、「マツコの知らない板橋チャーハンの世界」の企画のベースになった拙ミニコミ同人誌、14年冬号『街道deチャーハンを食う』ですが、手持ち在庫他、殆どの委託先で売切になっていたこともあり、この度Kindleで電子書籍化しました。というわけで、今回もこれに絡めてしっとりチャーハンUPしときますか。
街道deチャーハンを食う [デウスエクスマキな食堂14年冬号]
¥300+税ですが、30日間Unlimitedで無料でDLできます。
昨年のこと。
いつもオフは金曜なのだが、連休の都合でたまたま金曜以外の日に休みが取れたので、普段はいけない金曜定休の店に行くべと、小雨振るなか所用で訪れた生まれ故郷の西川口で前々からマークしていた町中華へ。
東口のロータリーから少し歩くと、学生時代お世話になったゲーセンのコスモ(その後、遊'sになって現在空き店舗)手前、小体の黄色い看板が見えてきた。
大陸【食べログ】
★★★★★ 5.0
所在地:埼玉県川口市並木3-9-10
参照:川口商工会議所HP
近年外壁でも改装して張り替えたのだろうか、黄色い庇部分は真新しく映るが、中に入ると正しく古くからの小さな中華屋さん。想像以上に小さく、カウンターのみ(確か)で大人5人も入れば汲々な程。
客席側にオバアちゃんがいて、一瞬客かと思ったが、自分を見るだにいらっしゃいませと声をかけてくださり、厨房へと入っていった。
この店、かなり特殊な構造のようで、オバアちゃんが何処から厨房に入っていったのか、最初はそこまで注意してなかったのでよく分からなかったが、後からも一旦外に出て客と同じように入口から入ってきたり、奥も更に厨房なのか、バックヤードなのかあるようで、そっちにいったり、視界から消えた所で調理されたりと、イリュージョンを見せられているかのよう。
この時は他に客がいなかったが、客席側には大量のコミックや雑誌類がパンパンに棚に詰め込まれている様からも、殆どの地元客はオバアちゃんの行動など気にせず、ダラリとこの空間を満喫しているのだろう。
自分はと言えば、オバアちゃん以外にも卓上のラー油に目が行ったりと、初めてというのもあって、このワンダーランドの至る所が気になって仕方ない。
ラー油が背の低いデップリとしたビンに入ってるとテンションが上ってしまうのだ。大抵このビンのやつは自家製で(あくまで経験則でホントに自家製かは確かめたわけではないので知らないが)、朱色の油の下にザラザラとしたツブツブのが堆積している。
そうこうしていると、その餃子¥400が登場!
店名に餃子と冠されているので頼んでみたが、あらら、オバアちゃん焦げちゃってるべあ!
まぁこれもご愛嬌。焦げを剥がしつつ食べると、ムニョニョ!!皮が厚めでモチモチしてますな〜。お汁ピューで気をつけながら食べ進むと、餡は野菜中心で甘めに感じられる。うん、めっちゃウマーい。
これを醤油も酢も入れず、例のラー油だけを、特にザラザラのやつを多めに乗っけて食うともうヤヴァい。
大きめで皮厚で野菜タップリの餃子って好みもあるのかもしれないが当たりが多い気がする。そして、大抵甘め。この甘さって、野菜や肉からの甘みだけじゃないと思うんだけど、なんかで味付けしてるんだろうか(読んでますかT田せんせー!?)。
ウホホと食べていると、チャーハン¥600もやってきた!
うひょ〜、白くてテカテカして、具より米比率高めの、食べる前からシットリと分かる、ザ・町中華チャハーン!!
山を崩し、湯気立ちのぼる中、ホグしながら食べると、まずもって米、米の甘みがフワ〜っと口中に広がる。味付けは大人しめの塩コショウ。これが米の自然な甘みを引き立ててるね。そして適度な油も。
具は細かいながら、玉子や長ネギの他、王道のナルトってのも嬉しいが、肉系がハム(ベーコンかも?)ってのも昭和ボーイにはソソりポイント。全体がふわっと炒まりつつも、熱い油のガツン度も下支えして、食べ慣れた間違いないチャーハンの味。それのハイエンドクラスのやつ。もうタマンネェな。
量はデカ盛りではないが十分多い。これとシッカリした餃子食ったら満腹満足一直線。これ嫌いな男子いたらその場で処刑ライダーもんですわ。
オバアちゃんが御年いくつか知らないけど、この年まで商売されてるのは、地元の人が長いこと通っているからだろう。これはね、通うよ。他所に行ったり、仕事で寄れなくなったりで足遠のいても、いつか帰ってきちゃう味。こういうのが生き残ってるのは街の宝ですよ。
というわけで、自分はこれまで全く立ち寄らなかったことを後悔しつつ、これからは機会あるごとに寄らせてもらうこととしよう。いやはや、ウメェなぁ。ごっそうさんっした。
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コメント
コメント一覧 (6)
さあて刈部さん、餃子おばちゃんとの接点をふくらませて、感動の食文化小説を書きあげて文芸賞を…とっちゃいましょうか?
よろしくお願いします。
札幌在住なのですが、30年前、西川口に住んでいました。
大陸、懐かしいです。
あの頃はおばあちゃんではなく、奥さんでしたよ。
ある夏の日に、大陸でラーメンと餃子を食べていたんですが、店内のラジオで日航機が消息を絶ったと言っていたのを覚えています。
30年前って、そんな時代です。
自分、小説は絶望的にセンスが無いんです…多分。
学生時代は文芸部にいたこともあるのですが、自分は活字が全然ダメなゲス野郎として育ってきたので、小さい頃から本を読むような優等生タイプに散々ケチョンケチョンに言われてましたから、全く自信ないです(^_^;)
読んでくれる人がいるなら幾らでも書くんですけどね。多分ヒドいもんしか出てこないでしょう。
いつもお読み頂き、ありがとうございますm(_ _)m
30年前!? 丁度自分が中学生くらいの時ですね。
西川口の並木商店街でしょっちゅう自転車は知らせてゲーセンや模型屋のハシゴしてた頃です。
お話を聞くだに、奥さんだった頃の大陸を味わってみたかったです。まぁその当時は多分この店の良さが分からなかったと思いますが(^^ゞ
軽く読めるエッセイ調のがいいわよね!刈部さんはずっと今のままの文体でいてね!
逆に言うと文才ないので、今のままの文章にしかならないのでご安心を(^_^;)