拙著『東京「裏町メシ屋」探訪記』の発売記念トークイベント、無事終了しました【イベント詳細】
会場にお越し下さった方に、Amazon購入特典PDFをプリントして簡単に冊子にしたものを全員にプレゼントさせて頂いたのですが、この特典の応募〆切が6/8と迫ってきています。
●Amazon特典PDF【特典詳細ページ】 終了
Amazonで購入してまだ応募されてない方、忘れずに早めにご連絡を!
実は、トークイベント直前に九州に仕事で行ってまして【ダメヤイベント詳細】、その時に巡ったお店の話をUPしていきたいなと。

イベント前夜に前ノリで博多空港へ。会場で器具や食材のチェックを終えた後、今回のイベント主催者に事前にお願いしていた、会場近くで夜遅くにやっている地元民が集う可能な限り濃厚な豚骨ラーメン店に連れて行ってもらった。

西鉄と地下鉄の薬院駅(天神の隣の駅)から南に伸びる大通り沿いにあり、近づくと近隣の飲み屋の後の〆に集まる酔客で行列が出来ていた。
外観
入口
八ちゃんラーメン 薬院店
★★★★★ 5.0
所在地:福岡市中央区白金1-1-27

観光客が集まる店でないのに行列ができるというのはレアケースらしい。
間口が狭く、中の様子がほぼ分からない。赤提灯だけが頼り。既に出来ていた列は10人くらいか。
最後尾に付くこと15分ほどで店の入口付近まで来た。そこはかとなく店内から豚骨臭が漂ってくる。うぉー、いつも思うがテンション上がりますな。
引き戸のサッシのガラスに張り紙がされていた。どうも同名の店舗が別の場所にあり、そことは関係ないということのようだ。しかし聞くところによると、元々は同系統だったという。一緒にされたくないみたい。どうしてラーメン屋ってのは西も東もこじれるのか。
張り紙
それはともかくようやっと入店。
店内はカウンターのみだが奥にかなり広く、黒ずんだグレーの壁や天井で覆われた空間で、かなり年季の入った煤けっぷり。赤い丸椅子をキイキイ言わせる感じがなんとも風情を感じさせる。豚骨臭もそこそこ充満しているが、思ったほどではない。まぁ自分が耐性があるからかもしれないが、フツーの人には十分クサイのかも。
こう来ると、如何にも頑固そうな強面のご主人が厨房を張ってそうな気がするが、若めの兄ちゃんスタッフが黒いTシャツを着て元気に客をさばいている。といっても無駄な威勢の良さはなく、地に足の着いた接客や厨房での仕事っぷりで交換が持てた。
促されるままにカウンター奥へ。壁のメニューを見ると基本のラーメンに大盛りや替え玉、おにぎりやおでんといった文字が見える。メニュー構成はシンプルで、品が手書きで書かれた紙もボロボロで読めない部分も多々ある。いい味出してるねぇ。

ともあれ、この中からシンプルに、ラーメンカタ¥700を。
ラーメンカタ
デフォでコショウが振られていて、だいぶ泡立ちと油の層が見受けられるとはいえ、おおっ、これはかなり見事に濁った灰色汁ですなぁ〜
ラーメンup
事前に濃いとは聞いていたが、噂に違わぬ濃さ。メシ通の拙連載でも触れたが【御天の記事】、骨がボロボロになるまで煮込んで髄が溶け込んでいるので、灰色く濁って赤茶けて見える。さらに表面に浮かんでいる白く濁って見える部分は脂で、透明っぽいところに白い固形の塊がところどころ混ざっている。これは恐らく背脂だろう。骨に付いた身や脂が溶けたり、骨以外に背脂やラードも一緒に寸胴に入れるケースもあるようで、たぶんコチラは骨に付いたものプラス背脂も煮込んでるようなコッテリ具合に感じられる。完飲するにはよっぽどのアブラーでないとキツいかもしれないが、飲んだ時のファーストインパクトとしてはかなり効いてくるんじゃないだろうか。
スープup
飲んでみると、ヌルっとした食感の後、コクのある旨みがみなぎった滑らかなスープが口中に溢れ、後味はザラッとした感じが残る。脂的な部分のプラスアルファ要素もあるが、基本は大量の骨をキッチリ煮出した旨みが濃縮していて、しかも余りタレを濃くしてないものだから、味付け自体は大人しく、純粋なスープの旨みを堪能できる。赤茶けるくらい煮出したものは博多ではもう殆ど見られず、北九州の魁龍や、豚骨発祥とされる久留米ではまだ見受けられるので、今では博多ラーメンは豚骨薄めで、北九州や久留米が濃い豚骨という認知のされ方のようだが、それは地域性というより店それぞれの問題で、自分はやっぱりこれくらい炊いたスープこそ本当の博多ラーメンであり、本物の豚骨スープだと思うのだ。

ここで、例の食べログレビュワーで問題になった某うどんメイン氏をまた引き合いに出して申し訳ない。
東京近郊で博多長浜豚骨を本気で髄が出るまで煮出してる店に行っては、博多ラーメンは白いから、この灰色かったり赤茶けてる豚骨は偽物だと言って憚らない氏。灰色く赤茶けたスープを飲んでそれが豚骨を炊き出したものだと判断できないのもナニかと思うが、こうして博多にも灰色く赤茶けたスープがあって、地元民が夜な夜な集まってることを知っているのだろうか。
こんなこと書くと、個人攻撃だとか傷口に塩を塗るようなことを、と思われるかもしれない。氏が矛先を向けているのが明らかに手抜きだとか酷い仕事してるならそう思わても然りだが、スープが白くなくて偽物と言われてる店は、薄くしようと思えば出来るところ、匂いの文句言われながら材料費も光熱費もかけても本物を出そうと何日もかけてひたすら煮込むという途轍もない努力をされてる。
そういうところをさ、頓珍漢な指摘で偽物のレッテルを貼るってのが信じられないというか、許せないんだよね。それも影響力ある(あった?)人がやることの罪は相当深い。そういう人こそ、その独力の結晶をピックアップして評価すべきなんじゃないのと。

それはそうと、コチラの麺は、やや平べったいもので、東京では六本木の赤のれんの感じに近い。最初はカタでお願いしたが、もう全然ヤワかったので、替玉¥150は粉落としでお願いした。
替え玉
丼に直接茹でたてを投下してくれるタイプ。そうそう、やっぱりこのバッキバキ。これで十分粉の感じはするのだが、自分にはもっとコシというかネバリがほしい。御天などは元々長浜で使われてた麺を送ってもらってるというが、自分的にはそれに慣れていることもあって、そこの麺屋のが好みだなぁ。
それを差し置いても、余りあるコク深い一杯。美味しく完食すると、やはり丼の底には髄がそこそこ溜まっていた。
髄

いやはや、現在これほどの濃度のものを味わえただけで大満足だが、個人的にはチョットスープの温度が高すぎて、豚骨の旨みを味わうにはもうチョイヌルくてもいいかなと。というのは多分脂分が多いから、そこに熱が入って冷めにくいのかなぁと感じられた。
本当のところは知らないので飽くまで推察だが、骨の下処理をしっかりしたものもモチロン純粋な旨みが感じられていいのだけど、ちょっと身や脂が残ってて、独特のクセのある香りとか味に雑味があるくらいのほうが、トンコツ食ってるぞ!って感じがして好きだ。なんか、久々にその感じを味わった気がして嬉しくなった。
これ次いで、今回はもう一杯ド豚骨食べてきたので、そのうちUPするとしよう。
というわけで、ウマウマウマシ!!!!! ごっそうさんでした〜

←クリック戴けると狂喜します