<外伝1:きゃんせるダクネス> 

ウィッッス! 
オレKEN。 

無事アドバンシング専門学校を卒業し、実家のトンカツ屋で修行に勤しむ20歳。 

ミカド杯の激闘が忘れられず、セイヴァーと聞けば飛んでいくやる気勢だ。 
あの大会は奇跡かまぐれか、日々わからされている。だがオレのやる気は止められないってね! 


ミカド大会 


今日はミカドでセイヴァーの大会がある。 
「Darkforce Combo Championship」通称DCCの予選大会だ。 
大会名の由来はわかんないけど、なんとなく熱いパトスを感じるぜ。 

予選とはいえ、優勝目指していく。そのために日曜日の忙しい時間に無理を言ってバイトのお○お○君に仕事を代わって貰ったんだ。負けられない。 

実は2on2大会だというのにパートナーが決まっていない。というのも、J○さんもカ○さんもBu○zさんも既に相方が決まっていて最近この大会を知ったオレは余ってしまったのだ。もしかしてオレ、ハブられてる?なんつってね! 

聞くところによると、遠征者や新規プレーヤーを考慮してパートナーは斡旋してもらえるらしい。オレもそろそろオスローのみんなに頼らずに一人立ちしなきゃって事だね。 

「大切なのは自分の力を出し切る事。結果は後から付いて来るものだよ。」 
あの人ならきっとこう言うだろう。 


決戦の地、新宿 


お盆ということもあり、ミカドの所在地新宿は人で溢れていた。おそらく休みを利用した遠征者達も集結してくるだろう。 

未だ見ぬライバル達との熱戦に胸躍らせながら慣れた足取りで一路ミカドを目指す。 

余談だが、ミカド近くにある「長崎屋」という店は美味い。最近は新メニューの冷やしちゃんぽんがお気に入りだ。1000円とちょっと高めだし、「あの藤井フミヤも絶賛」したという謳い文句は微妙だけど景気付けに食っていく事にした。 


カランカラン 


「イラシャイマセー」 
店名は長崎屋だが、出迎えてくれるのは愛想の悪い中国人のおばちゃんだ。 


「冷やしちゃんぽん一つ」 

『おう、KENじゃねえか』 

聞きなれた声に、呼ばれた方を向くと… 

「あ、た○ぽんさんチィーッス」 

た「まあ座れや。お前も大会か?」 

「ええまあ。お前もって事はまさかた○ぽんさんも出るんですか?」 

た「ウハハハ!オレは幕張にヤボ用でな。組んでやれねーけどせいぜい頑張れや」 

「そうなんですか…ってことはた○ぽんさんも景気付けに冷やしちゃんぽんを食べに来たってわけですね?」 

た「いや、オレは満腹定食660円だ」 

「そ、そうっすか…」 


前哨戦 


ウィーン 


た○ぽんさんと別れたオレは大会開始一時間前に入店した。 
大会前に手の内を晒すのを嫌う人も居るが、レバーを手になじませる事も重要なのだ。今日は全てを出し切る為にウォームアップをしよう。 

『KENはん、来たでゴワスな!』 

「カ○さん、なんだか気合入ってますね」 

カ「ムフフ、元チームメイトとは言え手加減は無しでゴワスよ。この日の為に磨いたGCを見せるでゴワッス!」 

「それ、言っていいんですか?」 

『おやおやKEN氏、お早い到着ですねぇ』 

「そういうJ○さんも20連勝とは、準備万端のようですね。何時から居たんですか?」 

J「フッ、企業秘密です。それよりパートナーは見つかったのですか?」 

「それが、知り合いとは誰とも組めなかったんで斡旋して貰おうかと…」 

『どこの馬の骨ともわからん奴と組んでオレの所まで勝ちあがって来れるのか?』 

「バ、Bu○zさん脅かさないで下さいよ~」 

B「お前には借りが有る。いいか、オレと当たるまで負けるんじゃねえぞ」 

「Bu○zさんこそ。相手はオレだけじゃないですよ?」 

B「フ、言うようになったじゃねえか。面白くなってきたぜ」 

「Bu○zさんはパートナーは決まってるんですよね?」 

B「ああ、あそこのメガネかけたデミトリ使いだ。オレはメ○ネって呼んでる。かなりやるぜ?」 


う、うわ。今気付いたけど、みんなヤバイぐらい強いぞ?大丈夫かなオレ… 

とりあえず適当に乱入して暖まんないと不安になってきた… 


結成 


『えー、お待たせしました。これよりヴァンパイアセイヴァー大会のエントリー受付を開始します。参加される方々はカウンターにてエントリーをお願いします』 


一見してサスカッチ使いとわかる長身でメガネでいい人っぽい店員さんのアナウンスが聞こえる。 

ちなみに今日もさ○もとさんの実況付きだ。 

しかし、エントリーしている時間も惜しいオレは時間ギリギリまでひたすら乱入を続ける事に決めた。早くエントリーしないと迷惑かなーとも思ったけどそんな事言ってられない状態。あ、焦るせ…。 


やがて開始時間5分前となったのでようやく席を立つ。 

「あの、すみません。大会参加します」 

『ああ、ガロン使いのKENさんですね。では記入と参加費100円お願いします』 

一見して以下略な店員さんに促され、エントリー完了。 

『では時間となりましたのでエントリーを一旦締め切らせていただきます。先に斡旋チームを決めますのでシングルエントリーの方は集まってください』 


うわ、結構いるなー。この中の誰かが今日共に戦うパートナーになるのか…緊張してきた。 


『…さんと××さん…』 


『…さんと△△さん…』 


続々とくじ引きで決まっていくチーム。どうやらエントリー最後だったオレは最後に引くらしい。 


そしてオレの引く順番って、アレ? 

さ「ああ、KENさんスミマセン。ちょっとこっちの数え間違いでピッタリ偶数になってなかったみたい。私は今回司会進行だし、辞退しますんで一見し(略)な彼と組んで下さい」 

「ええ?そうなんですか…でも、なんか悪いですよ」 


と、その時 


『あの…すみません遅れました!まだエントリー可能ですか?』 

さ「ああ、参加希望ですか?丁度良かったです。まだ仮締め切りだったんで大丈夫ですよ。これでチームが決まりましたね。ではこちらのKENさんとチームでお願いします。頑張って下さい」 


おお、急に決まった?と、挨拶挨拶。 

「あ、あの、ガロン使ってます。KENです宜しくお願いします」 

『有名なKENさんですね。良く知ってますよ』 

「えっ?」 

意外な返答に、早くも一人作戦会議に入っていたオレは相手の顔に初めて目を移した… 


「エ、A○Kさん?どうして…」 

A「お盆休みで帰ってきたんだけど、そんなに不思議かい?まあ、驚かせようと思ってKEN君には内緒にしてたんだけどね」 

パクパクと言葉が出ないオレ。 

A「ところが思ったより車が渋滞してて遅れて今来たってわけ。待たせたね。モリガン使ってますA○Kです。今日はよろしく!」 

「こここここちらこそよろしくおねがいします!!」 


うおおおテンション上がってきた!まさかこんなにも早くA○Kさんと再会できるなんて。そして、ミカド杯では組めなかったA○Kさんと同じチームでプレイできるとは! 


A「ところでKEN君」 

「はい」 

A「チーム名を考えないと。ありきたりだけど『オスロー師弟コンビ』とかでいいかな?」 


しかし、オレにはこの日の為に考え抜いたチーム名があった。 


「いいえ!チーム名はもう決まってます。」 


A「え?そうなの?」 


「オレ達のチーム名は…」



…つづかない