企業分析

2016年08月22日

なぜ大手商社は資源価格の下落を予測できなかったのか

今のところ、世界経済は好況の部類に属しているといえますが、それでも経営に失敗している日本企業は数多くあります。その代表例としては、エネルギー資源価格の下落を予見できなかった日本の大手商社が挙げられます。

三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠、丸紅の大手総合商社5社の2016年3月期の決算では、エネルギー資源価格の大幅な下落により減損損失が1兆2000億円にまで膨らみ、5社合計の黒字は1443億円(前期は1兆400億円の黒字)まで減少しています。三菱商事と三井物産は戦後初めての赤字に転落し、その他の3社も当初の計画に比べて黒字額は大幅に縮小することとなったのです。

日本の大手商社は、国際的な原油価格の高騰や中国の旺盛な資源需要が今後も続くだろうという安易な見通しのもと、エネルギー資源の開発に傾斜を強めていき、多額の投資を行ってきました。そのような強気な投資の背景には、「これからも新興国や途上国では人口が増加し、エネルギーや資源の需要は増え続ける」という国際機関(IMF、OECDなど)や民間シンクタンク(野村総研、大和総研など)の予測があったのは間違いないでしょう。

この続きは、8月22日更新の『中原圭介の未来予想図』でどうぞ。

(お知らせ)
10月1日(土)に、日産証券で特別セミナーを行います。興味がございましたらこちらからどうぞ

※多忙につきまして、更新の頻度が落ちております。ご理解いただければ幸いです。


  ←応援クリックお願いします!
keizaiwoyomu at 12:30|この記事のURL

2016年08月01日

なぜ日本企業は投資の失敗を繰り返してしまうのか

なぜ日本の企業経営者やビジネスリーダーたちは、国内外での設備投資や海外企業のM&A(合併・買収)などの投資行動が下手であるといえるのでしょうか。

それは、経済の大きな流れが読めないことから、タイミングの悪い投資による事業拡大を行ってしまい、不況と呼ばれる状況が訪れるたびに、巨額の損失を抱えてしまうというケースが後を絶たないからです。場合によっては、企業の存続までもが危うくなるケースも決して珍しくはないのです。

みなさんもご存知のとおり、世界経済はもちろん、各国の経済も好況と不況を繰り返しています。2016年現在の世界経済は米国の消費が底堅いこともあり、好況の部類に属しているといえます。

しかし、遅かれ早かれ、程度の差こそあれ、次の不況は必ずやって来ます。リーマン・ショック後の深刻な不況ではないにしても、世界経済は2020年までにある程度の不況に遭遇することになるでしょう。このままでは、不況という状況が訪れるたびに、多くの日本企業で再び何らかの損失が発生することが避けられないというわけです。

この続きは、7月31日更新の『中原圭介の未来予想図』でどうぞ。

(お知らせ)
名古屋証券取引所でセミナーを行います。個人向けは個人向けは久しぶりになりますので、興味がございましたら、こちらからどうぞ。(お申込み締切日は8月8日・抽選あり)

※多忙につきまして、更新の頻度が落ちております。ご理解いただければ幸いです。



  ←応援クリックお願いします!
keizaiwoyomu at 08:59|この記事のURL

2014年05月13日

サムスンの凋落が始まった

韓国経済の分析について、拙書では定期的に書いておりますが、このブログでは書いたことがないと思います。そこで、今後の韓国経済については『新興国経済総くずれ~日米は支えきれるか?』(2013年9月発売)の139~141ページをそのまま引用し、少し補足を加えさせていただきたいと思います。

(以下、『新興国経済総くずれ~日米は支えきれるか?』より引用)

話をサムスンに戻しますと、韓国ではGDP、輸出総額ともに2割超を占めるサムスンのみが潤う構造になっていることから、国内の中小メーカーがまったく育っていません。

サムスンは自国での雇用創出にあまり熱心ではないといわれています。海外株主の要請を受け、コスト削減を求めて海外へ生産拠点をシフトさせているのは、利潤の最大化を目指す企業としては当然の行動なのかもしれません。

しかし、そのような競争に勝つための行動が、自国からの雇用を奪い、ひいては自国の経済を弱体化させることになるのではないでしょうか。

私はトヨタの成功を見ていると、つくづくそう思うのです。

円安ウォン高が定着している現状で、サムスンの収益までもが悪化するようなことがあれば、韓国経済はかなり苦しい立場に陥ることになるでしょう。

それでは、サムスンはいつまで高収益を保ち続けていくことができるのでしょうか。

サムスンは主力商品の低価格競争から脱皮をはかるために、高価格・高性能の製品にシフトしている最中であります。しかしながら、ずばり結論を述べると、サムスンの天下はそうは長く続かないと考えています。サムスンの2013年4-6月期決算では、営業利益の約3分の2を稼ぎ出す携帯端末部門が前期比3.5%減と失速しているのはその予兆かもしれません。

歴史は繰り返すものです。

かつては、家電から半導体に至るまで、隆盛を誇っていたアメリカのメーカーの牙城を日本メーカーが次々と崩していきました。一部のアメリカ企業は業態を変化させ、あるいは製品の付加価値を高めることで生き残ってきました。

アメリカのメーカーを駆逐し市場を握った日本のメーカーでしたが、いまではすっかり、台頭してきたサムスンをはじめとする韓国勢の後塵を拝することになりました。

次はどうなるのかといえば、韓国のメーカーが新興の中国勢に取って代わられるのが自然な成り行きでしょう。中国には政変リスクがありますが、シャープやソニーもほんの数年でサムスンに液晶テレビのシェアを奪われたのですから、政変が起こる前にサムスンが中国のメーカーにシェアを奪われる可能性は十分にあるのです。

そうであれば、サムスンは生き残るために製品の付加価値をさらに高めて勝負するか、新たな機軸を打ち出すしかないわけです。だから、サムスンは高価格・高性能へとシフトする戦略を打ち出しているのですが、当分は揺るぎないと思われていたアップルが翳りを見せているように、デジタル家電や携帯端末の分野で付加価値を高めて勝ち続けるのは至難の業だと思います。

仮にサムスンが家電分野で技術革新を起こしたとしても、以前なら3年、いまならば1年で簡単に追いつかれてしまうので、汎用品化した製品で技術革新を進めても割に合いません。製品のライフサイクルはどんどん短くなっているので、サムスンは疲弊するだけでしょう。やはり汎用品の市場は順繰りに後から追い付いてくる新興国へと手渡していくのが自然な流れだと思います。

(引用終わり)

その後のサムスンの業績は、直近までで2四半期連続の減益となっております。ここから業績が一気に落ち込むことはないにしても、ならして見るとじりじりと右肩下がりの展開になるだろうと、私は見ております。そうなれば、韓国経済も徐々に厳しい状況に追い込まれていくでしょう。おそらく、この流れは止められません。

  ←応援クリックお願いします!

keizaiwoyomu at 14:16|この記事のURL
レポート配信履歴
1/15・1/31

2/12・2/26

3/14・3/25

3/30・4/11

※レポートが届いていない場合、ゴミ箱または迷惑メールBOXをご確認ください。