2018年04月03日

歴史の教訓

私はこれまでの経済展望レポートや連載コラムなどで、米国株がかなり割高になっている(ミニ・バブルの状況にある)としたうえで、2018年は大幅な調整をする可能性が高いということを、再三にわたって述べさせていただきました。そこで今回のブログでは、今後の教訓として押さえておくべき要点を整理し、これから5年先、10年先の対応に生かしてもらえればと思っております。

今後の教訓として押さえておくべき要点は、主に以下の5点になります。

(1)ここ10年あまりの日経平均を主導しているのは、短期の投機筋や長期の投資家が入り混じっている現物の売買ではなくて、短期の投機筋が主体となっている先物の売買やそれに伴う値動きです。そういった意味では、一方向への買いや売りを継続して値幅を取りに行く投機的なファンドの動向は、相場の方向性を決定づけるうえでは非常に重要になっています。先物が主導している市場では、たった1日の急変動によって相場に変調の兆しが表れるということを、私たちはよく肝に銘じておくべきです。

(2)世界の株式の時価総額は90兆ドル近くに達していて、世界のGDPを大幅に上回ってきています。時価総額とGDPを比較するバフェット指標によれば、株価は2017年の春先以降、割高とされる水準で推移し続けていました。また、エール大学のシラー教授が考案した長期的な株価水準を示す指標によれば、2018年1月末時点のNYダウ平均のPERは33倍に達し、すでに2007年の住宅バブル時の水準を上回り、2000年のITバブル時の水準にも肉薄していました。

(3)1987年のブラック・マンデー、1997年のアジア通貨危機、2007年のサブプライム危機(あるいは2008年のリーマン・ショック)と、これまでの危機は10年程度に1度は起きています。バブルの崩壊後に中央銀行の金融緩和を経て、新たなバブルが生まれ、また崩壊に向かう。私たちは今もその繰り返しの過程にいるということを、決して軽視してはいけないでしょう。私もリーマン・ショックのような危機が起こるとは思っていませんが、ブラック・マンデー程度の危機は2018年~2019年に起こってもおかしくはないと考えて
いるからです。

(4)日本株は先進各国と比べて割安であり、予想PERで計算すれば3万円を付けてもおかしくないという意見が2017年末あたりから勢いを増していましたが、日本株はPERよりも米国株との連動性のほうが強いので、米国株が割高な状態のまま3万円を目指すことはありえません。2018年にNYダウ平均が大幅な調整をするという仮定に立てば、それに引き寄せられるように日経平均も売られるという見方のほうが妥当なように思われます。

(5)NYダウ平均が26000ドルにまで達してしまっては、割高という水準というよりは、プチバブルの水準に入ってきたといってよいのかもしれません。米国株が上がれば上がるほど、上昇ピッチが速ければ速いほど、その反動が大きいことを意識せざるをえません。ウォール街の投資家の多くは音楽が鳴り止むまで踊り続けるつもりであり、音楽が鳴り止んだ途端に舞台から降りる準備もできているといいます。そのような話を聞いていると、相場の潮目が変わった途端にパニック的な売りが出るのではないかと心配になっています。

また、補足として連載コラムの記事「2018年、米国株は大幅調整する可能性が高い」(2017年12月26日)もご参照いただければ、理解が深まると思います。


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