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2013年09月30日

書評:「鳥類学者、無謀にも恐竜を語る(川上和人)」

 世にいる男性のほとんどは、幼稚園〜小学生ぐらいの頃に一度恐竜に魅了される経験があるんじゃないかと思っている。かくいう自分も幼稚園ぐらいの頃にあった恐竜ブームの影響で、図鑑を買ってもらい、よく恐竜の絵を眺めていた。

 例えば、ジュラ紀で最も強い恐竜はアロサウルス、白亜紀で最も強いのはティラノサウルスとして覚えたり、パラサウロロフスのトサカは鳴き声に使っていたとか、頭突きをするパキケファロサウルスとか、トサカがたくさんあるステゴサウルスとか、未だに覚えている恐竜を挙げるとキリがない。今思えば、学問としての生物学に最初に触れ合ったのは、古生物学からだった。

 さらに言うと、90年代前半は、安達祐実がT.Rexと仲良くなる映画をやったり(参考)、Steven Spielbergが、かの有名な恐竜動物園の映画を作ったり(参考)と、社会的にも全世界で恐竜ブームが盛り上がった時期で、夏には多くのデパートで恐竜展が催されていた。本物かどうかはわからないけれど、その頃、デパートの恐竜展で買った化石が未だに実家にある。

 この「鳥類学者、無謀にも恐竜を語る」は偏見を持った鳥類学者という著者(参考 リンク先画像必見)が、これまでに分かっている恐竜に関する知見と、鳥類で分かっている行動学の知識を合わせて、恐竜の世界がどのようなものであったかを大胆に予測し、書き記している一冊。恐竜研究の最先端を解説するとともに、今後の研究がどのようなものになっていくかについても書かれた、一般向けのお薦めの本だと思う。

鳥類学者 無謀にも恐竜を語る (生物ミステリー)
川上 和人
技術評論社
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2013年09月29日

感想:「風立ちぬ(宮崎駿)」

 実際に見たのは数日前なので、そろそろ印象が薄れつつあって、的確に伝えきれているかどうかが微妙だけれど、宮崎駿監督の最新作かつ現時点では最後の作品と言われている「風立ちぬ」を観てきた(参考)。多少、ネタバレ要素を含んでいるので、映画をまだ見ていない人はその点を留意してほしい。

風立ちぬ
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2013年09月19日

書評:「1Q84 BOOK3(村上春樹)」

 少し間が開いてしまったが、先日読んだBOOK1/2の続き(参考)で、1Q84 BOOK3を読み終えた。BOOK1/2が刊行されてから間を置いて出たこともあり、同じ作者の同じ作品であるにもかかわらず、どこか違う作品であるかのような印象すら受けた。

1Q84 BOOK3〈10月‐12月〉前編 (新潮文庫)
村上 春樹
新潮社 (2012-05-28)
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1Q84 BOOK3〈10月‐12月〉後編 (新潮文庫)
村上 春樹
新潮社 (2012-05-28)
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