本家 梅乃家【閉店】最寄り駅:西武球場前
採点:★★★★☆
埼玉県所沢市上山口137-1
当ブログのTOPフォトにもなっている梅の家。
千葉は内房の港町、竹岡で培われた、乾麺の煮汁でチャーシュータレを割っただけのラーメンだが、シチュエーションも手伝って、乾麺なのに、お湯割りなのに、竹岡式ラーメンといいうブランドにまで上り詰めた、唯一無二の味わい深いものになっている。
千葉でも都市部には一部進出してきてはいるものの、まだまだローカルな料理。それがなんと西武ドーム側で味わえるというのだから、こりゃまたビックリ。自分の日常行動半径を通り越して真反対にいってしまったかのよう。
野球観戦のときにと決めていたら、今年からセパ交流戦。ナイスタイミングとばかりに馳せ参じたが、いやはや、球場を一歩道路へ出ると、こんなにも地方の観光地と化しているとは思わなかった。
まるで正式の西武ドームの駐車場とでもいわんばかりに、一日駐車700円という看板を掲げ、ライオンズの旗をパタパタ振って、半ば強引な呼び込みに余念のない、近所の定食屋のおじちゃんおばちゃん。海水浴場にでもきたかの光景。
そんな道路をテクテクと600mほど進んだ先に見えてきたのは、山田うどんとかすき家など大型チェーンのような派手な、しかもしっかりとしたつくりの看板。しっかと「本家梅の家」と読めた。
店内はテーブル席ばかりで広く取られた、山田うどんライクなレイアウト。居抜きかな?
試合開始1時間前に訪れたので、時間的に先客なし。こういう大きな店で、しかもテーブルで一人というのはどうも落ち着かない。
メニューを見ると、目当てのラーメンがなんと390円!?
だが、事前に確認したはずの竹岡式必須の薬味玉ねぎトッピングの表示がない。慌てて見過ごし、注文した後に気づくというパターンが多い自分。落ち着けと言い聞かせてメニューをひっくり返すと、濃い目薄めに応じるという旨と一緒に、トッピングについて書かれていた。
なんとか玉ねぎ載せ+30円も同時注文でき、埼玉のラーメン特集の東京ウォーカーなんぞを読んでいると、来ました!

コレコレ。真っ黒なスープに厚切りチャーシュー、そして玉ねぎドカッ!
デフォでも玉ねぎは入っているらしく、スープに浸っているものと、丼のセンタートップに盛られたものの両方が伺える。
浸っている玉ねぎは熱が伝わっているからか甘みが増しているが、載っている方はシャリッとした食感がはっきりと出ていて、苦味がまず襲ってくる。しかし突き刺さるような苦味ではなく、この相当な量ならもっと苦くてもいいくらいの適度な苦味。果肉のようにプチッと汁が出てくる。
チャーシューは竹岡の店よりも薄めで小ぶりながら、味がしっかりと染みていて柔らかい。竹岡の店は回転が激しいため、味が染みて柔らかくなる前に捌けてしまうような印象を受けた。
なんといっても特出すべきはスープで、ダシからとったかのような、ふくよかな甘みのあるマイルドな味わい。見た目が黒いのに大分甘い。ちょっと苦手な向きもあるかもしれないが、一部のつけ麺のような砂糖の入ったものとは同方向性ながら、別種の甘さ。
しかし個人的に残念だったのは麺。乾麺ではなく生麺を使っているのだが、麺線が細く黄色く縮れ、まるで学食のラーメンのような代物。噛締めていると独特の粉っぽい食感がなくもないが、他の素材がインパクトあるだけに、麺が埋没してしまっているような気がしてならなかった。
どうしても気になったので、気を悪くされるかもしれないことを承知で、他に客もいないことだし、会計時に店の女性の方に聞いてみた。
すると、竹岡での経験者で、突っ込んだ質問をしたからか、堰を切ったように今の味へ至る経緯を事細かに話してくれた。
竹岡とは違う独自の味、そしてこの土地でやっていくための味を模索すべく、開店前に試食会を開いたところ、やはり乾麺ではインスタントラーメンっぽくなってしまうので、生麺の方に人気が集中したそうだ。当初はどうしようか相当悩まれたという。乾麺自体、竹岡は漁師町という特性上、さっと食べに来る漁師のためにとった手段であって、それぞれの土地にあった味や作り方を模索しなければならないということらしい。
タレを割るのも乾麺なら麺の茹で汁でも問題ないが、生麺となると粉が落ちるのでどうしても茹で汁が濁ってまずくなる。よって、チャーシューの煮汁だけで割っているとのこと。
でこの店の一番の特徴は玉ねぎだという。この店の味のコアといってもいいようなものだそうで、北海道の契約農家から取り寄せており、果肉のような部分がしっかりとあって、噛むと汁が出て、甘みがあるものを探して色々試した末、そこの農園のものに決まったという。この玉ねぎのトッピングの値段は30円だが(竹岡に合わせているのだろう)、原価を考えると損をしているという。
今後、支店展開を視野に入れているが、この玉ねぎに関しては支店では先ず扱えないそうだ。理由はおっしゃられなかったが、生産数が少ないというよりも、支店ごとの、その店独自の味を模索して欲しいといたニュアンスが伝わってきた。
個人的には麺は生麺を使うなら、他の素材に負けない個性的な麺が必要だと思った。やはりボソボソの粉っぽさの伝わる太麺、できれば自家製麺で食べたいと思わせるだけのラーメンだった。
ともあれ、この値段で提供しているというのが恐れ入る。支店云々はともかく、この店としての独自路線を、これからも突っ走ってほしい。
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私と一日違いで行かれたようですね。
たしかに麺はチャーシューや玉ねぎなどに較べて個性に乏しかったです。私は富津の店は未経験なので、乾麺のほうも一度食べてみたいです。
ところであの店員のおばちゃん、なかなか話が終わらなくなかったですか?(^^;)
あと、途中の道の臨時駐車場は、昔のナゴヤ球場近辺を思い出しました。