本日は、神奈川県逗子市の小笠原学園で
「朗読入門」「声の演技術」の2講座を開講しました。
前半の「朗読入門」講座の際、
扱っていた教材に、昔の縁日の話が出てきたため、
しばらく横道にそれて、
“昔の縁日にあって、今はあまり見ないもの”
といった話で盛り上がりました。

その際に出てきたのが “のぞきからくり” です。
皆さんはご覧になったことありますか?

大きな箱の横面に穴が開いていて、
そこから覗くと、一定の時間、
中でパノラマ写真や絵図が
展開するといった類の見世物大道芸です。
詳しくは下記のサイトをご覧になってみてください。

日本文化いろは辞典「覗きからくり」より

こういった、物珍しい、驚愕する見世物というものが
それこそ年に一度の縁日の際に、
自分たちの町や村にやってきたわけです。

子どもたちは、親からもらった小遣い銭を握りしめ、
夕やみ迫る道を、縁日の会場めがけて駆けていったものです。

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子どもたちにとって、そんな“たまにしかない機会”を
精一杯楽しみ、心の中に思い出として仕舞い込みました。

現代社会は、そういった刺激的な機会が、
ありとあらゆるところに、まさに散在しています。
使うも使わないも、本人の自由。
たとえその瞬間に使えなくても、すぐに手に入る。
あるいは使っていても、つまらなくなったらすぐ捨てられる。
それが、良い悪いという判断基準の話ではなく、
物事に対する価値の置き方や、扱い方が
昔とは全く変わってしまったのかもしれない・・・・・・

そんな話を皆さんとしていました。

これからは、どんな世の中が展開していくのでしょうか?
現在のこういった状況すら、
「昔はこうだった・・・」というような過去形になっていくのでしょうか?

環境は変わってもいいです。
でも、人の心の奥底にある“何か”は、
変わってほしくないなぁ、と感じました。