カテゴリ: 和・洋菓子

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こちらで告知するのをスッカリ忘れてましたが(大失敬!)、川口市でトーク&スライドのイベントをさせてもらうことになりました。

イベントの詳細は刈部山本活動ブログまで→【8/30(木)スライドトークショー@川口】
8/30(木)と日にちが迫ってきました。募集もかなり多く一時定員オーバーしたのですが、、大きな会場に変更してもらい、募集定員が増えました。まだ大丈夫です。川口のことをよく知らない方にこそ、昭和〜平成にかけての郊外文化のリアル体験を聞いてほしいので、是非いらして下さい!
直接、川口のサイトからも申込いただけます→【下の方に応募ボタンがあります】

それと、夏新刊の直通販も限定本セットも今月いっぱいまでです!
uraita1hyoshiオフセット新刊は『裏板橋メシ屋道中記・東地区篇』【詳細ページ】。昨今多い板橋のムックやガイドブック。それらに載らない、載せられない?どローカル飲食店を巡る「裏板橋本」。
限定本は、昨年秋の再販『神保町ドキドキパニック』、拙文庫のAmazon購入特典PDFの冊子版。

というわけで、イベントに先駆けて、FM川口で告知的な電話出演を短時間ですがさせて頂いたのですが、その中で川口のオススメということで、埼玉高速鉄道の鳩ヶ谷駅と新井宿駅の間にある旧岩槻街道沿いを挙げさせてもらった。
新井宿
旧道沿いが商店街になっていて、大正から昭和にかけての超ゴージャスな看板建築や蔵、レンガ建築が軒を連ねている。その中にかなり歴史ありそうな和菓子屋を今から5年以上前になるが見つけたので、その時のレポをUPしておきたい。

今川焼きの看板を掲げた甘味処のようなお店で、気になって前を通ると、なんとアイス最中の貼紙が。こういう気取りのない店の昔馴染みのアイス最中に滅法弱い。

田畑菓子舗外観
田畑菓子舗 ※現在休業中の様子
★★★★★ 5.0
所在地:川口市鳩ヶ谷本町1−3−12【Google】
午後1時〜午後4時くらい
火曜定休

一も二もなく入店すると、簡単なイートイン用の椅子がタイル貼りの三和土にいくつか並べられているだけで、基本テイクアウト店の様子。
店の大半は製造所兼住居で、いい意味で商売っ気がないというか、内と外の境界が曖昧という昔からの家族経営の雰囲気を色濃く残している。先客はご近所と思しきオッサンで、ひとりペロペロとソフトクリームを舐めては店のオジサンとの雑談に花を咲かせている。

その片隅に腰を下ろし、アイス最中¥100を頂く。
アイスモナカ
味はもちろんバニラ。100円という価格からの想像を超えた大きさで、もなかにも特大と記されている。菊の紋のように象られた形状もイイ。
アイスモナカUP
勢い良くガブリと行かせてもらうと、ガワは案外しっとり系で、歯にくっつきそう。コーン的な香ばしさに乏しく、昔ながらの少々味気ないようなガワで寧ろ自分にはこの方がしっくりくる。この手のガワは店によっては八角のような、線香クサいような臭いがするものもあるが、こちらはクセはない。中のバニラは文字通りのバニラ風味。この手のはシャリシャリと油脂分の低いシャーベットのようなミルクアイスが多いのだが、こちらのはシツコクはないものの、多少粘りのあるバイラアイス。黄色みがかってコクもある。これはこれで十分オイシイ。

大好物に満足したところで、オッサンとのトークに割り込む形で、さり気に歴史のことなど伺ってみた。記憶が定かで無いので申し訳ないが、確か明治3年創業といったか。この辺の店の中ではそんなに古いわけじゃないというから昭和3年かもしれない。それでも近隣の明治や江戸期の建築の話を聞かせてくれたので、明治でも強ち可笑しくはない。
創業30年ほどでも老舗と呼ばれる昨今、それくらいこの界隈は古くから今にかけて続く商売や建造物が多いということだ。また言うが、それが保存運動にお金かけるでもなく、昔と同じ素知らぬ顔で続いているというのが本当に素敵。
イベントは再開発著しいJR京浜東北線の川口駅前だから、甘太郎焼きくらいしか歴史を忍ばせるものはないが、浦和美園にサッカー観戦の前にでも散策がてら寄り道されると面白い発見があるかも。
いやはや、店も味も超スバラシイ!! こういうのだよ、ふと食べたくなるのって。ウマウマウマシ!!! ごちそう様です!

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あけましておめでとうございます!
というわけで、冬コミのあった大晦日〜正月三が日にかけて食ったもんでもザックリとレポさせてもらいましょうか。

会場である有明の東京ビッグサイトへはここ数年、豊洲からゆりかもめに乗って行くことにしている。
昔は東京駅から都バスで行くのが安くて便利だが、渋滞で時間が読めないのがイタイ。近年は豊洲に延伸したこともあって、有楽町線から乗り換えるようにしている。新橋発は混むが、豊洲発はほぼ座ってノンビリ行けるのだ。
しかも高い位置から豊洲市場など臨海エリアの開発具合が見て取れるのも面白い。年2回、定期的に街が出来る様を定点観測してる気分になるのだ。
ゆりかもめ
今回は初めて、先頭の一番眺望のいい席が運良く取れた。のんびり臨海風景を眺め、コミケ会場へ入場と相なった。
今年は特に寒く参ったが、なんとか無事終了し、帰りにどっかで温まりがてら一休みして、一人お疲れちゃん会(コミケでも友だちがいないのだ)といきましっしょい。

大晦日にやってる店はなくはないが、個人店は行ってみないとわからない、博打に近い状態なので、安パイでチェーン系に。といっても折角のコミケ終わりなので、ご褒美感が欲しい。
そこで、はっと思いついた。疲れて甘いもんも食いたいし、大好物の星乃珈琲のホットケーキなんて最高じゃないか!?
調べてみると、銀座界隈に2軒ある。街的に他にやってる店もあるだろうから、最悪やってなくてもどっかで食えるだろう。

銀座一丁目で下りて、深夜食堂や北京原人を観に来た東映の映画館を過ぎると、数寄屋橋交差点脇に珈琲の看板が見えた。雑居ビルの階段の先に入口があるようだ。テクテク階段を上ると、ショーケースに食品サンプルが並んでいる。あれれ? ホットケーキがぺっちゃんこだ。ボリューミーないつものとは別メニューがあるのか。それとも数寄屋橋店のみこの仕様なのか??
不安を抱えつつ入口に立つと、ウエイターが丁寧に迎えてくれた。確かにクラシカルな内装で雰囲気は星乃っぽいものの、なんだか他の星乃と違うような。さっきのホットケーキも引っかかる。周囲をキョロキョロ見渡すと、入口扉に書かれた店名が目に入った。
アウチッ!別の店かよ!!
ウエイターに平謝りして一旦外に出る。よく見ると2つのビルがくっついてて、星乃は別のビルだった。にしても間違えて入った方の珈琲屋、確かに店名違うが、ロゴの書体似てんなぁ。どっちが先か知らんけど、間違えて入る人多そう。
ともあれ、ようやっと星乃珈琲に入ることが出来た。
店内
星乃珈琲店 数寄屋橋店【食べログ】
★★★★★ 4.8
中央区銀座4-2-12 3F
過去記事:成増店〜夢は1001膨らむホットケーキ!
(↑のリンクにもあるが、まさか星乃珈琲を扱う日に星野仙の訃報を聞くとは!?)

ビルの1フロアとは思えないほど店内はかなり広く、しかも席は区切られている。2人席は漫喫みたいだが、元々1人分のソファー椅子は大きめとあって、さらに落ちついて過ごせそう。
荷物を整理して改めてソファーに深く腰掛けると、カウンター席越しに銀座の夜景がみえる。おおっ、いいね、コミケ終わりのスペシャル感が助長されますよ。
メニューを広げると、馴染みある品々でホッとする。
メニュー
今日は頼むもの決めてきたので、あるのを確認して席にあるボタンを押してオーダー。成増店はいつもボタンが壊れているが、ここのはちゃんと音が鳴った。

一息ついていると、先に星乃ブレンドがきた。
珈琲
通常は700円だが、セットだと450円。
パンケーキは時間がかかるというのがあるが、珈琲を先に持ってきてくれるのは嬉しい。
星乃珈琲といえば、珈琲がハンドドリップで淹れてくれるので、この手のチェーン系としては図抜けている印象があったが、この数寄屋橋店のはあんま味が出ていない。成増の店員が優秀なのか、今日は混んでてたまたまアレなのか知らないが、まぁ年末にこの場所でこれだけゆっくりできれば文句も出まい。

そしてオーダーから約20分、アレが出てきましたよ〜、スフレパンケーキW¥750!
スフレパンケーキW+珈琲
いつもはシングルだが、今日は前後にメシ食わない代わりにダブルで。ただでさえ厚みがあるので、Wだと圧巻ですな。
スフレパンケーキW
蜜は、メイプルシロップ・蜂蜜・黒蜜から選べるが、今日は黒蜜で。ドロっと重い蜜をかけやす。
スフレパンケーキW蜜かけ
うん、いい景色や。ホイップクリームを伸ばし、ナイフを入れる。Wだと下までキッチリ切らないといけないので、切り応えありますな〜
スフレパンケーキW断面
んでもって、パクっといっちゃいやす…パクッ。うぐぐぐぐぐ、うん、これよコレ。まずは蜜の殆どかかってない部分から食べる。フワッフワの食感だけど、適度な密度のある生地で、弾力もあって、ほのかな甘味でバランスが兎に角イイ。イイ。焦げたエッジ部分の香ばしさもいいんだよな。
で、蜜の染みた部分を頂くと、シットリさが出て、甘みと香りが増して、これもまたイイ。イイ(また二度言うか)。
染みた上段、染みてない下段と味わいながら半分食べた後、上段を皿の空いた所に下ろして、下段にはさらに蜜をたっぷりかけて、一気に完食。

この日は19時で閉店という。18:30のラストーオーダーのタイミングで退店。
いやはや、これくらいの甘さが自分には丁度いい。17年最後の外食に、甘さで幸せを感じられて、イイ締括りが出来た。これがアチコチで食えるのはやっぱ贅沢やね。ウマウマシ!! ごちそうさまでした〜

…って、あらら、さっくりやるつもりが案の定長くなってしまった。
というわけで、つづく。

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自店を今年3月で閉めるのと前後して、移転先となる物件を探している時、「これまで仕事の営業時間と合わず行けなかった店に行きたい」というのと「その街にはそんな喫茶店があって、お客さんはどんな過ごし方をしているのか知りたい」というのがあって、幾つか店を渡り歩いたんだけど、その中の一つに、これを期に是非とも行きたいと思ったのがコチラ、アール座読書館。
お喋り禁止のカフェとしてよくメディアに取り上げられる店で、移転前にウチが取り上げられるとよく一緒に載っていた。どちらかと言うと、ウチが一人席のみで私語厳禁というわけでなく、あくまで珈琲やケーキをジックリ味わうための、一蘭的味集中システム店なのに対し、アールの方は一応二人席もあって喋らなければOKの、読書空間を第一に考えられた店、と言えるのではないだろうか。

アール座読書館外観実はこのタイミングでUPしたのには訳がある。情けない話、自店が移転して4ヶ月、移転前では考えられない程、あんまお客さんが来てくれなくて、ザックリと似た感じのコンセプトで比較的近場のコチラから、かなりイイ状態で珈琲もケーキも提供できているので、興味持ってくれたらハシゴしてちょ。
【結構人ミルクホール 阿佐ヶ谷住宅】
という意味で、今回取り上げてみることにしやした。

南口駅前のルック商店街の裏手にあって、古くからの名喫茶ネルケンの近くと分かっていたのだが、いざ行ってみると全然わからない。近くをグルグル回ってたら、モルタルアパートのような2Fへ上がる階段に看板を発見した。
アール座読書館入口
アール座読書館【食べログ】
★★★★☆ 4.5 単純に味で
所在地:東京都杉並区高円寺南3-57-6 2F

階段を上がると、公団アパートのようなフツーの玄関扉がお出迎え。中が完全に見えないので、秘密クラブ的で、知らなければ開けることはないだろう。
とはいえ案内板が出ているので気後れなく開けると、中は焦げ茶色、というかほぼ黒い空間で、僅かな照明と外から漏れる明かりに、薄っすらと店の様子が浮かび上がる。
アール座読書館店内
草木が生い茂り、その隙間から水槽に泳ぐ金魚が窺えるという、一歩間違えば廃墟かゴミ屋敷的ワチャワチャ感。オサレとも違う、カオス寸前でウマイことディープな空間が保たれている。よく見ると雑居ビルのようなベースの設えが所々見受けられるが、古民家でも何でもない空間をよくここまで作り上げたなと関心するばかり。
アール座読書館店内2
で、適当な席に着く。書斎机のようなテーブルで、卓上の本棚といい、家具はちょっとゴシックで重厚感のあるアンティークやミッドセンチュリーで揃えているようだ。
アール座読書館卓上
全体の広さは個人の喫茶店としては広い方だと思うが、結構席を作っているので、卓と椅子の間隔が狭めでキツキツな印象。でも席ごとにローテーブルやソファー席などバラエティに富んでいて、皆さん思い思いにすっぽりハマるポジションを探して、狭さを楽しんでいる様子。
アール座読書館メニュー
卓上の本棚の間に他の本に紛れるようにメニューがあり、写真と解説付きの品々の他、店のコンセプト等書かれている。注文は取りに来るまで待つようにとあり、メニューをパラパラめくっていると、自分と同い年くらいのお兄さんがお冷を持ってきた。小声で、時間掛かる旨の確認があり、奥の小さな厨房(後で見に行ったらコンロがやっと1つあるくらいのホントに小さな空間)へ戻っていった。
アール座読書館お冷
お冷のグラスは昭和の小物扱うレトロ雑貨とかにありそうなもの。
注文が来るまでの間、奥の本棚へ向かう。本は小説とかもあるけど、大判の美術系の書籍も多く、わざわざ買うには…と二の足を踏むようなものが気軽に手に取れるのは嬉しい。ジャンル別に大別されていて、とりわけ澁澤龍彦、赤瀬川原平、ユリイカの増刊みたいなのとかイカニモな本もしっかり揃っている。
丸田祥三あたりの廃墟系の本や、旅モノの写真集なんか数冊手に取り席で読む。と同時に、各席にある感想ノートも読む。ここの面白いのは、ノートの続きが読みたければ、同じに席に着けないと読めないという点。なので、中を読むと、前に来た席が取れなかった〜とか書いてある。そんなんを読むのがとても面白い。そして書いてある内容は店の感想というよりポエム的だったり人生相談的なものが多く、どこか病んだ臭いがあって、とても店の性格を反映していて興味深い。

そうこうしているうちに、やって来た、シャーリー・テンプル¥650!
アール座読書館シャリテンメニュー
アール座読書館シャリテンこういうところでは普段飲まないものを頼むようにしているので、そういうのないかと見つけたもの。シャーリーって誰やねん!どこの寺院やねん!と思ったら、ジンジャーエール+ザクロシロップにレモンを絞ったものなんだそう。
結構甘くてジュースっぽさがあるが、ザクロ由来と思われる酸味と元々は濃厚なドロっとしてんだろうなって思わせる果実感が、炭酸で爽やかに飲める。飲みごたえあって好きな味だった。

同行者のブラジル・ブルボン¥650!
アール座読書館ブラジル
紅茶みたいにポットで出てくる。過去、雑貨屋やアンティーク家具屋等に併設されたカフェというヤツで、まぁまともな珈琲が飲めた試しがないので(大抵はエスプレッソマシンで淹れた粉っぽいだけの300円くらいの無駄に苦いスカスカの珈琲)、正直全く期待していなかったのだが、これには驚いた。
アール座読書館ブラジルメニュー
メニューで謳うだけあって、甘みがあるチャンとしたブラジル豆とチャンと淹れている。浅めの炒り(ハイか行っててシティ)でブラジルの甘みを感じさせるグレードの豆を使うってのは、しっかりドリンクにも気を使ってる現れ。まぁこれだけ甘味あるブラジル豆だったら、深炒りまで炒れると思うのでガツンとしたの飲みたいところ。それは私個人の好みだから余談余談。
ともあれ、650円は全然安いシロモノだし、これがポットだから小さめのカップとはいえ2杯程飲めるんだから、皆んな長居するだろうし、大丈夫か余計な心配してしまう。

アテはクッキー盛り合わせ¥300!
アール座読書館クッキー
いろんな種類のクッキーを合わせたものだそうだが、これは既製品だと思う。
アール座読書館クッキーメニュー
まぁまさにチョットしたお茶請け程度。これはこれかな。あ、遅くなったお詫びとかで、しるこサンドももらったんだけど、個人的にそういうサービス要らない派なんで(お菓子のラムネとか飴くれる飲食店、気持ちは嬉しいけど困るんだよなぁ。基本菓子食わないから、いつも鞄の中で粉々になってしまう)、クッキーもあるし、困ってしまった(^^ゞ まぁいいけど。

スタイルだけの店じゃないのは十分わかった。読書は当然、飲み物でもゆっくりして満足して帰ってもらおうという気持ちが伝わった。
高円寺という町らしい店といえばそれまでだが、この異空間はオンリーワンであることに変わりない。この空間を作り、店として何年も維持していることに素直に敬意を評したい。
最後に、机の引き出しを開けた時が、この店の中で一番驚いた。ジオラマ!?
アール座読書館引き出し
というわけで、美味しかったです。ごちそうさまでした。

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今回は久々のホットケーキ話を。以前取り上げた珈琲家問題の続き。最初の珈琲家との出会いは【過去記事:初訪|再訪】もしくは12年冬限定本『多摩に行くならこんな店』で取り上げている。
さて、万惣薄っぺら問題から珈琲家問題へと発展した事の発端は、稲田堤と同店名の茅場町店【過去記事】にある。どこでどう珈琲家のホットケーキは変わったのか、どの店がどう関係しているのか、謎が謎を呼んでいた。
その茅場町の記事についたコメントに寄ると、茅場町は1軒のみで、稲田堤は所謂インスパイアで、以前の茅場町店従業員が独立して東上野に出した、ということのようだ。
というわけで自分の中では、ラストオブ珈琲家、東上野店にいったレポを始めよう。

御徒町駅に降り立ち、多慶屋の裏側の路地を進むと急に土砂降りの雨が降り出してきた。慌てて店を目指すも大体の場所は把握していても見当たらない。ふらついているとようやく発見。

珈琲家 東上野店【食べログ】
★★★ 3.0
所在地:東京都台東区東上野2-10-2

大慌てで軒下に隠れ傘を捌く。そんなわけで、あらら、外観写真を見事に撮り忘れてるよ。
ともあれ一息ついて入店すると、そこには昭和の純喫茶とも違う、ややこざっぱりしたコーヒー専門店といった風情の落ち着いた空間が広がっていた。
珈琲家東上野店内
茶色のソファーの4人席が幾つも並び、軽く仕切られてるような感じで、かといって閉塞感もなく、ほどよい明るさも実に落ち着く。
女性店員がお冷とおしぼりを持ってきてくれる。手を吹きながら息の整ったところで卓上のメニューに目を通す。
珈琲家東上野ドリンクメニュー
やはり稲田堤や茅場町と扱ってるメニューや構成も酷似している。
珈琲家東上野サイドメニュー
こちらはホットケーキ2枚まで表記されており、稲田堤寄り。ドリンクはホット珈琲で豆を指定したかったが、伺ったのは夏だったのでアイスで注文。
厨房のご主人らしき男性が静かに焼き始める。予め時間かかると言われたが、百も承知なので気長に待つ。だけど先にドリンクは注文するんだった。またやってしまった!

とはいえ、思いのほかホットケーキが時間かからなかったず、しかもドリンクは同時にやってきたので救われた。
珈琲家東上野ホットケーキとアイスウィンナー
店内は涼しいとはいえここまで蒸したので、まずはアイスウィンナー¥480をチュチュ〜っと。
珈琲家東上野アイスウィンナー
大きめのグラスにアイス珈琲が沢山入ってて、さらにその上にクリームが沢山乗っかってる、つーか詰まってる。いいね、この感じ。
アイス珈琲は濃いめで単純にこの時期飲むには最適な塩梅で、クリームは生クリームをその場でホイップしたものじゃないかもしれない。軽かったが、まぁ十分。
こういうのは途中から混ぜ混ぜして飲むのが好きなのだが、この瞬間って結構幸福感あるよね。

で、喉も潤ったところでホットケーキ1枚¥300!
珈琲家東上野ホットケーキ横から
これまでの珈琲家同様、見た目にかなりデカイが、イタズラに分厚い感じじゃなくてよさ気そう。
シロップをかけ、マーガリンと溶かして混ぜ混ぜしたのを満遍なく伸ばし、ナイフを入れてパクリ。
珈琲家東上野ホットケーキ断面
うん、やっぱりかなりフンワリして、表面のハードさは一番ユルいかと。中は火が均等に入って、生地自体のミチミチ感はかなり少ない。稲田堤はミチミチとしてボリューム感もありつつ、全体にフンワリ感も保っている感じだったが、これまでの中では一番東上野が大きさも小さめで厚みもなくフンワリしている。それでも一般的な店のに比べたら相当デカイし、厚いけど。
ただ、その分なのか、味の特徴がないというか、ただフンワリめに焼けている大きなホットケーキなんだよね。極めてフツーというか。

というわけで、さっくり完食。
以前茅場町のいらした先代のホットケーキ食べてないのでなんとも言えないが、その頃に東上野のマスターがいたはずだから、元々は茅場町もこれくらいフンワリしていたのかもしれない。稲田堤がインスパイアされたくらいだから、それでいて食べ応えがあったのかも。
結局真相は闇の中だが、現状では東上野は町の珈琲店らしい味わいの手焼きホットケーキという線で落ち着いてる気がした。
それでも今手焼きが残っているだけで十分貴重で有り難いこと。ともあれ、これはこれということで、ごちそうさまでした。

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ブログが更新できなかった期間中、私事でしっとりチャーハン関連に動きがあった。バッタバタでキチンと告知できなくて申し訳なかったが、実は4月末に東海エリアローカル「花咲かタイムズ」【公式サイト】というCBCのテレビ番組内の1コーナーに出演していた。
東京から来たしっとりチャーハン野郎が、愛知のチャーハンをハマカーンとともに食べ歩くという企画。東京近郊以外の地元町中華なんて滅多に食べる機会ないので楽しめたが、諸々スケジュールの都合でロケが日曜となって、結構メディア露出の多い有名な店以外は取材NGとなってしまったのが悔やまれる。それでもチェーンとかじゃなくて、長年地元に愛される名店だったし、意外と名古屋ローカルなチャーハンがあることも発見だったので、行けてよかったなぁと。

というわけで、既にOA済みだが、伺った店を簡単に紹介しておく(写真を撮れる状況じゃなかったので、料理やメニューはリンクの食べログを参照いただきたい)。
1)互楽亭@大須観音【食べログ】
…中華屋ではなく食堂。大須観音の近くにある、三角地の店。大須って初めて行ったけど、かなり地元民率が高くて、ちょっと葛飾とか足立の盛り場に行っちゃったような、一瞬で背中がピーンとなる空気感があった。
店も、中華・蕎麦・洋食なんでもあり状態で、客の要望に応えてたらメニュー増えちゃった系。なもんで、なんでも炒めもんはフライパンで作るそうで、炒飯も然り。中華屋のチャーハンというより家庭的な仕上がりで、ちょっとピラフっぽい具材と味付け。しっとり加減が強く、ホックリする味だった。近くにスケートリンクがあるようで、浅田真央が練習後や前に中学くらいまでよく来てはこのチャーハンを食べていたという(他にもフィギュアの有名選手の色紙多数!)。なので真央チャーハンの異名を持つが、中学くらいの色気づいた子が来るとは思えない、エラいドメスティックな店と味のもん食ってたなぁと関心した。定食とかオムライスとか食いたくなった。
2)松楽@吹上【食べログ】
…名古屋でチャーハンといえばココ、というくらい有名店らしい。となるとてっきり若いニイチャン店員の威勢のいい感じを想像していたが、カウンターのみの年季の入った小さいザ・町中華で、年配のオヤジさんが切り盛りする超老舗だった。
パラパラチャーハンがウリらしいが、実際食べてみると自分にはパラパラ要素が全く感じられなかった。東京で言えば完全に板橋にもありそうな、米の水気をしっかり含んだ、しっとりチャーハン。具は少なくシンプルなチャーハンで、モロにツボな一杯だった。
さっきの互楽亭もそうだが、名古屋のチャーハンはベースが醤油味で、結構しっかり味付け濃い目に効いてる。殆ど塩かってくらいの薄味の多い東京近郊のチャーハンからするとかなり異なって感じる。たぶん名古屋の人も気づいてないんじゃないかな。
最後にサービスで頂いた春巻きが変わってて、だし巻きのように玉子の薄い皮を幾重に前に巻いたのに肉の餡が閉じ込められたもの。初めて食べる味で、美味しかった。
3)圓家@春日井【食べログ】
…ここは本来ちゃんぽんの店だが、チャーハンが人気でちゃんぽんと並ぶ看板メニューだとか。実はここはどうしてもと候補に入れてもらった店。というのも、下調べしていたら、愛知の中華屋には殆どチャーハンのある店ではニンニクチャーハンもメニュー化されてて、名古屋名物となった台湾ラーメンやベトコンラーメンの店でも大抵はニンニクチャーハンを置いてる。これはもう名古屋名物にしていいんじゃないかと思ったけど、これまた地元民は自覚ないらしい。
ここは元々は1店舗だったが人気になって数店舗展開するようになったという。千葉の郊外にありそうな、チェーンと個人店の中間のような佇まい。強いて言えば、丸源ラーメンとか来来亭みたいな雰囲気か。ファミレス代わりにラーメン食うような団体やファミリー層向けのロードサイド店って関西には結構見られるようで、関東では大型チェーン以外ではあまり感覚ないかもしれない。王将とかも向こうじゃそんな感じの店舗多いし。
ここのチャーハンはニンニクチャーハンがデフォルトで、さらに何も言わなくても焼き肉が乗ってくる。にんにくの芽と炒めたもので、味付けはここも醤油だが、炒め具合もかなりサッパリしている。おろしニンニクも入ってるが、意外にもニンニク臭くない。ベースの醤油はちゃんぽんに使うのと同じ長崎のメーカーのもので、使っている店は殆ど無いらしい。面白いもん食べた。
で、ロケはほぼ朝一状態で東京から新幹線で行き、終わったのが夕方前。本当は前日入りして名古屋メシやコッチの路地裏酒場とか行ってみたかったんだけど、なにせバタバタの中、強行した感じなんで、とんぼ返りとなってしまった。でも、思ったよりロケが早く終了したんで、少しは時間あるぞと、名古屋駅近くの地下街で、名古屋らしい喫茶店で一休みすんべと、地下に潜ってみた。

10年以上前に名古屋に来た時も、どこがどうなってるのかサッパリ分からず路頭に迷ってしまったが、今はスマホあるので迷うこともなかろう…という安易な考えは無残にも打ち砕かれた。地下GPS死んどるがなorz
地下街も幾つかあって、どこでどうつながってるんだかサッパリ分からない上、場所によって深さが違うので、土地勘がない身には目的のメイチカがどの地下街に位置しているのか全くもって理解不能。
案内板にもハッキリと構造が記されておらず、同じ所を何度も往復し、諦めかけた矢先、やっと発見した。
みかどメイチカの様子
あぁ、何度も前通ってたわ。こんな小さな一角だったとは。
みかど外観
パーラーみかど【食べログ】
★★★ 3.0
所在地:愛知県名古屋市中村区名駅3-14-15 名古屋駅地下街メイチカ内

小さな店が密集するところに、結構オオバコな喫茶店が入ってるもんやねぇ。
並んだショーウィンドウのサンプルが如何にも喫茶店って感じで、テンションが上がる。
みかどショーケース
名古屋の喫茶店といえば、サービス旺盛なモーニングが有名だが、時間的にモーニングはアウト。折角だから少しは食べたいし、何がいいかなぁと眺めていたら、ホットケーキが目に飛び込んできた。
ドリンクつけて510円とは安い!
みかどホットケーキサンプル
サンプルは手焼きっぽい厚みのあるもので、でも流石にこの値段で手焼きはないかと思いつつ、それは違う文化圏の考えで、ひょっとしたらひょっとするかも。よし、試してみんべ。

入るとテーブル席がズラッと並ぶ喫茶店らしい光景が展開していた。
みかど店内
これまた昭和の喫茶店然とした身なりの給仕がフロアと厨房を行き来している。
適当に空いてた窓際の席に腰掛ける。買い物で一休み風の女性が多いが、喫煙率が高い。殆ど身元民っぽい。
みかどメニュー1
そんな時間に余裕あるわけでもないし、食って変えるだけなら我慢できるかと荷物を整理して落ち着こうとすると、早速果物が運ばれてきた。

みかどデザート
たぶん黄桃かと。セットに付いてくるサービスデザートだろう。如何にも缶詰!って感じだが、こういうの久々に食べるなぁ。東京でも喫茶店というとこういうのがよくついてきた。キンキンに冷えてるわけじゃないけど、たまに食うとシロップに浸かった甘さが染みる。

みかどアイスコーヒーすると立て続けにアイスコーヒー登場。
名古屋の、特にこういうベタな感じの喫茶店ではコーヒーは期待できないと聞いていたので、せめてアイスなら濃いめが出てくるだろうという判断で頼んだが、これが淹れ置きかパックだったとしても結構しっかり濃いめで風味のいいアイスコーヒーで、ブラックでも全然飲める。疲れた身にはこれまた染みる一杯。
いいぞ、ここまではイイ感じ。

そんなこんなを思っていたら、凄い早さでホットケーキも登場してしまった。
あらら・・・このスピードは見るまでもなくチン。
そして、実際のを見てみると、、、
みかどホットケーキセット
モノの見事にシナっしな。しおしおのぱぁ〜といったクタビレ具合。ザ・チンしたホットケーキですわ。やっぱ値段的に期待はしてはいけないものの、サンプルとのあまりのギャップに驚きを隠せない。
みかどホットケーキUP
まぁこういうトラップも含め、こういうタイプの喫茶らしいというか、楽しまないととは思うが、ここまで見事なのはホント久しぶりですわ〜
まぁ食うだけ食うべと頂くことに。
みかどホットケーキ断面
ペラッペラのホットケーキはナイフ出来るのもなんだかみたいだが、シロップとマーガリン多めに塗って頬張ると、あらら!? フニャフニャだけど、味はイイぞ。これまで、手焼きでも??なホットケーキ結構食べてきた身としては、レンジでもフニャフニャでも美味しければコレのほうがイイぞ。なんでだ、なんで特別なんてことないのに、フツーの斜め上くらいを行く、言葉で表せない直感的な美味しさがあるのは。

あっという間に平らげ、レジにてお会計。気づけば、値段以上の価値、コストパフォーマンスのよさに、ホクホク顔で店を後にする自分がいた。と同時に、何度も首をかしげてしまうのだった。
世の中には不思議な事がママあるものだ。これが名古屋喫茶マジックなのか。でも今度はゆとりのある時に来て、モーニングを味わってみたい。
というわけで、不思議と美味しゅうございました。ごちそうさんです!

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