2007年09月23日

改題して『真木栗ノ穴』 1

深川栄洋監督の『穴ノ草子』が改題されて『真木栗ノ穴』となった。

この映画はPanasonic HVX200という小型HDデジタルカメラで撮影し(ただし、ミニDVテープに収録するHDV方式でなく、P2カードに記録するVARICAMと同じ収録方式)、Final Cut Pro HDで編集してHDCAM原版を作るという正当なワークフロー。自画自賛じゃないけど、結構綺麗に上がってフィルムになったときの期待が高まった。

デジタル原版からフィルムの上映用プリントに転換する方法は大きく分けて2通りある。
ひとつはフィルムレコーディングという、HDCAMのテープからデータを起こし(これに72時間かかる)、R(赤)G(緑)B(青)に分けてオプティカルに使う高価なインターミディエイトフィルムに焼き付けて、フィルム原版とする方法。これだとHDCAMに含まれる情報が全てフィルムに焼き付けられる。しかし、高価なフィルムを使うので、当然高い!だから、『デスノート the Last name』のようなハイバジェット映画じゃないと使えない。

もうひとつはキネコという、日本独自の方法で、HDCAMテープをビデオテープとして扱い、わかりやすく言うと、テレビ画面をフィルムで撮影するという原理だ。この方式だと普通のネガフィルムが使えるのでリーズナブルな値段になる。だから『受験のシンデレラ』はこの方式。過去のキネコはブラウン管の走査線が見えるような低画質だったが、最近は改良されてかなり良くなった。が、如何せん元がビデオ情報なもんだから、どうしても色が薄くなってしまうのだ。

映画の長さにもよるのだけど、フィルムレコーディングの費用が1000万だとすると、キネコは400万くらいだ。この差はローバジェット作品にとっては痛いところである。

しかーし、ローバジェット映画『神の左手悪魔の右手』では裏技を使った。フィルムレコーディングをハリウッドの現像所でやったのだ。そうすると、同じ品質なのに日本の半額でできる。
『真木栗ノ穴』も、この手を使おうと思っていたのだ。『神の左手…』のときはSD撮影だったが、その綺麗さに関係者は驚いた。今回はHD撮影だから更に綺麗になると期待は高まったのである。ところが、どういうわけだか、プロデューサー判断で、渋谷の小さな現像所でキネコすることになってしまった。でも、テストをしてみたら意外に良かった。ローバジェットだからこのくらいで満足すべきかなとも思った。ちょっと心配だったのは、テストは小さなスクリーンで見たことだ。大きなスクリーンだと耐えられるのか。

そして迎えた0号試写。さして大きなスクリーンではなかったが、色が青い、薄い、白が飛んでいる。窓を背にした俳優の顔はフレアで真っ青だ。おまけにナンと言うことだ!背景の壁に横の縞々模様がチラチラしている。これは、レイザーを横に走らせて焼き付けているのでしょうがないのだと言う。しょうがないと言ったって、これじゃ欠陥商品じゃないの!これが東京国際映画祭にかかるんだぜ!
期待が大きかっただけに、ガックリ肩を落として試写室を出たのであった。

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