2016年02月

2016年02月25日

海外投資家は今の日本株をどう見ているのか

海外投資家は株式の売り買いの判断をする際に、市場の大きな流れを決定づける可能性がある「投資アイデア」を重要視しています。実のところ、欧米の海外投資家は想定される投資アイデアに基づき戦略を構築すると同時に、その戦略を発動するタイミングをあらかじめ決めている場合が多いのです。要するに、彼らの投資パターンは非常に単純なものが多いというわけです。

ですから、欧米の投資家にとって2015年初めにおける前向きな投資アイデアには、主に「ECBの量的緩和」や「日銀の追加緩和」の二つがあり、それらのアイデアがひとつずつ現実化するたびに、先進国の株式市場を買い進む動機づけになるだろうと考えられていました。とりわけ先進国のなかで2015年の日本株の上昇率が際立っていたのは、それらの投資アイデアに加え、「GPIFによる買い需要」や「成長戦略でのROE重視」、「円安による企業収益拡大への期待」など、積極的に買い進むいくつものアイデアが重なっていたためといえるでしょう。

この続きは、2月25日更新の『中原圭介の未来予想図』でどうぞ。

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keizaiwoyomu at 09:15|この記事のURL市場分析 

2016年02月18日

2016年の株式投資戦略について

2016年の金融市場では、拙書『中原圭介の経済はこう動く〔2016年版〕』および当ブログの2015年12月10日以降の一連の記事で書いた予測がほぼすべて起こってしまいました。

私が米国の利上げ後に『経済展望レポート』等で述べた日本の株式市場の見通しは、主に次の3つの要点にまとめることができると思われます。

(1)2015年の9月以降、海外の長期投資家が減少する一方で、ヘッジファンドなどの短期筋の割合が増えたために、短期的に株価の振れ幅が大きくなり、その大きい振れが1年に何回も繰り返される可能性が高まっている。

(2)欧米の長期投資家は株式市場の先行きに明るい見通しを持っていない。中国リスクがいつ蒸し返されるか警戒しているため、むしろ2016年以降もポジションを縮小してくる可能性が高い。

(3)2016年の日経平均株価は2015年と比較すると、高値と安値を切り下げてのボックス相場に入る可能性が高い。

当初から私は、2016年の株式投資戦略を具体的に提示するのは、非常に難しいことであると考えておりました。ある程度は円高トレンドに絡めた戦略でよいのかもしれませんが、株式市場はそれだけでは推し量ることができない複雑怪奇な市場であるからです。

そこで、大雑把な予測をもとに基本的な戦略を立ててから、金融市場の動きに応じてその都度修正していくという手法を取りました。現時点までの戦略の流れは、時系列に並べると以下の通りになります。

( 1/1~1/28 の戦略)
日経平均株価の安値が17000円、16000円、15000円の3つのケースを想定して、買いを入れていく。

( 1/29~2/8 の戦略) ※1/29は日銀がマイナス金利を決定した日
17500円を超えた水準では利食いを入れる。

( 2/9~現時点 の戦略)
日経平均株価の安値が16000円、15000円、14000円の3つのケースを想定して、買いを入れていく。17000円前後(明日以降、16500円に引き下げる可能性もあり)では利食いを入れる。

3/12の投資戦略フェアEXPO2016における講演「2017年までの経済トレンド分析と投資戦略」では、実体経済や金融市場のトレンドを予測するだけでなく、なぜ以上のような戦略を立てるに至ったのか、その思考の流れなども解説したいと思っております。

なお、講演を聞いて下さる方へのお願いとして、基礎的な知識として次に取り上げる記事を読んでおいていただけると助かります。短い時間の中で駆け足気味にお話しするため、あたまの中に予備知識が入っていると理解力が深まるものと思われます。

米国の利上げで壮大な「経済実験」が始まる(2015年10月26日)
中国の本当の成長率は3%程度にすぎない(2015年10月30日)
「原油安のデフレ好感」が日本の新常識になる(2015年11月9日)
やっぱり2016年は円高トレンドの1年になる(2015年12月30日)

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keizaiwoyomu at 13:01|この記事のURL市場予測 

2016年02月12日

円高はいったいどこまで進んでしまうのか

昨年の12月に当ブログや連載、書籍等でも予測してきましたように、米国の利上げをきっかけにして、年初からの円高傾向が鮮明になってきています。

多くの識者の方々の解説を伺っていると、円高進行の原因を「世界経済への先行きへの不安」や「地政学リスク」などと答えているようですが、そのような不安やリスクはすでに昨年の秋口から顕在化していたので、これらの解説は後付けの講釈にすぎないといえるでしょう。

端的にいえば、円高トレンドに転換した本質的な要因は、ドル円相場に大きな歪みが生じていたところに、米国の利上げが引き金となって、その歪みを修正する動きが起こるのは当然であるという話に過ぎなかったのです。すなわち、海外の投資筋の円売りにより、過剰な円安が日本経済の実力以下に進んでしまっていたというわけです。

この続きは、2月12日更新の『中原圭介の未来予想図』でどうぞ。

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keizaiwoyomu at 17:05|この記事のURL市場予測 

2016年02月08日

ブラジルとロシアの経済はどうなるのか

ブラジルとロシアが経済的苦境に陥っています。今後の両国の経済はどうなっていくのでしょうか。これについては、拙書『新興国 中・韓・印・露・ブラジル経済総崩れ』(2013年9月出版)の20~22ページに適当な文章がありましたので、まずはその中の文章を一部引用し、少し補足を加えたいと思います。

(以下、『新興国 中・韓・印・露・ブラジル経済総崩れ』より引用)

ここにきてBRICsのなかで勝ち組と負け組がはっきりと分かれてきました。とはいっても、勝ち組となりそうなのはインドだけで、残りの3国は茨の道を歩まざるを得ません。

そのなかで資源大国であるロシアとブラジルは、アメリカのシェール革命により甚大なダメージを受けるという点で共通しています。そして両国とも、資源価格が高止まりしているのにあぐらをかいて、新たな経済の担い手となる製造業の育成を怠ってきたことでも似ています。

ロシアがブラジルと異なるのは政治体制です。いまのロシアは以前にも増してプーチン大統領の独裁色が濃くなっています。

その象徴的な出来事がプーチン大統領の辞任を求める大規模デモの中心的指導者アレクセイ・ナワルニー氏に対する有罪判決でした。司法の独立性が疑われても仕方のない同判決は、ただでさえ萎んでいた海外からのロシアへの投資をさらに冷え込ませる結果となるでしょう。

そんなロシアがこのところ経済成長率を3%未満に減速させているのと同様、ブラジルも1.9%( 13年1-3月)と市場予想を上回る減速が続いています。

ブラジル経済の現状をおおづかみに述べるならば、インフレと昨今の資源安により「借金依存経済」が回らなくなってきているということでしょうか。もともとブラジルは先進国の資源投資で潤ってきた国。資源高が続かなければ経常赤字に陥る体質なのです。今後、頼みの鉄鉱石価格が大きく下落するならば、経済運営が立ち行かなくなります。

借金依存経済だけに、バブル崩壊時に巨額の不良債権が発生するのは回避できないと思います。「ブラジル版サブプライム問題」が生じるのです。このあたりの「ブラジル危機が迫っている」ことについて、なぜか日本のメディアはあまり伝えていません。

金融政策についても、過度なインフレを抑え込むため金融引き締めに向かえばいいのか、景気を下支えするために緩和に向かえばいいのかわからず、立ち往生している状況が続いています。私自身こうした状況下では、何もしないほうがよいと考えています。

資源価格の下落ペースにブラジルの命運は握られています。2014年のサッカー・ワールドカップまではひょっとしたら凌げるかもしれません。しかし、さらに資源価格の下落が進むに違いない2016年のリオ五輪まではとてももたないのではないか。これが現時点での私の予測です。

(以上、引用終わり)

私の見立てでは、ロシアとブラジルの経済はまだ底を打っていません。エネルギー資源価格の低迷と通貨安のダブルパンチにより、両国はこれから緊縮財政を強いられることになるからです。とりわけブラジルでは、生活苦から国民の不満が鬱積しており、政治的な安定が損われ始めています。

中国の構造調整には少なくとも5年、通常では10年かかることを考えると、あるいはエネルギー資源企業の生産性が伸びていることを目の当たりにすると、両国の経済が底を打つのは2017年か2018年であったとしても、その後も長期低迷が続くのは避けられないのではないでしょうか。

ここで我が国にとっても教訓となるのは、円安にあぐらをかいて成長戦略を怠ってきたツケが早くも表れ出してきたということです。そのツケが景気後退という形になって、2016年中には顕在化してくるものと思われます。

政治が目先の選挙のことばかり考えていると、結果的に国民がそのしわ寄せを受けることになります。日本にもドイツのシュレーダー首相のような政治家が現れない限り、日本の未来にはとても楽観的になれない状況です。

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keizaiwoyomu at 13:50|この記事のURL経済分析 

2016年02月01日

マイナス金利で起こること

日銀が銀行の当座預金にマイナス金利を導入することで、決して避けられない事態があります。それは、銀行の収益基盤が悪化するということです。銀行は量的・質的金融緩和の影響もあって、巨額の資金を日銀の当座預金に預けています。マイナス金利を導入したら、日本の銀行への打撃は欧州の銀行とは比べ物にならないといえるでしょう。

実際のところ、超低金利が長期化する状況下で、これまでの銀行は日銀の当座預金にお金を預けて金利収入を稼いできました。それは、日銀の当座預金の金利が0.1%という高めの水準にあったからです。逆説的ながらも銀行にとっては、異次元緩和を進める日銀の当座預金がもっとも有望な運用先のひとつになってしまっていたのです。銀行から見れば、突然のマイナス金利の採用は、梯子を外されたといっても過言ではないでしょう。

さらに深刻に懸念されるのは、日銀が当座預金の金利をマイナスにする影響は、金融市場でのいっそうの金利の低下にもつながっていくということです。実は、当座預金にマイナス金利が採用されることよりも、金利の低下で融資の利ザヤが縮小することのほうが、銀行の収益基盤にとっては大きな痛手となってしまうのです。

この続きは、2月1日更新の『中原圭介の未来予想図』でどうぞ。


(お知らせ)3月12日に『投資戦略フェア EXPO2016』において、久しぶりに一般向けのセミナーをいたします。興味がございましたら、ご覧いただければと思います。http://www.tradersshop.com/topics/expo2016/

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keizaiwoyomu at 08:32|この記事のURL金融政策分析 
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