2009年09月20日

『南国料理人』じゃなかった 3

『南極料理人』を観てはいけない。お腹がすいているときにね。
南極では本当にこんな豪華な食事をしているの?
唾液が口の中に溜まってきて、何度もゴクリと飲み込まなければならなかった。
高級旅館のような料理、伊勢海老のエビフライ、巨大なローストビーフ、蟹の食べ放題…。そして行き着く果ての究極の感動料理がラーメン!だったという料理人の心境や如何に!ラストの後味も良かったです。堺雅人を連れてロケに行きたい!

この作品の撮影監督は芦澤明子くん。『60歳のラブレター』に続く快挙だが、こんなの撮っているなんて一言も言わないんだもんナー。
彼女は『みすず』あたりから急速に上手くなった。大器晩成というんだろうか。『火星のわが家』なんかは、まあ普通で、特にどうということもなかったが、そのころ、全国に消えゆく木造校舎を探し歩き、「木造校舎の思い出」関東編、近畿・中国編の2冊の写真集を出した。
僕が『遠くへ行きたい』で連れて行ったのがキッカケになっていると思うのだけど、本人はそうは言っていない。他のことがキッカケだと書いている。とにかく、教育委員会などに電話をかけ、木造校舎の有無を取材し、車の免許がないから、列車とタクシーを乗り継いで撮影に行ったと、やっとのことで聞き出した。彼女ほど、自慢話しをしない人も珍しい。そういう人柄が黒沢清監督や五十嵐匠監督はじめ、多くの監督の指名を受けることにつながっていると思う。

そう言えば『守ってあげたい!』という映画もあったな、と思いながらアカデミー外国語映画賞日本代表に選出された『誰も守ってくれない』を思い出した。単なる語呂合わせだけど。

先日、ポン・ジュノ監督の『母なる証明』試写を観ようと、表参道で銀座線に乗り換え、空席を探してウロウロしているとポンと肩を叩かれた。振り返ると、8月に撮影していた『妻旅(仮題)』のシナリオライター山田耕大さん。
「どこに行くの?」
「し、試写です」と『母なる証明』の試写状を見せると
「あ、僕も行こう」と言って試写状をポケットに入れ、次の駅で降りてしまった。

映画美学校の試写室には、止む無く顔パスで入った。いや、もう少しでドアを入ろうというところで名前を呼ばれた。ムム、うるさい奴が現れたかと振り向くと助監督のジョンくん。『ロード88』のロケでとろろうどんが食べられなかった韓国人青年だ。ポン・ジュノ監督の助監督をしたり、ナンチャッテ監督をしていると言っていた。頑張って欲しいな。

パンフによると、この『母なる証明』がアカデミー外国映画賞の韓国代表に選出されたそうだ。うーん、そーかー、この作品が我らの『誰も守ってくれない』とハリウッドで対決するのか。どっちが強いかなー、微妙なところだなー。『誰も…』の方がスピード感もあるし、現代的な問題意識もあるから外国語映画賞に強いと思うし、『母なる』は特殊な環境であることがグローバル性を欠くとも言えるけれど、いい味出しているからなぁー。
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