「アクト・オブ・キリング」全長版166分を渋谷シアター・イメージ・フォーラムで観て帰宅すると24:00まわってる。さすがにハードである。通常劇場公開版を一度観て、どうしてももう一度観たいと思っていた映画・なんとか再び映画館で見れて嬉しいです。
「アクト・オブ・キリング」は、60年代におきたインドネシアの大虐殺・・その実行者たちに、当時の虐殺行為の演じてもらう、という衝撃的なドキュメンタリーです。
この映画の恐ろしさは、たんにインドネシアで起きた虐殺の告発・・であるだけではなくて、スクリーンに映し出される腐敗した国家と、殺人者たちの姿が、まったく他人事、他国の話ではなくて、それはグロテスクな自分自身、自分達自身の映し鏡であることにいつのまにか気がつかされてしまうことです。
幸いにして、今のところ僕は人を殺したこともないし、殺されたこともありません。でもある意味ではそれは僕自身の手柄ではなくて、時と場所が違えば、簡単に自分自身が迫害者/殺人者として虐殺を行ったり、それに協力しているかもしれないし、あるいは逆に、被害者として虐殺され迫害されているかもしれない。
幸いにして今僕が住んでいる日本は、今は戦争をしていないし内乱状態にもないし民主国家で先進国で文化的に豊かであると思っている。でも現実には現政権は憲法を無視し、秘密保護法は成立し、福島原発事故がまったく解決のめどすらたたないのに原発再開を急いでいる・・そんな国になっていることを皆知りつつも平気な顔をして生活をしている。
人間であるということはどういうことなのか、人間の悪とか業とはどういうことなのか、を、この映画はとても深いところから問いかけて来て、深い深い根底から自分の存在をゆりうごかされる気がする。
恐ろしい映画だと思います。
坂本龍一さんの言葉を借りるなら「マスト・シー」の映画です。観るべき映画です。http://www.aok-movie.com/