2011年10月15日

54回 「土着日本語」における同義語:模索への旅― 模索編:その41 つばえる(ツバエル)⇔はしゃぎ回る(はしゃぎまわる・ハシャギマワル)・じゃれ合う(じゃれあう・ジャレアウ)


2011-10-15 created

 伯耆(出雲)での、「つばえる(ツバエル)⇔はしゃぎ回る(はしゃぎまわる・ハシャギマワル)・じゃれ合う(じゃれあう・ジャレアウ)」は、その意味を共通語で表現するのに苦労する。引用文献の一部でも解説があるように、〇匐,鯊仂櫃箸靴道藩僂垢襪海函↓一般には、否定形で使用する、つまり、肯定的な意味がないことであろう。伯耆での用例に限定すれば、子供(達)が遊んでおり、はしゃぎ回る・じゃれ合うときに、「そんなにツバエルな!怪我をするぞ!(方言的には、そげに、つばえるなやい!アイマチをすうぞ!的な表現)」という用例がそれである。
 全国的に、類語方言を検索した結果、主流としては、2種類の系統が存在すると思われる。1つは、「そばえる・ソバエル」系であり、ツバエルもこれと同根と筆者は推定する。もう1つは、「ほたえる・ホタエル」系である。これらは、共通語(古語)として辞書に記載がある。上方では、その両方とも存在して、互いに同義語であるものの、使い分けがなされているという。それによると、.愁丱┘襦Δ修个┐襦Цぁηなどがざれ戯れる、▲曠織┘襦Δ曚燭┐襦Э佑ふざけ戯れるとなる。
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/4717325.html
 翻って、伯耆では、想起する限り、ソバエルと同根の「ツバエル」しかなく、その意味は、上記,任呂覆て、△琉嫐である。△琉嫐では、共通語と同様に、方言でも「ジャレル」だと記憶する。全国的に調査してみた結果も、当該2種系を有する地域と片方しか存在しない地域とがある。2種系が存在しても、上方のような上記の使い分けが必ずしも意識されていないようである。換言すれば、上記引用文献の著者の分析力が優れたものだと言えよう。
 ソバエル系と思われるもの達としては、ソバエル・so_baeru⇔ソビャアル・sob_ya_ru⇔ソベエル・so_be_eru⇔スバエル・s_u_baeru⇔ツバエル・t_u_baeru⇔t_i_baeru⇔チバケル・tiba_ke_ru、(もしかして、バエル・baeruも)があり、ホタエル系としては、ホタエル・ho_t_aeru⇔ホダエル・ho_d_aeruがある。その範疇に入らないと思われるものとしては、東北のオダツ・オダヅ、ホゴル、新潟のイキレル・ササカル、静岡のサワグ、福井のアバサケル、大分のオゴルなどがあるが、これらが、ソバエル系やホタエル系と同義語なのかの更なる精査も必要であろう。
 地方毎にまとめておく。
 先ず、東北では、ソバエル系に加えて、独特な系として、オダツ系がある。
★東北★
オダヅ:津軽:http://hougen.atok.com/dialect/words.sv?did=2&line=101&sort=202
オダツ:岩手:
http://www.net1.jway.ne.jp/morioka-daiichi_zaikyou35/general/Morioka-dialect-dictionary/Morioka-dialect-dictionary-2.html
ソビャアル:遠野:http://www.tonotv.com/members/gajyo/kotoba/s/si.html
⇔じゃれる・甘える
ソバエル:石巻:http://www3.ocn.ne.jp/~gthmhk/vortaro.html
 ★但し、「甘える」の意味!じゃれあうの意味では、オダツ・オダヅ
??:秋田:
ソバエル:山形:http://www.geocities.jp/yamacine/siryou/yamagatahougen.pdf
 ★但し、「甘える」の意味! 騒ぐの意味では、ホゴル ⇔ 伯耆:クヤホコル

 関東では、ソバエル系、ホタエル系、さらには独特な系もhitしなかった。ハシャグ・ジャレルがそのまま、使用されているということであろうか。
★関東★
??:栃木・千葉;
??:群馬・埼玉・神奈川・東京:
 中部では、ソバエル系が主体である。新潟は、独特系なのかも知れない
★中部★
イキレル:新潟:http://www.ash.ne.jp/~denjemon/kotoba,1.htm
ササカル:新潟:http://www6.shizuokanet.ne.jp/kirameki/hougen/niigata.htm
ソベエル:山梨:http://www3.ocn.ne.jp/~kaionji/jitensal.html
 ⇔ふざける
ソベエル:長野:http://hougen.atok.com/dialect/showtop.sv?did=32&sid=20aaefcc6a4f9501
 ⇔ふざける
サワグ:静岡:http://odousa.o.oo7.jp/enshuben/kouza2.htm
 ⇔はしゃぐ
ソバエル:富山:http://kogamikensetsu.blog115.fc2.com/blog-category-5.html
 ⇔ふざける
??:岐阜:
アバサケル:福井:http://gifu-omiyage.sakura.ne.jp/zatsugaku/hougen.html
 ⇔ふざける・はしゃぐ
ソバエル:名古屋:http://www52.tok2.com/home/ture/nawa/nawa.html#main
 ⇔ふざける・じゃれる
??:石川:
 近畿は、ソバエル系とホタエル系の共存である。
★近畿★
??:滋賀:
ソバエル:三重:http://mimizun.com/machi/machi/toukai/973420236.html
??:奈良:
ホタエル:和歌山:
http://www.weblio.jp/content_find/text/1/%E3%81%98%E3%82%83%E3%82%8C%E3%82%8B
ホタエル:京都:http://web.kyoto-inet.or.jp/people/esv389gt/kyotoben.html
ホタエル・ソバエル:大阪;http://oshiete.goo.ne.jp/qa/4717325.html
ホタエル:兵庫:http://tachibana-yukio.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/index.html
          http://www2u.biglobe.ne.jp/~m-510/hougenn.htm

 中国(地方)では、ツバエル系が主流である。
★中国★
バエル・ホタエル:伯耆・倉吉:http://www001.upp.so-net.ne.jp/ketoba/shin-kotobanorojiura3.htm
                   http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hogen.html
ツバエル:出雲・安来:http//arashima.yasugi.info/ara/hougen/hogenind.html
チバケル・ホタエル:岡山:http://www.elle-fs.com/fj/hohgen/index.html
ソバエル・ツバエル:石見:http://www1.ttcn.ne.jp/~kitasanbe/a_sub_hougen_iwami.html
ツバエル:広島:http://happyn04.fc2web.com/page/hougen.html
ツバエル・チバケル・ホタエル:山口:http://www.ysn21.jp/furusato/yomoyama/text62.html

 四国では、ソバエル系とホタエル系の共存である。
★四国★
ホタエル:香川:http://jamfunk.net/~tyousan/1007510456.html
ホタエル・ツバエル:徳島:http://www.geocities.jp/jakoba03ya/tora/10hougenn.html
ツバエル:愛媛:http://www2a.biglobe.ne.jp/~maruyama/iyo.html
ホタエル・ソバエル:高知:http://fanblogs.jp/kochicat/archive/515/0

 九州では、不思議なことに、hitが芳しくない。確実なのは、宮崎のスバエル、つまり、ソバエル系だけである。
★九州★
??:福岡:
オゴル:大分:http://www.d-b.ne.jp/siga/kenjin/oitaben.html
??:佐賀:
ホタエル:長崎:http://www.fsinet.or.jp/~uthida/hogen/
??:熊本:
スバエル:宮崎:http://www.miyazaki-catv.ne.jp/~n-satoh/hougen/hougen3.html
チバケル?:鹿児島:
http://hougen.atok.com/dialect/showtop.sv?did=12&start=86&sid=28cb3afc8757a101

 「蝸牛考」的視点からの考察としては、ソバエル系とホタエル系の2系統に注目して、かつ、両者の同義の点だけを注目して、更に、都では、ソバエルが時間的に先ず発生して、それが伝播して、その後で、ホタエル系が発生したと仮定する。東北では、ソバエル系は存在するものの、ホタエル系が不在であること、関東は残念ながら、双方とも不在であるが、中部は、ソバエル系のみである。東北の反対の極である、九州では、残念ながら、不明確であるが、宮崎はソバエル系である。中国も、ソバエル系である。両系並存地域は、近畿と四国である。以上からすれば、多少強引なところもあるが、「蝸牛論」が成立との立場も有り得るであろうか。但し、東北での独特の「オダツ」系は、どう解釈すべきだろうか。孤立的であると同時に、他の純正日本語達から、「オダツ」系の語源を類推できるであろうか?(ウダツからか?それでは、意味が連動して来ない!?) できないように思われる。つまり、
独特な固有の起源があるのではないのか?それはさて置き、ソバエル系が古い時代の都から遠野までは、伝播したこと、その外域の土着系であるオダツ系はそのまま残ったこととの説は成立する。

Case56:「つばえる(ツバエル) 」:「はしゃぎ回る(はやぎまわる・ハシャギマワル)・じゃれ合う(じゃれあう・ジャレアウ)」共通語
― 用例は、上述した通り。
― 「つばえる(ツバエル) 」の分布:中国・四国

仮説56:「つばえる(ツバエル) 」:「はしゃぎ回る(はやぎまわる・ハシャギマワル)・じゃれ合う(じゃれあう・ジャレアウ)」共通語
― 「純正日本語」
― 「蝸牛考」的視点からの考察は可能性がある。

 当面は、ken1ada@yahoo.co.jpまでcommentsを!そのe-mailにより「第○回にcommentsを
書き込んだので読んで欲しい!」とかの交信方法を!



ken1ada at 03:16│Comments(0)

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
自己紹介

足立堅一

著者紹介

aaaaa




基礎から理解できる医学統計学

基礎から理解できる医学統計学

内容(「MARC」データベースより)


多変量解析入門

多変量解析入門

内容(「MARC」データベースより)
医学・薬学研究で最も重要な多変量解析手法。多変量解析の読解に必要な線形代数のキーポイントを、根底から多変量解析での応用まで解説。「重回帰分析」や「標準化」「スペクトル分解」などについても外観する。


統計学超入門

統計学超入門

内容(「MARC」データベースより)
何冊解説本を読んでも分からない、あの数式を見ると頭が痛くなる…など、統計学の学習で挫折を繰り返してきた人に向けた究極の統計学入門書。難解な数式を極力排除し、統計的なものの見方、考え方を中心にわかりやすく解説。


EBM実践のための統計学的Q&A

EBM実践のための統計学的Q&A

内容(「MARC」データベースより)
医学の実務家としてEBM(evidence‐based medicine)を実践するためには、研究論文や文献を批判的に読解する能力が必要。本物の論文を題材に、統計学的な理解や解釈ができるよう指導。医学生が対象。


実践統計学入門

実践統計学入門

内容(「MARC」データベースより)
「パラメトリック検定とノンパラメトリック検定との使い分け」「基準値問題への対処法」等、生物学的データを扱う非臨床・臨床の双方の現場で遭遇する問題を特定、警告し、その実戦的対処法について提示する。


らくらく生物統計学

らくらく生物統計学

内容(「MARC」データベースより)
統計学的な考え方、論理構築、思想を中心にわかりやすく解説した入門テキスト。医学における臨床研究を行う人々に向けて、生物統計学の基本を説く。

最新記事
最新コメント
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード