ネコちゃんやワンちゃんのための食事やサプリメントについて考える時、多くの飼主様が特に気にされる代表的なこととして、その製品に含まれる成分構成や含有量に関することがありますが、不思議なことに、製品ラベルに記載された「含有量」ばかりを見ていて、一番肝心な「実際の摂取量」がどれほどなのかを理解されていないという実例がとても多いのです。
薬でも食材でもサプリメントでも、そのすべてについて共通する基礎中の基礎と言える一般常識ですが、これはとても重要なことですので、ここを勘違いしてしまうと、例えば、60日分の使用量が入っている 50ml入りの水溶性サプリメントに記載された成分値(100mlあたりの成分値が記載されているものが多い)だけを見て、「このサプリメントには、大量の○●が入っているから有害だ」というような大間違いな判断をしてしまうことになります。
大切な家族であるワンちゃんやネコちゃんが闘病生活を送っていると、飼主様の精神的なストレスや疲れなども溜まっていってしまいがちですので、そうしたストレスフルな状況が、無意識の内に冷静さを奪っていってしまう部分もあるのではないかと思います。私自身も、そういう精神状態を味わった経験がありますので理解できます。だからこそ、何度繰り返してでも、「含有量」と「実際の摂取量」の正しい見方について、お伝えしていこうと思います。
サプリや食品の「含有量」と「摂取量」の見方について
「含まれている」と「摂れる」は違う!
皆さまもよくご存知の「食品成分表」を思い出していただければ分かり易いと思いますが、食品に含まれる色々な成分の含有量は、その食品100グラムあたりにどれだけ含まれているか、で表されることが一般的です。日本で利用される主な食品の成分量を収載した『日本食品標準成分表』も同様です。ある食品や製品について成分表を調べ、たとえば、カルシウムがたくさん含まれていれば、その食品は「カルシウムを豊富に含む食品」と言っても間違いではないでしょう。しかしながら、それを食べさえすればカルシウムを充分に摂取できる」と考えるのは正しくありません。成分表に記載されている「含有量」とは、あくまでも「100グラムあたり」に含まれる値ですので、どんなに表示含有量が多くても、実際に食した食物量が少なければ、当たり前のことですが、実際に身体に取り込める成分の「摂取量」も比例して少なくなります。特に、サプリメントの量と摂取量を考える場合、このことは非常に重要な基本中の基本となることです。.
たとえば、一般的に緑茶はビタミンCが豊富であるとされています。確かに煎茶100グラム当たりでは260ミリグラムのビタミンCがあるとされていますので、そこだけ見れば、とても多く見えますが、実際にお茶を淹れる時に使う茶葉の量は、おそらく、ほんの5グラム程度のものです。つまり、実際に飲用する量の「抽出煎茶」では、わずか6mg程度のビタミンCでしかない、ということです。
液体サプリメント等の場合にも、ラベルに「100mlあたりの含有量」または「製品1本あたりの含有量」などが記載されていると思いますが、疲れた時などにぐぐっと飲みたくなる健康ドリンク(笑)等のように、その製品を1回で1本飲みきるタイプのものでない限り、100グラム(または1本)あたりの含有量だけに目を奪われることなく、その製品を、一日あたりで実際にはどれだけ摂取するのか、その「実際の摂取量」を冷静に考えることが非常に大切です。食品やサプリメント等の成分の摂取量は、その食品や製品に「含有される量」と「実際に食する量」の積(摂取量=含有量×摂食量)で決まるという関係を絶対に忘れてはいけません。
さて、具体的な事例として、水溶性の天然ミネラルサプリメントである「ケイ素の恵み」の見方について触れておきましょう。実際、上記の部分の勘違いにより、誤った認識から製品の良し悪しを語っておられる事例が見受けられことが時々あります。ミネラル成分であるリンもカルシウムもカリウムも、どれも哺乳類が生きていく上で必要不可欠な成分なのですが、腎不全だと、これらの成分が入っているだけで「毒」だと思い込んでおられる飼主様も意外と多いようです。生命活動に必要なものですので、腎臓療法食も含め、ありとあらゆる食材に含まれている成分なのですが、問題となるのは、「一日あたりに、一体どれだけの量を摂取するのか!?」ということです。ケイ素の恵みを例にとり、具体的な数値を記載してみましょう。どの成分についても計算方法は同じ要領で行うことができますので、ここでは、過去に一番ご質問の多かった「リン」の成分値と摂取量で見てみましょう。
数値の比較が理解し易いように、大手フードメーカーの腎臓療法食を例にとり、ケイ素の恵みと比較してみました。ケイ素の恵みの成分値と具体的な摂取量のことをご存知の獣医師様は「ケイ素の恵みのリンは問題ないですよ」とおっしゃっている意味がご理解いただけるかと思います。
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■猫用腎臓療法食・缶詰(156g:4kg程度の猫の一日分)の場合
リン含有量(0.08%以上)→ 1日分の摂取重量、約0.1248 gに相当。
■ケイ素の恵みの場合(猫一匹、50mlボトルで40日~60日分程度)
50mlボトル中のリン含有量(14.3mg)
※ラベルには100ml中の量が記載されています。
※14.3mg = 0.0143g ( 目安として、40日分~60日分)
1日分摂取量、0.0143g ÷60(60日分の場合) = 0.0002383 gに相当。
1日分摂取量、0.0143g ÷40(40日分の場合) = 0.0003575 gに相当。
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いかがでしたか? ケイ素の恵みに含まれる「リンの一日あたりの摂取量」が如何に少ないかが一目瞭然ですよね。ナトリウムやカリウムなど、他にも気になるものがあれば、上記の方法を参考に、一日あたりの摂取量を是非確認してみてくださいませ。
■ケイ素の恵み
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