2016年04月28日

「賃貸住宅フェア2016in福岡」でセミナー講師を担当

5月17日(火)「賃貸住宅フェア2016in福岡」で14時20分から15時10分までセミナー講師を担当することになりました。

主催:全国賃貸住宅新聞
場所:福岡国際センター
HP:http://www.zenchin.com/fair2016_kaisai/fukuoka/

私の持ち時間は50分。

あまり短い時間で話をすることがないので、どこまで伝えられるか。

また、今までは分譲マンションに暮らす方を対象に話をしてきましたが、賃貸オーナーに向けて話すのは私の記憶では2回目になります。

このイベントで大規模修繕をテーマに話すのは私が初めてだそうで、今までニーズは多かったのだけれど、担当の方はどこの誰にお願いすればいいのか決めかねていたようです。

新たな試みということもあって、ワクワクしてしまい、ついつい張り切ってしまっています。

話したいこと、伝えたいことがたくさん出てきていて、今、必死にレジメの縮小に取り組んでいるところです。

講演テーマは「大規模修繕の準備と居住者対策〜マンション・ビルの200年化〜」ですが、

・熊本地震で被災した鉄筋コンクリート造マンション及び木造アパートの新築時の施工事情
・建物、居住者を守るために賃貸オーナーが事前にできること
・建物の劣化状況を知るために今すぐできること
など、多くの賃貸オーナーが抱える問題について役立つ話をしたいと考えています。

このイベントを福岡で開催するのは12回目。

前回は約4000名の方が来場されたようですが、参加者のほとんどはオフィスビル、賃貸マンション、高齢者施設のオーナーと聞いています。

今回たくさんの人たちが来場されても、初テーマのセミナーとなりますので、私のセミナーブースに来てくれるとは限りません。

賃貸マンションにはまだまだ大規模修繕が浸透していないのです。

私にとって完全アウェーのイベントです。

福岡のみなさん、冷やかし気分でいいので、ぜひ覗きに来てください。

お会いできることを楽しみにしています。

ken_yonezawa at 16:09|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2016年04月08日

<マンション大規模修繕における修繕周期12年を15年にするための プロジェクトがいよいよスタート>

数年後には修繕周期20年にするための足がかりとして捉えています。

このプロジェクト立ち上げを決意して早いもので4年と数ヶ月経過しました。
その間、まずは机上で試行錯誤しながらシステムの構築を何度も何度も
練り直しました。

そして管理組合様の承認をいただいた上で工事現場での実地検討を
数え切れないほど実施してきました。
今だから正直に話しますが挫折しそうになったこともありました。

たくさんの方々に助けをいただいてここまでのシステムを
作り上げることができました。
私のような「大規模修繕バカ」が周りにたくさんいてくれたから、
ここまで来ることができたのだと今になって思います。

私がこのプロジェクト立ち上げを決意するきっかけとなったのは、あるマンションの理事長からいただいた相談からでした。

そのマンションは1回目の大規模修繕から、たった5年で外壁の塗装が剥がれ始め、日をおうごとに剥がれる範囲が広がっていったとのことでした。
管理会社にお願いしてその工事を行った施工会社を探してもらい連絡を取ったところ、すでに倒産。
頭の中が真っ白になったと言います。

1回目の大規模修繕のときに理事長だったため自分で大きな責任を感じている。何とか最小限の補修で済ませたいので相談に乗って欲しいとのことでした。

今まで管理会社を含めて数人の人に現状を見てもらったが「これは全面的にやり直すしかない」という答えしか返ってこなかったようです。

全面的にやり直すにしても多額の資金が必要になる。
到底、今ある修繕積立金で足りるわけがありません。
一時金徴収、金融機関からの借り入れなどを行うにしても、どうすれば組合員に承諾してもらえるのか、毎日考えているけれどいい考えが浮かばない。
力を貸して欲しいとお願いされました。

早速、建物を見に行きました。
ビックリどころの騒ぎではなかったです。

図124


図125


まぁとにかく、あちらこちらの塗装が剥がれ落ちて見るも無残な姿でした。
今までにも傷んだマンションは数え切れないくらい見てきましたがこれほどひどい姿のマンションを見たのは初めてでした。
マンションが可哀想に思えたくらいです。

外壁の塗装が剥がれた原因は窓サッシ下部の水切りにあることが見てすぐに判りました。
一般的には水切りの出巾は外壁面から20〜30mm必要なのですが、このマンションでは約半数の窓水切りの出巾がほとんどゼロ状態でした。
これでは外壁塗装がはがれて当然です。

新築工事会社、1回目の大規模修繕工事会社の技術者がその原因に気づいていたのか、いなかったのかは不明ですが、なぜ新築時にこの状況で建物が竣工したことになり引き渡しが行われたのか。
それともう一つ、なぜこの状況を改善せずに1回目の大規模修繕を行ったのか。

私はこの現状を目の当たりにし、とても悲しく惨めな気持ちになりました。

この工事に関わった設計事務所、施工会社のモラル、マインド力の低さに驚くばかりでした。

その後、組合員への説明・説得から始まり総会決議まで、その後の大規模修繕工事、さらにアフターフォローも含めて今も関わりをもたせていただいてます。
私はこのマンションとそこに暮らす組合員にすごく愛着を感じていて一生守り続けていこうと決めています。

また、この時から大規模修繕工事で不良工事だけは、絶対に行ってはならないし、当協議会の仲間と共に施工精度を上げるためのシステムを作り実行すると心に誓いました。

「本当の大規模修繕工事」とは、ただ、建物の傷んだ箇所を直すだけではなく、より長持ちできる建物に改良することだと思っています。

「本当の大規模修繕を行うためには、何をすれば良いのか?」「どうすれば、全国の設計事務所、施工会社が本当の大規模修繕を実施できるのか?」について考え続け、出した答えが、「修繕周期を15年にするプロジェクト」です。

もちろん、完成品ができたわけではありません。
目指すところは修繕周期20年です。

まずは修繕周期15年を確立させるために設計事務所、施工会社、
メーカーが結集し、昨日その1回目の研修を東京で実施しました。

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このプロジェクトは認定制度になっていて3回行われる研修の最後に
研修ごとにテストを実施し、規定以上の点数を取得した技術者が
「大規模修繕設計・工事監理技術者」もしくは「大規模修繕施工管理技術者」
として認定され設計・工事監理者もしくは施工管理者として
「15年周期での大規模修繕工事」においてリーダーの役割を
担うことができます。

日程は
第1回 東京 4/7 (木)・福岡 4/12(火)・札幌 4/14(木)
第2回 東京 5/26(木)・福岡 5/19(木)・札幌 5/23(月)
第3回 東京 6/23(木)・福岡 6/28(火)・札幌 6/30(木)

数名でしたらまだ参加可能な地域もございます。
マンション大規模修繕協議会までお問い合わせください。
http://www.renovaters.net


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2016年03月23日

「マンション標準管理規約」が改正されました。


大きな改正は2点あります。

一つは管理組合の役員に外部の人を登用できるようになりました。

役員のなり手不足はどこのマンションでも深刻な問題になっています。

怖いのは委託者に任せっきりにすると色々な問題が出てきます。

特にお金に関するルール作りをしっかり行ってからでないと、
せっかく貯めたお金がどこかに消えてしまいます。

もう一つは管理費を夏祭りなどの費用に充てられないようになりました。

これは考え方を変えればいかようにも処理できる話ではないでしょうか?

いずれにせよお金に絡む内容は十分吟味して取り掛からないと
組合員一人一人の生活に大きな支障が出ることになります。

国土交通省発表内容を添付します。

「マンションの管理の適正化に関する指針」及び「マンション標準管理規約」の改正について
平成28年3月14日

本日、「マンションの管理の適正化に関する指針」(告示)及び「マンション標準管理規約」(局長通知)を改正しましたので、公表します。

1.背景・経緯 
マンションの管理ルールについて、高齢化等を背景とした管理組合の担い手不足、管理費滞納等による管理不全、暴力団排除の必要性、災害時における意思決定ルールの明確化など、様々な課題が指摘されており、これら課題に対応した新たなルールの整備が求められていました。

(これまでの検討経緯)
・平成24年1月 「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」を設置
・平成27年3月 同検討会報告書とりまとめ
・平成27年10月21日〜11月19日 パブリックコメント実施

2.今回の改正の概要等
[1] マンション管理組合による管理の適正化のための必要事項を定めた「マンションの管理の適正化に関する指針」(マンション管理適正化法第3条の指針)の改正を官報公布
→ コミュニティ形成の積極的な取組みを新たに明記、外部専門家を活用する場合の留意事項を明記 等
[2] 区分所有者間で定めるマンションの管理ルール(区分所有法第30条の規約)の標準モデルである「マンション標準管理規約」及びこれの解説である「マンション標準管理規約コメント」の改正を自治体・関係団体に通知
→ 外部専門家の活用、管理費等の滞納に対する措置、暴力団等の排除規定、災害時の管理組合の意思決定、管理状況などの情報開示に関する規定を整備、コミュニティ条項を再整理 等

※なお、マンション標準管理規約及び同コメント(団地型)、マンション標準管理規約及び同コメント(複合用途型)については、策定が出来次第、国土交通省ホームページにおいて公表する予定です。

3.パブリックコメントに寄せられたご意見について
これら改正案に対するパブリックコメント(平成27年10月21日〜11月19日)で寄せられた主な意見に対する国土交通省に対する考え方についても、公表します。

【公表リンク先】『国土交通省HPトップページ』→『住宅・建築』→『住宅行政』 →『マンション政策』 →『マンション管理について』
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000052.html


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2016年02月28日

大規模修繕協議会主催の特別セミナー終了です。

今までと会場、内容が違うせいなのか?
よく分かりませんが、終えてみると少々疲れてました。

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内容は前半が横浜マンションの杭に絡む傾斜問題、
南海トラフに絡む耐震構造や管理組合における
対処方法について。

後半はマンションの瑕疵における管理組合の対処方法。

参加者はみんな真剣に聴き入ってました。

笑いも所々入れてみたけど、あまり反応していただけず。

いつもと違う空気が?

トホホ (^_^)

その分だけ疲れたのかな?

ken_yonezawa at 19:39|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2016年02月20日

横浜マンション傾斜問題と南海トラフ巨大地震

突然ですが
コンクリートの中に隠れているはずの鉄筋が露出している
マンションに住みたいですか?

住んでいて不安はないですか?

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時間の経過とともに露出している鉄筋の錆びが進行し
いずれ鉄筋コンクリート壁が崩壊していきます。

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これは明らかに新築時の工事ミスです。

こちらの管理組合ではすぐにでもきちんと修繕して
欲しかったのですが誰に、どのように交渉すればいいのか
わからないままに時が過ぎていました。

時間の経過とともに、この状況が住民間で噂になり
不安だけがどんどん募り理事会、管理会社にその気持ちを
ぶつけていました。

でも、不安な気持ちをただぶつけていても
何も解決はしません。

新築時の工事ミスは放ってはおけない大変な問題です。

構造上、致命的な欠陥の事例も見つかっています。

横浜のマンション傾斜問題は氷山の一角と言っても
過言ではないのです。

いつ発生してもおかしくない南海トラフに絡む地震に
あなたのマンションは耐えられますか?

2月27日に東京丸の内でセミナーを
緊急開催することにしました。

どのように対処すればいいのか?
どうやって解決するのか?
を説明させていただきます。

参加をお待ちしています。
http://www.renovaters.net/seminar-special/marunouchi.html

ken_yonezawa at 18:44|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2016年01月27日

マンション大規模修繕協議会の支部長会議と新年会を開催。

2016年度活動方針を発表。

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今期の一大事業になっている
大規模修繕15年周期技術者認定制度の
概要発表の場面ではケンケンガクガク
色々な有意義な意見が出てくれました。

私自身もまだまだ煮詰めきれていない部分が
数多くあったのですが全て埋め尽くせると
確信できるような意見が次々と出てくれました。

目的を同じに頑張っている仲間に感謝です。

スタート日は決まっているのでここから先、
大至急修正して会員全員が納得できるシステムに
仕上げていきます。

会議終了後は全員で新年会。

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全員でしゃっシン撮影したはずなのですが
会場が狭かったのか後ろの方数名が
映りきっていなかったようです。

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新年会終了後はそれぞれに五反田の歓楽街に
消えていきました。


ken_yonezawa at 17:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年12月16日

耐震補強工事を行っているマンションで現場見学会を開催。

耐震補強、大規模修繕工事を行っている千葉にある築40年のマンションで現場見学会を開催。

また、どのようにして工事資金を捻出したのか、どうやって組合員の合意を得たのかをテーマにした座談会を開催しました。

マンション大規模修繕協議会メンバーによる耐震補強、大規模修繕工事を同時に施工している現場見学と座談会は初めての試みだったので参加者全員興味津々でした。

今回の耐震補強の工法はマンションにとって、すごくいい工法だと思います。

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基本は簡単に言うとベランダの掃き出し窓の横壁を厚くし、その厚くするコンクリート壁の中に鉄骨と鉄筋を入れてマンション全体を補強するという工法です。

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住民が住みながら工事できること、住居内は一切工事しないこと、敷地にゆとりがなくても工事できることが最大のメリットと感じました。

また、座談会でどうやって組合員全員の合意を得ることができたのかを聞いてみると、即答で日頃のコミュニティ活動が実を結んだということでした。

最後まで数名の方が反対されていたそうですが理事会・修繕委員会が長い期間をかけ、親身になって話し合いを続けた結果、最後は全員賛成で工事に進むことができたのだと感慨深げに話していただきました。

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私もことあるごとにコミュニティ活動の大事さをセミナー等で訴えていますが、管理組合にとって、これほど難しいテーマはないようです。

特に都心部のマンションにとって一番難しいテーマなのかもしれません。

コミュニティ形成における解決方法は根気よく活動を続けていくことと、その活動報告と活動の大事さを組合員にしっかりと伝えていくことだと思います。

ken_yonezawa at 17:19|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年11月08日

マンション大規模修繕セミナーin金沢 

昨日の金沢セミナー、記念すべき第1回目。
上出来でした。

参加者も初めはみんな難しい顔で入場、
帰りはみんな満面の笑みを浮かべて
帰って行ってくれました。

横浜の傾斜マンションの話では全員釘付けになって
真剣にメモされていたことが印象的でした。

セミナーで話した「大規模修繕15年周期」の
内容についても納得して頂けたと思います。

集客の方法は現地スタッフ3人のポスティングのみ。

1万部撒いて30人出席。

効果はすごく高かったと思います。
セミナー終了後の反省会でポスティングした3人が口を揃えて
言ったことは『必死に汗流して頑張ったお陰で汗の量以上に
成果は得られた。今は安堵感、達成感で一杯です。』


この金沢の若い3人の頑張りは近い将来、
管理組合との信頼関係がどんどん強い絆となって
台風なみの新しい風を運んできてくれると確信しました。


スタッフの皆様、何もかも初体験で大変だったと思います。
本当にお疲れ様でした。

参加いただいた管理組合の皆様、これからどんどん
ためになる情報を提供し、少しでも皆様の生活が
楽しくなるようサポートをさせていただきます。

ありがとうございました。

ken_yonezawa at 16:32|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年10月27日

<横浜マンション傾斜問題に思う>

建築基準法では、建築士の工事監理者を置くことを義務付けています。

建築確認申請書に工事監理者を記入する欄があり「未定」と記入されていても確認申請は受理され、着工前までに決定することを条件に検査機関から確認通知書として通知がなされます。

また、着工時に工事監理者が決まっていなくてもなんら問題なく着工されているのが現状です。

さらには、工事監理者名が確認申請書に記入されていても実際には現場に従事していないというケースは多々見受けられます。

今回のケースは後者に当てはまることがマスコミの報道から伺えます。

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データ改ざんを行った担当者に重い責任があることは当然なのですが「元請け施工会社や設計会社は、杭の施工について報告を受け確認し、書類に押印した上で自治体へ届け出ているはず。

不正を見抜けなかったとしたら現場での確認を怠っていたことになります。


今回の傾斜問題で大騒ぎになっている横浜のマンションでは三井住友建設(株)の設計施工と聞いているので設計者、工事監理者共に三井住友建設(株)1級建築士事務所が元請けと考えられます。

ということは、施工業者としての元請け責任のみならず、監理者責任も問われることになります。

通常であれば、元請である三井住友建設の施工管理者(現場監督)が杭工事を請け負った旭化成建材における担当者の作業をきちんと管理しているはずです。

さらに、全ての杭が支持層まで達しているかを現地で一本一本確認していなければなりません。


もう一つ、設計工事監理としての元請である三井住友建設(株)1級建築士事務所の工事監理者は施工管理者と共に、全ての杭が支持層まで達しているかを確認する義務があったはずですが、それができていなかった。

通常の状態では両者ともに万全の体制でチェックすることが当たり前なのに。

この両者が役割を全うできる体制と担当者の行動がなされていれば、二重チェックがされ今回のような問題は起きていないはずです。

三井住友建設の元請施工会社としての責任や、三井住友建設(株)1級建築士事務所の工事監理者責任は、もっと問われてもよさそうなものなのですが、マスコミの論調はどうも違っているような気がしてなりません。

私は三井住友建設だけを責めているわけではありません。
似たようなケースは全国に山のように存在していると感じています。


今こそ、建設業界のあり方を見直し、工事監理者の重要性を認識し、必ず責任を伴うようにシステムを確立するべきです。

そして、二重チェックを確実に実施し、精度の高い日本の技術をもう一度作り上げ、マンションに住まう全ての人たちが安心して暮らせるように、今回失った信頼を早期に取り戻さなければならないと考えます。


ken_yonezawa at 17:44|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年10月23日

<横浜マンション傾斜問題に思う>

大手ディベロッパーが販売した横浜のマンションが傾いた問題で、建物と地盤を固定する杭打ち工事のデータ改ざんが明らかになりました。

また、当初は「東日本大震災の影響の可能性がある」と回答し、傾きが判明するきっかけとなった渡り廊下の手すりの高さのずれを住民が指摘してから今回の説明会までに、11ヶ月もかかるという無責任な対応も問題となっています。

テレビや新聞等、マスコミが行っている住民へのインタビューを見ると、「地震のことを考えると夜も眠れない」「将来売却を考えていた資産価値への影響が心配」と不安が頂点に達していることが感じられます。

横浜市が調査に入っていますが、建物の状況がどのようになっているかを住民は確認のしようがありません。これからの生活に不安になるのは当然です。

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「全面建て替えはハードルが高い」

データ改ざんは3棟で行なわれたようですが、ディベロッパーは全4棟の建て替えを提案しました。
当初は補修工事で対応する予定だったようですが、建物の地下のさらにその下の作業になるため実施が難しく、完全に傾きを補修できる保証はありません。

また、風評被害による資産価値の目減りも避けられません。
莫大な費用がかかっても、建て替えという提案しかなかったと思われます。

しかし、管理組合が建て替えを決定するには区分所有者と議決権の5分の4以上の同意が必要です。
全4棟からなるマンションの総戸数は705戸。
合意形成は非常にハードルが高いと言えます。

マンションの建て替えは検討から合意だけで平均8年かかると言われています。
管理組合が中心となって進める場合とは異なりますが、あくまで決定権を持っているのは管理組合です。
住民の説明会で建て替えまでの期間を3年半と見積もっていますが、合意形成だけで相当の時間と労力がかかると想定されます。

また、数年経てば、組合員一人ひとりの生活事情は大きく変わります。
建て替えたはいいが、再び入居する世帯がどれだけいるのか?
この辺りも考えていかなければならない問題です。

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「なぜ、手抜き工事が見過ごされたのか?」

報道によると、データの改ざんに関わったのは15年勤続のベテラン技術者で、プリンターのスイッチを入れ忘れたり、記録紙が水でにじんで読めなかったりしたために他のデータを転用したとありますが、結果として施工データを偽装したわけですから、検査機関や行政が手抜き工事を見抜くのは不可能に近いと考えられます。

今回の問題はデータ管理の問題ではなく、施工データの偽装が意図的に行われていたことにあります。
杭が強固な地盤に達していないことを分かっていながら、データの改ざんが行なわれたことは明らかで、日本の建設業界の信用を根底から覆す非常に悪質なものです。

しかし、気になることもあります。
支持層への杭うち工事は技術者一人でできるとは考えられません。
データはリアルタイムで表示され、それを現場監督や工事監理をしている建築士は確認しているはずです。
それをしていなかったのなら、工事監理者及び施工管理者の監督、管理不行届も今回の大きな問題になります。
セメント量にしても同様です。
となると、基準に達していないと知りながら、それを是正せずにその事実を組織的に隠蔽した可能性もでてきます。

今回の問題は建設業界の構造的な問題が原因の一つと考えます。
建設業界には利益を捻出するために下請け業者に負担を負わせる構造があります。
通常、完成が延びれば、その分を違約金としてディベロッパーに支払う契約で工事は行なわれます。

マンション購入者は引越し等があるので、入居予定日には確実に引き渡す必要があるからです。
そのため、工事がきちんと行なわれていないと知りながら、利益優先で、組織的にデータを改ざん、隠蔽したのではないかと考えられるわけです。

安全よりも利益を優先してしまった結果、今回の問題が起こったのではないかと思います。
これはモラルや倫理の問題で、担当した技術者、現場監督、工事監理者が、自分の立場における業務の遂行を怠ったと言えます。

もしかしたら、さまざまなしがらみから、工事をストップさせることができず、妥協して工事を進めてしまったのかもしれません。
また、基礎工事をおろそかにすると、いずれ問題になるのは明らかです。

技術者の知識不足も「このままにしていてはとんでもないことになる」といった想像力、危機管理の欠如に繋がっていると考えられます。

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「マンション大規模修繕でも同じようなことが起こっている」

実はマンション大規模修繕業界でも同じようなことが起こっています。
大規模修繕の場合は修繕が中心なので大きな問題になっていないだけです。

データの改ざんこそありませんが、「これくらいなら大丈夫だろう」と施工会社側の都合による工事で、塗装が5年で剥がれる等、劣化の進行が早まっている不良マンションは多く見られます。

私は今、修繕積立金不足の問題を解決するために修繕周期を15年に延ばすプロジェクト(修繕周期15年プロジェクト)を進めています。
研修による技術者教育の徹底はもちろんですが、このプロジェクトの大きな柱は「マンションに住む人々の永続的な幸せを自分の幸せだと本気で思える人間性を育む」というマインド力の強化、そして、当協議会と設計事務所による工事検査の二重チェク体制です。

管理組合が安心して企業に業務を任せられるように、これから認定制度を組立て、大規模修繕に関わる設計事務所、施工会社等、担当者全員のマインド力、技術力を高めて、施工精度を上げ、組合員一人ひとりが安心できる住まいづくりを行ってまいります。

私たちは営利を目的とせず「マンションに暮らす全ての人が、安心して、快適に過ごせる環境をつくる」を使命とし、マンションにお住まいの方や管理組合を対象に、大規模修繕に関わる相談・調査・研修等の啓蒙活動を行っている組織です。

今後は業界全体のレベルアップも含めて、組合員の皆様の立場に立ち、同じ目線で一緒に考え、諸問題解決に取り組んでまいります。

マンション大規模修繕についてお困りのことがございましたら、「マンション大規模修繕協議会」まで、お気軽にお問い合わせ下さい。

ken_yonezawa at 11:18|PermalinkComments(0)TrackBack(0)