November 17, 2005

能と狂言の世界

遅ればせながら、能楽に関する本を読みました。

能と狂言の世界

前書きに、
能と狂言を見たり其の本質を考えたりする上の、
素材を提供したい。


と、あります。

100のテーマが見開きになっていて、読みやすく、
今までワークショップで受けた講義の判然としなかったことが、
つながったり、良く似た表現をされていたり、
自分の解釈を確認したり。

また、日常に使われている言葉が、能楽由来だったりと、
いっきに興味と理解が深まる本です。

能や狂言に特定のみかたはありえないと私たちは思いますし、
何か予備知識を必要とするような説き方には
首をかしげてしまいます。(まえがきより)


確かに、ネットで色々みていても、

初心者には難しいだろうなあ

というような記述をみる。

以前、能楽の会を観に行った時に、
衣装を着けずに着物と袴での舞いにおばちゃんが、

「なんや。衣装着てへんのん。衣装観に来たのにぃ。」
などと言っているのを聞いたが、
それもありなんでしょうねぇ。
「立つ」という項で、
人間国宝だった桜間道雄という人が、
「背筋の腰の部分が極度に
そり気味になるように力を入れる。
つまりぐっとお尻をはねる。
はねる力が腰の力である。」
と説明している、
とある。

ワークショップで、教えていただいた、
背筋をまっすぐにして
身体を前に倒して、そのまま身体を起こした姿勢

が、そうである。

ワークショッブで教えていただいたのを
自分なりに解釈した、
腎臓の後ろ側におもりを乗せている感じ。
とつながったように思う。

また、芥川龍之介が書いた、歩行の芸術と言われる能を見て、
「足の裏のしわの間に細い目か何かついてそうだ」

フランスからの文化使節団の言葉、
「懲役5年の代わりに能を5年見せる刑罰を」

など、面白エピソードもいっぱいです。



Posted by kemuru_jin at 11:03│Comments(0)TrackBack(1) book | 能楽

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能と狂言の世界 小林責 増田正造 講談社 1982-01 by G-Tools 「能や狂言に特定の見方はありえないと私たちは思いますし、何か特別の予備知識を必要とするような説き方には、首をかしげてしま」うというところから出発した、「能と狂言を見たり、その本質について考え...
能と狂言の世界【「能楽の淵」管理人日記】at November 25, 2005 10:15

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