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最寄り駅は、毎度おなじみ最強B食タウン蕨なのだが、だいぶ離れている。川口市はその殆どが平地で、起伏がなく移動が楽な分、地形的な散策の妙に欠く。しかし最南端を流れる荒川から結構な数の水路が枝分かれし、水路沿いに何とか地歴的なものが見いだせなくもない。
んで、緑川っつーのが市のほぼ中央を縦断しているのだが、つまらない川辺の風景ながら、春になると桜並木へと変貌を遂げるので、この時期になるとフラッと寄り道にきたりする。
ある時、川沿いにアドバルーンのような円形のビニール庇がエラく目に付く中華屋を発見した。これは花見の時期に目掛けようと先日、突撃したというわけ。
中華料理 寿
★★★★☆ 4.5
所在地:埼玉県川口市前川4-8-1
11:00〜14:30位 17:00〜21:00
どう? 出前のカブが止まっているが、かなりデキそうな佇まいでしょ。
入口脇の達筆気味の崩した字体の品書きを見ると、おおっ、ソースカツ丼なんて文字が!(日焼けてるのと飛んえるので読みにくくて申し訳ない) 勘はかなり当たりそうだ。
入店すると、角地という立地に倣って、テーブル席もカウンターもL字に並べられている。残念ながら後にも先にも客は自分一人だったが、この町で数十年やっている、白を基調とした小奇麗な中華屋といった空気感がなんとも居心地をよくしている。
昼ピークを少し過ぎたからか、お父さんとお母さん二人だけの様子。店内中央よりにある、漫画雑誌がツッコまれた棚の上に無造作に置かれたスポーツ紙を手に取り、半円形の大きなシャレた窓から差し込む西日にまどろみつつ、プロ野球の昨日の試合結果を眺める。厨房から聞こえてくる、小気味いい炒め音が気持ちいい。チャーハンを頼む最大のお楽しみタイムはこの瞬間かもしれない。
で、やってきました、チャーハン¥500!って安っ!!これ一杯で帰ったら罰が当たると思いつつ、夕方の予定の都合で泣く泣く単品普通盛り。
卓上のセットメニューの文字が何度も誘惑していたが、今度絶対食べると誓うのだった。
で、このチャーハンがもう当たりっていうのを越えていた。
見た目の通り、いかにもふっくらしっとりと水気を湛えていそうなチャーハンだが、それだけではない。なんと、一粒一粒パラパラと独立しているのだ。こう書くとただのパラパラチャーハンと思われるかもしれないが、特に町の中華屋では、多くがシットリ系の中にあって、稀にパラパラに当たると、単に油が多いか、水気もなにもない、パサパサチャーハンであることが殆どだ。このブログでも、周富徳ブームを起源とすると思われるパラパラチャーハン神話の罪深さを何かにつけ述べてきた。しかし某兄に指摘されたように、本来の周富徳のチャーハンは、パラパラしてはいるものの、ふっくらとしたしっとり感も湛えた、決してパサパサカチカチなものではないという。食べてないので比較の仕様がないが、であるならば、今目の前にあるこれは、間違いなく、本当のパラパラチャーハンだ。米が潰れてたり、水気がなくカチカチにもなっていない。ふっくらとして米の甘みさえ感じ、かといって油も非常に控えめ。パラパラしすぎてレンゲからこぼれ落ちて食いづらいこともない。
味付け自体は薄っすらと醤油の味がついている程度。実にさっぱりしている。
もう文句のつけようがないと言いたいところだが、食べ手というのはワガママなもので、街の中華屋のチャーハンにしてはガッツリ感が欲しくなってしまうのだ。油が少ない分、ボリュームじゃない部分での物足りなさがある。上品すぎてしまうのだ。別に高級感溢れるわけでもない、具もなにも全く下駄履きの味ではあるし、十分すぎるほど美味しいのだが、味的な訴求力に欠く。
あぁ、なんてあたしゃ、これほどのチャーハンに出会って贅沢ぶっこいてんだろうか。思うに、他の料理、まぁ半チャンラーメンでもいいのだが、寧ろもっとガツン度の高い、生姜焼きとかスタミナ焼きの類か、とんかつ、ホイコーローなんかと合わせると丁度いいかもしれない。アブラ×アブラになってしまうが、それでもいいくらいの油加減のチャーハンだから。
帰りしな、腰の低いお母さんに見送られて店を後にするのに、なんとなく後ろめたさを覚えた。今度は思いっきりお腹減らしてきて、ソースカツ丼にチャーハンとかやっちゃおうかなぁ。本当は人と来るのがいいのだけど、ここまでお伴してくれる人なんていないだろうから。
ともあれ、自分史上に名を残す、忘れられない一杯となったことは確か。う〜ん、しみじみウマイ! ご馳走様でした。
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コメント
コメント一覧 (6)
炒飯は炒めスキルが上がれば上がるほど、出来あがった炒飯は下品なパンチ力が無くなってしまうんです。
富徳マンセーではありませんが、上品さを保ちつつも、パンチ力を持たせるために「鮭」を入れたというのは、流石のアイデアと思ってます。
私も一通り、これは、という炒飯は食べましたので、ここら辺の問題を掘り下げようと思っています。
胸焼けするくらいで構いません。
でも、たまに完成度が高いのにであうと、
技術の高さに感動するのは確か。
「下駄履き」感ありの店では、
聖マリアンナ病院の施設内にある中華屋のチャーハンは、パラパラ系としてはかなりな高レベルです。
それにしても「パラパラ神話」とか
「醤油幻想」とか、
言語感覚にものすごくシンパシーを感じます。
ボクは「塩幻想」「新鮮至上主義」などをテーマにしてますw
やはり本来のパラパラチャーハンはああも上品になってしまうものだったのですね!
それにしても鮭ですか。それこそショボイ鮭フレークチャーハンにしか当たったことがないので、イメージが湧かないッス(T_T)
いつかどこかで見かけたら挑戦してみます。
兄貴の炒飯に関する考察、ぜひ拝聴したいものです(^^)
シンパシー覚えて下さり、とてもウレシイです!
あの言語感覚は・・・聖闘士星矢っぽくなっちゃいましたね。そんな好きって程ではないですが、いうても世代なので(^^ゞ
「塩幻想」はまさに僕ですねw 無化調原理主義に似た、一種、美味しんぼ世代の強迫観念だと認識しています。
それと、日本酒の辛口至上主義ですよね(^^)v
聖マリアンナ病院の施設内にある中華屋のチャーハン、機会つくって是非食べてみようと思います。情報ありがとうございます!
私信:
あと1〜2ヶ月で年始から続いたバタバタが収まりそうですので、落ち着きましたら改めてご連絡いたしますm(_ _)m
チャーハンの記事にひっぱられました。
12月の記事の「つくばや@足立荒川土手〜フツーが至高の炒飯!」と比べて、どんな感じでしたか?
チャーハン大好きな私としては、興味深いです。
チャーハン好きな方からのコメント、とてもウレシイです!!
拙ブログの過去のチャーハン記事までチェック下さり、誠に恐縮です。
つくばやさんのは、いわゆる中華屋さんのしっとりチャーハンの典型でして、技術的にもズバ抜けてどうというシロモノではないですが、安心して食べられる感じですね。味付けもたぶん塩ベースでノーマルです。
その点、こちら寿さんのは技術的には突出していると思います。味自体は大人しめながらまぁ中華屋の味なんですが、出来としてはちょっと大衆中華の枠を超えてますね。
ついでに、大衆的なしっとりチャーハンで、ガツン度を残したままの出来でいいますと、蕨の池田家が個人的にはダントツだと思っています。スグ近くの北海と双璧ですね。
赤羽の吾作は、なんて事ない定番のチャーハンをなんでもないままレベルUPさせた好例ではないでしょうか。
以上、ブログにUPした中から、この1〜2年で食べて記憶に残るチャーハンを勝手にまとめてみました(^_^;) 参考になれば幸いです。