陳建一麻婆豆腐店のエントリー【過去記事】でコメントに上ったが、深川ギャザリアとくれば、光と影、その影の部分を取り上げずにはいられない。勝手に影扱いすんな!とドヤされるかもしれないが、まぁ世間的にはそーゆー扱いになってしまうのは、これ、致し方ない。でも自分的にはこっちが光。っつーわけで、河本!
河本
★★★★★★★★★★ ×∞
所在地:江東区木場1-3-3
営業時間等データ詳細はlivedoorグルメへ
この界隈は何度か来ているが、これまで全く気づかなかった。橋の袂にポツンとあると聞いていたが、橋上からは入口が見えず、通り過ぎて振り向かないとこれは気づかないわ。にしても暖簾に河本と屋号があるものの、知らなければなんなのか全然わからない。

暖簾を潜るとかなりハードな光景。薄暗い空間に変則コの字カウンター。壁面には観光地の提灯がビッシリ。なんだか地方の温泉地の飲み屋に紛れ込んだ心地。外でなく店内のほぼ中央にホッピーのデカい提灯が。ここはホッピーが生まれた当初からホッピーを出し続けている店として知られ、今でもホッピーの社長が来るとか来ないとか。
店内入って左手の奥が開いていたのでそちらへ(後に知るのだが右手は常連席なのだそうだ。アブネェ〜って常連ってことはいつでも席が埋まってるんだから座りようがないのだが…)。店内の至るところにタンボール箱やらなにやらが積まれ、丁度席の真後ろにプラッチックの容器に敷き詰められた砂が。ああ、これが噂のネコちゃんの…だな。香りもそうだが、かなり千住のなにわ【過去記事】を髣髴とさせるハードさがある。
独特の雰囲気に慣れずにいたが、とりあえずホッピー!・・・ってホッピーいくら? 提灯があるし周りも飲んでるから頼んだけど、品書きのどこにもないし。こっちの心配をよそに、ますみさん(店の女将さん。御年80オーバーだろうか)恐ろしいほど手際よくジョッキに焼酎を注ぎ、ホッピーとセパレートで持ってきてくれた。

斜めってどこにも真っ直ぐな箇所のない、かつて白木と呼ぶに相応しかったろうカウンターに置くと様になる。歳月を重ね黒光りするこのカウンターがなんともいえずイイ!すごくイイ! ホッピーは正式に一気に逆さまにして注ぐと泡がギリギリに膨れたところで止まる。飲むとこれが単なるホッピーのはずが不思議と旨さがしみる。ロケーションのマジックもあるだろうが、焼酎が濃く感じる。
で、つまみはここはなんといっても煮込み!というのも、所謂ここで料理的というか仕込まれたものは煮込みなのだ。んがしかし、閉店まで1時間以上はあるというのに売切れ。ガビーン。ここで煮込み食えなきゃどーすんのよ!? 後は・・・もろきゅう・やっこ・とまと・カッパちくわ・しおから・・・って完全につまみ。

ここは飲むための店なのだ。食いもんは飽くまでツマミ。酒のアテ以上ではないのだ。なんとも潔い。
となれば、かけじょうゆ¥400を。

奥の隠れたところに厨房があるようで、そっからオッサンに手渡されますみさんが持ってきた。まぐろの刺身。これだけ。でもいいの。チビチビやるためのもんだから。あぁ、しみるわ〜
レモンハイもあるとのことなので、頼んでみた。こちらも所謂ハイサワーだが、なんだか焼酎きいとるなぁ〜
もうなにを頼もうって感じだが、山くらげってのが気になったので頼んでみた。
ユリ科の山菜「ぎぼうし」(擬宝珠)の葉柄をゆでて干したものだそうで、中国では「サンジャ菜」というそうだ。山かんぴょうともいうそうで、柔らかい食感ながらコリコリとしている。かんぴょうの柔らかさにクラゲのコリコリ感といったところか。ピリカラの味付けでこれは後を引く感じでうまいうまい。
ともかくも煮込みがなかったのが悔やまれるが、この店の一番のウリは他ならぬますみさんなのだから、なにも文句もあるまい。その年齢を感じさせない立ち居振る舞いを見ながらチビチビやるのが最高の肴なのだ。常連にも付かず離れずの絶妙の間。ちょっとやそっと、いや10年20年でも及びはしないだろう。客も客でわかったもので、ホッピーの空き瓶の満タンになったケースをますみさんが持ち上げようとすると、見兼ねて数名が飛び出してきて代わりに移動をする。ここではこれが日常なんだろうなぁ。
帰り間際、とあるオッサン客とますみさんを交えてちょっとだけ話をしたのだが、そのオッサン曰く、今日びの人は全部求めるでしょ?というのだ。最初はなんのことかわからなかったが、つまり、この店は生ビールも旨いつまみもないと。煮込みも終われば終わり。威勢のいい接客サービスもない。狭くて汚いと。その在るがままを楽しむ。生ビールが飲みたければ生ビールを出す店に行けばいい。居酒屋なんだからと何でも求めるのはお門違いだということのようだ。TVなんか出るとそーゆー客が増えて荒れるんじゃないかとオッサン、ますみさんに振ると、女の子で4人も5人もいっぺんに来てね…でもあたしゃ断るよ!カウンターになんて座らせないよ!と来たもんだ。カッコイイ。かっこよすぎだぜますみさん!
なんかねぇ、泣けてきましたわ。この店は16時頃開いて19時半頃にはラストオーダーな雰囲気になるのだけど、それってのはこの辺りは工場街で、労働者が16時で跳ねてこうした飲み屋に繰り出すのだそうだ。朝が早いから遅くても20時には引けると。店を出た瞬間、目の前には工場ではなくその跡地と思われる深川ギャザリアが聳え立ち、そこにはそんなことを知りえようもない会社員や買い物の主婦で賑わっていた。ふと背中に重い風を感じた気がした。
ここで世辞を言っても始まらないからいうが、決してあと20年30年と続く店ではないだろう。誰かが跡を継ぐ店でもない。いつの間にかなくなって、ここにそんな店があったことも忘れられる日がそう遠くない未来にやってくる。だからこの日、ここに来れて本当によかったと心底思えた。これるウチに、今度こそ煮込みを食べに早めに足を向けるとしよう。
というわけで、いやはや、参りました。ごちそうさまでした〜
←クリック戴けると狂喜します
河本★★★★★★★★★★ ×∞
所在地:江東区木場1-3-3
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この界隈は何度か来ているが、これまで全く気づかなかった。橋の袂にポツンとあると聞いていたが、橋上からは入口が見えず、通り過ぎて振り向かないとこれは気づかないわ。にしても暖簾に河本と屋号があるものの、知らなければなんなのか全然わからない。

暖簾を潜るとかなりハードな光景。薄暗い空間に変則コの字カウンター。壁面には観光地の提灯がビッシリ。なんだか地方の温泉地の飲み屋に紛れ込んだ心地。外でなく店内のほぼ中央にホッピーのデカい提灯が。ここはホッピーが生まれた当初からホッピーを出し続けている店として知られ、今でもホッピーの社長が来るとか来ないとか。
店内入って左手の奥が開いていたのでそちらへ(後に知るのだが右手は常連席なのだそうだ。アブネェ〜って常連ってことはいつでも席が埋まってるんだから座りようがないのだが…)。店内の至るところにタンボール箱やらなにやらが積まれ、丁度席の真後ろにプラッチックの容器に敷き詰められた砂が。ああ、これが噂のネコちゃんの…だな。香りもそうだが、かなり千住のなにわ【過去記事】を髣髴とさせるハードさがある。
独特の雰囲気に慣れずにいたが、とりあえずホッピー!・・・ってホッピーいくら? 提灯があるし周りも飲んでるから頼んだけど、品書きのどこにもないし。こっちの心配をよそに、ますみさん(店の女将さん。御年80オーバーだろうか)恐ろしいほど手際よくジョッキに焼酎を注ぎ、ホッピーとセパレートで持ってきてくれた。

斜めってどこにも真っ直ぐな箇所のない、かつて白木と呼ぶに相応しかったろうカウンターに置くと様になる。歳月を重ね黒光りするこのカウンターがなんともいえずイイ!すごくイイ! ホッピーは正式に一気に逆さまにして注ぐと泡がギリギリに膨れたところで止まる。飲むとこれが単なるホッピーのはずが不思議と旨さがしみる。ロケーションのマジックもあるだろうが、焼酎が濃く感じる。
で、つまみはここはなんといっても煮込み!というのも、所謂ここで料理的というか仕込まれたものは煮込みなのだ。んがしかし、閉店まで1時間以上はあるというのに売切れ。ガビーン。ここで煮込み食えなきゃどーすんのよ!? 後は・・・もろきゅう・やっこ・とまと・カッパちくわ・しおから・・・って完全につまみ。

ここは飲むための店なのだ。食いもんは飽くまでツマミ。酒のアテ以上ではないのだ。なんとも潔い。
となれば、かけじょうゆ¥400を。

奥の隠れたところに厨房があるようで、そっからオッサンに手渡されますみさんが持ってきた。まぐろの刺身。これだけ。でもいいの。チビチビやるためのもんだから。あぁ、しみるわ〜
レモンハイもあるとのことなので、頼んでみた。こちらも所謂ハイサワーだが、なんだか焼酎きいとるなぁ〜もうなにを頼もうって感じだが、山くらげってのが気になったので頼んでみた。
ユリ科の山菜「ぎぼうし」(擬宝珠)の葉柄をゆでて干したものだそうで、中国では「サンジャ菜」というそうだ。山かんぴょうともいうそうで、柔らかい食感ながらコリコリとしている。かんぴょうの柔らかさにクラゲのコリコリ感といったところか。ピリカラの味付けでこれは後を引く感じでうまいうまい。ともかくも煮込みがなかったのが悔やまれるが、この店の一番のウリは他ならぬますみさんなのだから、なにも文句もあるまい。その年齢を感じさせない立ち居振る舞いを見ながらチビチビやるのが最高の肴なのだ。常連にも付かず離れずの絶妙の間。ちょっとやそっと、いや10年20年でも及びはしないだろう。客も客でわかったもので、ホッピーの空き瓶の満タンになったケースをますみさんが持ち上げようとすると、見兼ねて数名が飛び出してきて代わりに移動をする。ここではこれが日常なんだろうなぁ。
帰り間際、とあるオッサン客とますみさんを交えてちょっとだけ話をしたのだが、そのオッサン曰く、今日びの人は全部求めるでしょ?というのだ。最初はなんのことかわからなかったが、つまり、この店は生ビールも旨いつまみもないと。煮込みも終われば終わり。威勢のいい接客サービスもない。狭くて汚いと。その在るがままを楽しむ。生ビールが飲みたければ生ビールを出す店に行けばいい。居酒屋なんだからと何でも求めるのはお門違いだということのようだ。TVなんか出るとそーゆー客が増えて荒れるんじゃないかとオッサン、ますみさんに振ると、女の子で4人も5人もいっぺんに来てね…でもあたしゃ断るよ!カウンターになんて座らせないよ!と来たもんだ。カッコイイ。かっこよすぎだぜますみさん!
なんかねぇ、泣けてきましたわ。この店は16時頃開いて19時半頃にはラストオーダーな雰囲気になるのだけど、それってのはこの辺りは工場街で、労働者が16時で跳ねてこうした飲み屋に繰り出すのだそうだ。朝が早いから遅くても20時には引けると。店を出た瞬間、目の前には工場ではなくその跡地と思われる深川ギャザリアが聳え立ち、そこにはそんなことを知りえようもない会社員や買い物の主婦で賑わっていた。ふと背中に重い風を感じた気がした。
ここで世辞を言っても始まらないからいうが、決してあと20年30年と続く店ではないだろう。誰かが跡を継ぐ店でもない。いつの間にかなくなって、ここにそんな店があったことも忘れられる日がそう遠くない未来にやってくる。だからこの日、ここに来れて本当によかったと心底思えた。これるウチに、今度こそ煮込みを食べに早めに足を向けるとしよう。
というわけで、いやはや、参りました。ごちそうさまでした〜
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実はすぐ近くに勤務していながら、いまだに場所をしらないと言う。
煮込みが無かったのは残念でしたね。