2010年04月29日

ああ、本田美奈子が・・・ 1

『アザミ嬢のララバイ』第10話の撮影のとき、登坂監督が「フィルムのリーダー部分を人物に投射して、それを撮影したい」と言うのだが、最近では身の回りにフィルムが無い。が、ハタと思い出し、昔のCMの16ミリプリントをスタジオに持って行った。それはもう、信じられないくらい退色していた。改良前のポジなので、シアン色素が完全に分解してしまって、全体に赤っぽくなっている。

ところが、映し出された映像は、歌手デビュー直前の本田美奈子だ!
サイパンのビーチで、水着姿の本田美奈子が手を振りながら走ってくる!なんという笑顔!なんという可愛らしさ!
ああ、不覚にも涙が・・・。

あの、カルビー・ポテトチップスのロケのとき、彼女が「私、今度、歌手デビューするの」と言った。僕らは単に笑い転げているノーテンキな女の子だとしか思ってなかったので「ほんとかー?じゃ、ちょっと歌ってみろ」とか冷やかすと、彼女は都はるみを歌った。すごくコブシが効いていて、聞いているスタッフは「オーーー」と唸ったのだ。

ああダメ。書いているだけで、また涙が・・・。
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2010年04月12日

『アザミ嬢のララバイ』撮影終了! 4

深夜ドラマ『アザミ嬢のララバイ』シリーズの最終話、徳永えり、蕨野友也主演の『神様の子どもたち』が予定の2日で終わらず、3日かかって撮影終了した。

途中でTKさん(タイムキーパー)が「ショートしそうだ」、つまり、尺数が足りなくなりそうだと言うので、登坂監督は演技を長め長めに、カットを増やして撮っていったのだが、撮り終わってみたら大幅にオーバーしていた。
だから言ったじゃん!29ページもあるシナリオがショートするわけないって!
経験則で、1ページは50秒から60秒になる。30分番組はCMとかプロローグを差し引くと正味は23分足らずだ。だから、シナリオが23ページ以下だったら、ショートを心配しなければならないけれど、通常は、あまり役者に「間」を取らさず、クイックモードで撮影しないと収まらなくなるのだ。

恒常的になった睡眠不足で、監督のカット割りの説明もよく頭に入らず、逆に監督に不愉快な思いをさせてしまったかもしれないけれど、寄る年波には勝てず、(体力の低下=思考力の低下)になっているようだ。しかし、ヒアルロンサンの注入が効いたのか、左膝の軟骨遊離の痛みは全く無く、医師の言うとおり、手術を見送ったことが正解だった。

撮り上がった作品は3人のエディターが手分けして編集しており、すでに何本かがオールラッシュを終え、第1話『秘蜜を、吸う』は音楽も付いた。
音楽は小林洋平という若い作曲家が書いているのだが、この低予算の作品で、10本全てにハリウッド並みに映像に合わせたオリジナルの曲を付けている。それも重労働だと思うけれど、マネージャーは「修行の身ですから」なんて言っていた。

もう1人の功労者は、美術の今井伴也。彼はアートディレクター名久井直子のデッサン画をもとに、安い材料で想像力を掻き立てるセットを造っていった。
撮影が終わるとバラして次のセットの建て込み、撮影中にもセットの組み換えがあり、おまけに靴や鞄などの小道具も用意しなければならず、作り物がリハーサルに間に合わなくて助監督に怒鳴られたり、本当に生きているのが不思議なくらいだった。感謝!

僕はかねがね、宇梶剛士の「ダダ」の芝居などを見せてもらうにつけ、簡単な箱がシーンによって椅子になったり、居酒屋のテーブルになったり、桟橋になったりするのが面白く思い、なんとかこれを映画にも応用できないかと漠然と考えていた。しかし、映画ではリアルなロケーションもあるだろうから、2時間を箱だけで押し通すことも無茶な話しで諦めていた。
だから、このシリーズを撮影中に、ハタと「多少形は変わっているが、これはダダなんじゃないだろうか!」と気付き、嬉しくなった。
工事用のイントレを並べて火災に遭ったビルに見立てたり、それを白布で覆って雪山に見立てたり、ベッドとカーテンだけでラブホテルを作ったり、アヴァンギャルドと言えなくもない、想像力を働かせないといけない見事な?セットなのだ。

このシリーズが東京で放映されるかは目下のところ努力中ということなので、もうすぐ始まるオンエアは毎日放送が受信できる地方で見るしかない事態になるかもしれない。ぜひ、DVDで!
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