【過去記事】千住ぼった列伝vol.1「ニューマリモ」

ニューマリモの斜向かい、目と鼻の先にプチアキがある。ニューとかプチとか付く店が千住には多い気がする。別にマリモもアキも存在しないのだが。それはともかく、このプチアキ、5年ぶりの訪問となる。その時は駄菓子屋で食べるもんじゃがまだ実在するという情報が入りやってきたわけだが、80年代な喫茶店のような外観ながら実際に駄菓子屋として営業しており、子供はリアルに駄菓子を買いにくるし、ぼったはヤンキーが焼いていると、よく見知った光景が未だそこにはリアルな時を刻んでいた。しかし5年の時を経て、店内はさらに物凄いことになっていた。

プチアキ
★★★★★★★★★★ ディープ杉
所在地:足立区千住柳町4-4
※穴場であって欲しいため、livedoorグルメと食べログには登録しません

プチアキ駄菓子部内以前はごちゃごちゃとしつつも駄菓子がそれなりに陳列されていたが、今は私物だか土産物だかわからない小物や謎のビニール袋の山がカウンター周りに散乱し、駄菓子の周りもなんだかキタナイ。いや、衛生面での摘発をしているのではない。そういうデキチャッタ店として、いよいよもってアチラの世界に突入してきたと驚愕しているわけだ。多くの人にとっては単なるキタナイ店かもしれないが、ここは明らかに異界である。
プチアキぼった部内奥のぼったルーム(店内表記は「もんじゃ」だが以降敢えて「ぼった」としておく)は更に状況が深化していた。なんだか全体に黒ずんでいる。鉄板に付くと背後がトイレだったのだが、仕切りのアコーディオンカーテンは壊れて半開きになっている。恐ろしくて中は覗けなかった。
ぼったを注文すると、キョーレツマダムなオバチャン(5年前と比べ確実に老けており以前はマダムといった風情だったが独特のオーラを放つオバアになっていた)は奥に引っ込み調理を始める。すると近所の女の子が駄菓子を買いに来た。まだ駄菓子買いに来る子供いるんだと感心したが、急に慌しくなってオバチャンはテンパってきて子供に「いま忙しいから自分で計算して!」と逆ギレ。

で、やってきましたもんじゃ¥300!
ぼった丼@プチアキ
丼の中にはブツギリのキャベツに、スーパーで売ってる蒸し焼きそばの一部がそのまま挿入されている。それにベーコンまであって、ガキのオヤツとしては贅沢極まりない。これで300円とは商売する気がないとしか思えない。これにプラスして、お約束のコールを「オバチャン、ラメック3つ!」である。
ラメック@プチアキ
ベビースターのポソポソ素っ気ない版ともいうべき駄菓子だが、現在ラメックは製造しておらず変わりにラーメン屋さん太郎となるのだが、こういう店では万事ラメックで通るのだ。コイツを3つほど丼に投入し、こぼれるのも構わず混ぜる!
ぼった@プチアキ
そしてそいつを鉄板に少量ずつぶちまけるのだが、鉄板がまだ温まり切らなかったようで、汁がパキっと焦げず、茶色いドロドロがグズグズと沸き立つのみとなった。それにどうも鉄板下のガス管の穴が目詰まりしてる箇所があるようで、焼けるところにムラがある。メンテを求める方が悪いのだが、鉄板に汁がへばり付き、キタナくなってしまった。自分としたことがあるまじき行為。油でこそぎ落とそうとしたら、ぼったが油っこくなってしまった。
ぼったいい感じ@プチアキ
そのせいでこの店の正確な味を堪能できないのだが、そこを差っぴいてもソースの味がイマイチボケてる気がした。でもこのロケーションで食べているのと、ベーコンの脂の旨み、ラメックのジャンキーさが相まって、独特のぼった味が醸成される。自分の知っているぼったの味はこのスタイルでこそ完成されるものであって、名こそなんと名乗っても、駄菓子屋の脇で鉄板をダラダラとつついて味わうラメック入りのジャンキー感こそぼったなのだ。これはもう快楽である。

最後の方はよく焼ける場所を発見しせんべえの形状をなんとか作ることが出来た。
せんべえ@プチアキ
やっぱうめぇ〜 せんべえにはラメックがないことには完成しないと改めて身にしみたのを確認し、店を後にした。

この結界の様な店に入店し味わうのは相当の勇気とスキルを要するとは思うが、ぼったのなんたるかを今リアルタイムに体感するなら他にはない。それだけは断言できる。既に文化遺産級である。風前の灯の文化はそう長くはないかもしれない。

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