました。ただし、次のリバウンドは18500円~19000円を想定しておいたほうが無難であるでしょう」という見通しを述べました。

しかしそれが、まさか翌営業日の1300円超の記録的な上昇によって達成されるとは、夢にも思っておりませんでした。2000年以降、最大の上昇幅ということで、みなさんもさぞ驚かれたことでしょう。

私の従来の予想は、急激な戻り相場のダブルトップ(19192円と18770円)が形成された後、10月に向けて弱含みの展開が鮮明になってくるだろうというものであります。日銀の追加緩和がないと仮定すれば、とても20000円を回復するのは難しい状況であると見ているわけです。

その一方で、野村証券は2015年末の日経平均株価の見通しを、企業業績の拡大基調に変化はないという判断から、従来の21500円で維持するというレポートを顧客に送っているそうです。大和証券も2015年末の日経平均株価の見通しを、野村証券と同じ理由から22000円に据え置いています。

もちろん、両社の株価見通しの前提には、日銀の追加緩和という株価刺激策が入っておりません。果たして、本当に株価が21500円や22000円に達するということはありえるのでしょうか。

この続きは、9月11日配信の『経済展望レポート』でご覧になれます。

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keizaiwoyomu at 09:53|この記事のURL市場予測 

2015年09月08日

中国のGDPを信用してはいけない

中国のGDP成長率は、1-3月期と4-6月期がともに7.0%と発表されています。しかし、これらの数字を鵜呑みにする経済識者は、今や日本でも少なくなってきているように思われます。当然のことながら、中国経済を精緻に分析している香港の経済識者は、中国のGDPをまったく信用していません。

その主な理由は、中国のエネルギー消費量の減少にあります。たとえば、経済活動をより正確に映す電力消費量は2014年に3.8%増と、2013年の7.5%増から伸びがほぼ半分に縮小しています。その一方で、中国のGDP成長率は2013年に7.7%、2014年には7.4%と、ほとんど変わっていなかったのです。

GDPと電力消費量の増加率は、少なくとも2012年までは連動性が高かったと言える状況にありました。ところが、2013年~2014年にかけて電力消費量の伸び率が半減しているのに、GDP成長率がほとんど下がっていないというのは、あまりに不可思議であると言わざるを得ないでしょう。

おまけに、2015年の1~6月のエネルギー消費量は、わずかに0.7%しか増えていませんでした。それでも中国は2015年のGDP成長率を2四半期連続で7.0%と発表しているのですから、実際のGDPと政府発表のGDPの乖離度はいっそう広がってしまっていると言えるでしょう。

私は2013年の時点で、「中国の正味のGDP成長率は5%にも達していない」と述べていましたが、2015年通年のGDP成長率は3%にも達しないだろうと分析しています。【関連記事:中国経済はもはや年5%も成長していない(2013.7.3)

中国政府は「格差の拡大を止めるには、7%前後の成長が必要である」と国民に説明してきた手前、決して本当の数字を出すことはできないでしょう。おそらくは、2015年通年のGDP成長率を6.7%~6.9%の間で調整してくるのではないでしょうか。さもなければ、中国は社会の安定を保つことすら難しくなっているわけです。

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keizaiwoyomu at 12:00|この記事のURL経済分析 
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