2008年02月08日

中国で民心の乱が… 5

某国営放送局初の予約購入作品『WILDLIFE』第2話の撮影で、中国は四川省臥龍のパンダ保護センターに行ってきました。

臥龍というのは上海で中国東方航空の中型ジェットに乗り換えて5時間、成都空港から車で4時間の標高1800メートルの山間にあります。

そのパンダセンターにはミルクを飲んでいる赤ちゃんパンダ2頭、幼稚園パンダ19頭をはじめ、100頭以上のパンダがゴロゴロしているんです。そこに我らの若き国境無き獣医師「鉄生」と「美香」が研修に行って、崖から落ちて怪我をした野生パンダを助けるというお話。迎えてくれるのはヒネクレ者の飼育員「民心」。しかし、最後には心を許し、怪我をしながらも山からパンダの大好物の竹を担いできた鉄生を背負ってやるのである。
ところがここで事件が発生!
民心が靭帯を切ってしまった!もう歩けない!

そのシーンは座っている民心のアップを撮って何とか終了したけど、翌日からのシーンは後ろ向きでスタンドインを使って撮影し、民心は椅子に座らせてアップのみ。歩くときは椅子を移動車に載せ、上半身をちょっと揺らしてもらって助監督がレールに乗せた移動車を低い姿勢で押す。まあ、不自然な動きではあるけれど、細かく注文してもなかなか伝わらないのだ。

で、撮影最終日は、いろんな都合で遡って、成都空港に着いた鉄生と美香を民心たちが出迎えるシーン。そこでまた事件が!

空港の前の駐車場に車を止め、先に乗り込みのシーンから撮ることになった。移動レールの準備をしていると、なにやら車の方が騒がしい。民心がゴネ出して車から降りないのだという。中国側のプロデューサーが引きずり出そうとすると、物凄い抵抗を見せる。
で、僕たちは「乗っていてもいい!どちらにしろ歩けないのだから、スタンドインで顔が判らないように撮らなければならないし」と言って、さっさと歩いてくる「民心」をローアングルで顔が切れるようにし、そのあとに着いて来る鉄生と美香が車に乗り込むところは顔が見えるようにトラックバックしながらクレーンアップした。
しかし、モニターでチェックしてみると、乗り込んだスタンドインの顔がフロントガラス越しにバレている。撮りなおし!

テイク2は乗り込んだら顔を隠すようにしてオッケー!と思ったら、録音部からクレームが!本物民心が車内で電話していると言うのだ。それでまた日本の制作部、中国のプロデューサーが説得したけれど、意地になって喋り続けている。いつも穏やかな塙監督もとうとう「電話を切れ!」と怒鳴った。

しかし、民心にしてみれば、このシーンは中国で最初のシーンで、自分は無くてはならない重要な役だから、ここで莫大な保障要求を引き出そうという強気の行動に出たのだ。
ところが監督は「もう要らない!全部スタンドインで撮れる!」と言ったもんだから、民心はすごすごと降りて車椅子で去って行った。

世にこれを「民心の乱」という……。

で、残りのギャラで豪勢な打ち上げとなったわけ……。
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