このブログで何度も出てきている土佐っ子ラーメンの流れを汲む店。本家土佐っ子は既にこの世から消滅しており、そこから派生した店が開いては閉じてを繰り返している。食べられなくなると聞くと無性に食べたくなるもので、確かにソウルフードではあったが、自分でもそこまで好きだったかなぁと疑ってしまうほど、単なる追っかけと化している。
というわけで、亡き土佐っ子の跡地に花開き、今年に入って終末を迎えた下頭橋ラーメンが、居を移し再出発!

下頭橋外観下頭橋ラーメン
最寄駅:ときわ台
料理:豚骨ラーメン
採点:★★★★★
一人当たりの支払額(税込み):1,000円以下
用途:夕食



土佐っ子〜下頭橋と、環七を背に豪快な背脂ラーメンを流れ作業的に喰らうというスタイルだったが、移転した下頭橋は閑静な住宅街を抜けた先にあった。まるで違うロケーションに驚きを隠せなかったが、店内もL字カウンター7席ほどのこじんまりとしたもので、真新しい店舗は実に小奇麗。あの油ぎったタイル壁と向かい合っていた空間が嘘のようだ。ここであの背脂ラーメンが出てくるのかという疑念さえ生まれてくる。
そんな不安を抱えながら出来上がりを待っていると、旧店舗でもみかけた下頭橋ラーメンの由来の掲示があった。土佐っ子創業時は屋台で、その出店場所が下頭橋の袂だったという内容だが、以前は下頭橋に「げどばし」と振り仮名がふられていたように記憶していたが、今目の前には「げとうばし」とふられている。
なんだか妙な感覚に捉われてしまったが、出てきたものをみれば杞憂は霧散する。
ラーメン麺硬め¥650!
ラーメン@下頭橋
ややスープが多いような気がしなくもないが、背脂のかけられっぷりといい見た目は相当に土佐っ子している。一口啜ってみると・・・おおっ、これはこれは!
ラーメンかき混ぜ@下頭橋この土佐っ子タイプは兎に角かき混ぜるのだ。エイッ!とグチャグチャにすると気分は10年前にタイムスリップ! なんというか、スープがどうとか麺がどうとかじゃなくて、一緒くたに口に含んだ瞬間、なんともいえない妙な焦げ臭の様な味わいが広がる。
そうだ、暫く忘れていた、なんだか焦げっぽいような臭いと味わい。土佐っ子のDNAを継承しているのが、オープン暫く後までの平太周〜現在の一秀と味をつくってきた平山さんだと思うが、平山さんのつくる土佐っ子が、ボッソリと粉の味わいの強い麺と背脂の甘みが存分に生かされた進化系なら、現在の下頭橋はなんで旨いのかわからないけどハマる後期土佐っ子(なすびといってわかる人がいるかな?)の直感的な味わいを忠実に再現している気がしてならない。
噂によると、旧下頭橋が閉店前、土佐っ子の味とは離れてしまった現状を打開すべく、ある土佐っ子OBからスープ再生のレクチャーを受けたそうだが、そのスープが土佐っ子ファンの間で評判だったことを考えると、現下頭橋の味がなぜここまで再現度が高いのか合点がいく。
とはいえ、麺はやっぱり別物だと思う。同じつるや製麺製ながら、現下頭橋は線が細く、ヘタレてしまう。そう聞いていたので硬めにしてみたが、このスープに合ってはいるものの、やはり若干の物足りなさは払拭できない。
ただ、一つ進化しているのはチャーシュー。醤油ダレがしみこみまくったタイプではなく、柔らかく角煮的な食感さえ感じられるものになっている。

いまの年齢の自分には堪える味ながら、久々の味わいに完食してしまった。個人的な好みでいえば、背脂の甘みで完食もさして苦でない一秀の方が、背脂やとんこつ以外を食べるようになった身にもしっくりくるのは確かだ。その意味で現下頭橋のチャーシュー以外のパーツのオールドタイプぶりは土佐っ子を知らぬものにはツライかもしれないが、未だ頑なにこういう味わいを守る店があってもいいと思うのだ。この店には是非これからもこの土佐っ子味をキープしていただきたいと切に願う。
ともあれ、旨かったッス!ごちそうさん!

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