2008年10月

2008年10月29日

「信長の棺」を読んで

「のぼうの城」を読んでからすっかり歴史小説にはまってしまい、「信長の棺」を読破しました。「秀吉の枷」「明智左馬助の恋」と並んで加藤廣著の本能寺三部作の一つだが、作者75歳にして出された最初の小説ということです。

明智光秀に本能寺にて討たれた織田信長の遺骸が見つからなかったのは何故かという一点を軸に「信長公記」の著者である太田牛一を主人公に繰り広げられる物語は、大胆な推理と牛一を取り巻くさまざまな登場人物によって興味深く一気に読み切ることができました。

秀吉の中国大返しに疑問をはさむだけでなく、信長の桶狭間の戦いにまで新たな推理をもたらしており、その正否以前に、「歴史は勝者が作るもの」ということを改めて思い起こしました。

信長、秀吉、家康といえば日本の歴史の中でもっとも語られることの多い三人の武将ですが、現在伝わっていることは長い歴史の中で美化されたこと、小説やテレビ、映画の世界で作られたイメージが大半なのでしょう。
もっともそれが故に新しい歴史小説や映像作品が生まれ、我々も楽しめる訳ですが。



信長の棺 上 (1) (文春文庫 か 39-1)
信長の棺 上 (1) (文春文庫 か 39-1)


信長の棺 下 (3) (文春文庫 か 39-2)
信長の棺 下 (3) (文春文庫 か 39-2)


ken123atara456 at 09:16|PermalinkComments(0)TrackBack(1) お勧めBOOK 

2008年10月26日

「のぼうの城」を読んで

読書の秋ということなのかやたらに読書欲が出てきています。
もちろん年間を通じて本は結構買っているのですが、読み終えずに積まれる本が多く、どちらかと言うと買うのが趣味?みたいな状況ですが、秋は一気に読み終えることが多くなります。

ということで今回紹介の「のぼうの城」は全くノーマーク、たまたま家にあったPR雑誌だったかで取り上げられていたのを見てアマゾンで注文したものです。

子供の頃から割と歴史小説は好きで、かなり読んでいましたが、最近は中国の古代物ぐらいで日本の歴史小説は読む機会が少ないのですが、「のぼうの城」は実に面白く、一気に読んでしまいました。

秀吉の小田原北条攻めの一環として行われた「忍城」攻略は史実だそうですが、私は全く知りませんでしたが、小田原城落ちても唯一残った小城の物語は、これにかかわったのが石田三成であったということを含めて非常に興味深かったです。

主人公である成田長親たる人物については読んでのお楽しみということですが、従来の歴史小説、いや小説には現れないタイプのリーダー像は新鮮かつ、経営者としては人の心を惹き付けるということの難しさを痛感させられる話でした。

たまたま、この本の次に手にしたのは、経営者仲間から勧められて読んでいるコミック「へうげもの」の7服(7巻)だったのですが、この着想新しい話がちょうど秀吉の小田原攻めの段となっており、忍城攻めと石田三成の失敗について軽く触れられていましたが、成田長親主従については触れられていませんでした。

そうそう、この「へうげもの」も一読に値する面白さです。

「のぼうの城」の和田竜は1969年生まれということですから、今後の活躍を大いに注目したいと思います。

のぼうの城
のぼうの城


へうげもの―TEA FOR UNIVERSE,TEA FOR LIFE (1服) (モーニングKC (1487))
へうげもの―TEA FOR UNIVERSE,TEA FOR LIFE (1服) (モーニングKC (1487))


へうげもの―TEA FOR UNIVERSE,TEA FOR LIFE (2服) (モーニングKC (1512))
へうげもの―TEA FOR UNIVERSE,TEA FOR LIFE (2服) (モーニングKC (1512))


へうげもの―TEA FOR UNIVERSE,TEA FOR LIFE (3服) (モーニングKC (1545))
へうげもの―TEA FOR UNIVERSE,TEA FOR LIFE (3服) (モーニングKC (1545))


へうげもの 4服 (4) (モーニングKC)
へうげもの 4服 (4) (モーニングKC)


へうげもの 5服 (5) (モーニングKC)
へうげもの 5服 (5) (モーニングKC)


へうげもの 6服 (6) (モーニングKC)
へうげもの 6服 (6) (モーニングKC)


へうげもの 7服 (7) (モーニングKC)
へうげもの 7服 (7) (モーニングKC)


水の城 新装版―いまだ落城せず (祥伝社文庫 か 16-7)
水の城 新装版―いまだ落城せず (祥伝社文庫 か 16-7)


ken123atara456 at 19:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0) お勧めBOOK 

2008年10月25日

ホテルのバーは高いか

いつからはじまったのかは気がつきませんでしたが、麻生総理がホテルのバーを頻繁に利用することについてマスコミが得意のバッシングを仕掛けているようです。

本件、麻生総理がもともとお金持ちであることを貶めようとするマスコミの意図があまりにも見え見えで、利用の適否以前に非常に不愉快な話と思います。

私が日本の政治というか、それを取り巻くマスコミを中心とした振る舞いで、もっとも卑しく嫌いなのは、閣僚の家族を含めての資産公開という奴です。(国会議員は配偶者まででしたか)

政治家となってから悪いことして稼いでいないかチェックするということなのでしょうが、マスコミの取り上げ方は資産を持っていることが悪者かのような扱いばかりです。

これでは自らの努力で資産を築いた事業家はもちろんのこと、たまたま先祖の資産を引き継ぐことになった資産家も、日本国家や国民のために力を尽くそうとしても、何で自分の資産を全部公開しなければならないのだろうと思い、躊躇するのが普通ではないでしょうか。

資産形成までは税務署が目を光らせるべき話で、その資産を政治家という立場で悪いことをして増やしているかどうかだけを国民はチェックすれば良いはずで、どうもこの部分の個人情報に対する扱いが腑に落ちません。

あり得ませんが、私が政治家になれと言われたら、ほとんど資産はないですがこの一点だけでNOと言うつもりです。

さて、ホテルのバーの話ですが、資産家の総理と一般庶民を比較してのマスコミ報道は論外ですが、私の意見としては麻生総理は大変賢い選択をしており、叩くマスコミがおかしいです。

若い頃はホテルのバーは一杯が高いなぁと思ったこともありますし、私自身は今でもたまにしか利用はしませんが、待ち合わせ、商談、相談ごとには最適と思います。

ホテルのバーでしこたま飲むことは滅多にありませんし、食前、二次会で利用するには、居酒屋よりは高いつまみは、頼んでも一品かニ品ですから総額では決して高額にはなりません。

ボトルが高いという新聞記事も見ましたが、バーにボトルを入れると大体割安になりますし、これまた余程行き付けでなければ入れません。

総理大臣という立場で一番大切なのセキュリティーの確保であり、同時に安心して話を出来る環境だと思います。

これまたマスコミ報道によると、麻生総理はホテルのバーでも個室を利用しているそうで、こうしたケースでホテルが個室料を請求しているとは思えないのですが、セキュリティー面でも機密性の面でも極めて賢い選択だと思うのです。

マスコミが長年叩いてきた「料亭」利用も実は、セキュリティー、機密性の二つを満たす環境としては最適の一つであり、実際には世間一般が考えるよりはるかに安く利用していると思いますが、それよりホテルのバーは更に安いと思います。

ましてや麻生さんの場合には自腹利用と公言していますから、これに対して文句を言うマスコミのあり方は全くなっていないと思います。

それともマスコミは毎日、サラリーマンが利用する居酒屋に麻生さんが政治家と現れて、皆さんにセキュリティーで迷惑かけて、周囲に聞こえる中で機密性の高い話をすべきと言うのでしょうか。

マスコミが大好きな小泉元総理だって色々に店を利用していたのに、麻生総理だと叩くのは全く理解できません。

最後に、昔のホテルのバーは経済界の新旧経営者のたまり場となっていて、ここで新たなビジネスが生まれ、日本を再度成長させる上でのネットワークが出来上がっていたという話を色々な先輩方から聞いていた私としては、あまりにも程度の低い今回の騒ぎに、日本の将来を心配してしまう次第であります。

日本人の一番嫌な「妬み」の一つの現れだとすると、マスコミには、こんなくだらないことに血道を上げずに、麻生総理を筆頭とする全ての政治家が未曾有な世界的金融危機に立ち向かえるようバックアップをしてもらいたいと願う次第です。





ken123atara456 at 19:58|PermalinkComments(1)TrackBack(0) ちょっと言わせてください | 雑感

2008年10月13日

「ツール・ド・フランス 勝利の礎」を読んで

先般のホノルルセンチュリーライドでは何とか100マイル完走したものの、己の体重の重さと、やはりロングライドにはクロスバイクではなくロードバイクが適していると痛感させられましたが、クロスバイクを買った一昨年の初冬と比べるとすっかり自転車ブームとなってしまった昨今です。

そんな中、私の友人が以前から出版すると聞いていた「ツール・ド・フランス 勝利の礎(いしずえ)」が発売され、大変好調に売れているようです。

かくいう私も、出版当初はアマゾンでも取り寄せ状態だったので買えず、ようやく読むことが出来ました。

この本はがんを克服しツール・ド・フランスで不滅の7連覇を達成し、先月には来春からプロレースに復帰するとの報道がなされているランス・アームストロングの属していたUSポスタルサービスチーム(途中からディスカバリーチャンネルにスポンサー変更)の監督であったヨハン・ブリュニールの著によるものです。

彼らの組合せがなければ決してアームストロングの7連覇はなかったであろうと言われているそうですが、ツール・ド・フランスのように1ヶ月近くにわたる競技では個人の卓抜した能力だけでなく、チームの様々なタレントの活躍、更にはチーム間の駆け引き、そしてこれらによって引き起こされる無数のドラマがある訳で、この本ではそうした色々な側面が天才的監督の経験を通じて語られています。
もちろんロードレースについてほとんど知らない私にとってもワクワクするような記述が続きます。

彼はアームストロングの引退(とりあえずの)の翌年はツール・ド・フランスで勝てず、その翌年にコンタドールをエースに再度ツール・ド・フランスを制覇しますが、本人の現役時代から、ここまでの軌跡がいかなる精神のもとになされてきたか大変興味深く読みきりました。

以前に読んだランス・アームストロングの自伝「ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」と合わせて読むのも良いかと思います。
とにかくお勧めです。

今年はロードレース団体のゴタゴタでヨハンの移ったアスタナ・チームはツール・ド・フランスに招待されないという事件がありましたが、一緒に移ったコンタドールがツール・ド・フランスと並ぶグランツールであるジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャを続けて制覇するという偉業を果たし、改めてヨハンの凄腕ぶりを見せつけていますが、来年はランス・アームストロングもこのチームに加わるとのことでますます楽しみになりました。

ツール・ド・フランス 勝利の礎
ツール・ド・フランス 勝利の礎


ただマイヨ・ジョーヌのためでなく (講談社文庫 あ 105-1)
ただマイヨ・ジョーヌのためでなく (講談社文庫 あ 105-1)


マイヨ・ジョーヌ ― 伝説の1999-2005ツール・ド・フランス写真集
マイヨ・ジョーヌ ― 伝説の1999-2005ツール・ド・フランス写真集


ken123atara456 at 14:25|PermalinkComments(1)TrackBack(0) お勧めBOOK 
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