2011年10月13日

イシバシ楽器店から 4

《JAZZ爺MEN》の東京公開が迫り、このところ毎日のようにポスターとチラシを持って歩き回っているのだが、今日は渋谷センター街のイシバシ楽器店に行ってきた。

去年の夏、早稲田本庄のプロデューサーから《精霊のモリ》を撮った教え子の宮武由衣監督に「ジャズを題材にした映画を500万で撮れ」という要請があった。しかし、宮武も僕もジャズに関しては門外漢と言ってもよいほど無知だった。楽器の名前もよくわからないという程度だ。

そこで、とにかく楽器を見ようということで入ったのが渋谷のイシバシ楽器店だった。エレベーターを2階で降りて、管楽器のショーケースを眺めてウロウロしていると、当然のこと、不審者に店員が寄ってくる。かなり恥ずかしかったが、ここで怯んでは先が無いので、思い切って映画の企画の話をした。するとその店員さんは、一般的にジャズに使われる管楽器、つまりサクソフォンとかトランペットとかトロンボーンをケースから出して、かなり丁寧に使い方を教えてくれた。サックスで音を出すにはリードという木片が必要だということ、マウスピースの取り付け方、指の使い方、アメセル・マークシックスというビンテージがあるということ・・・。「映画の制作にも協力しますよ」というありがたい言葉までいただいた。

しばらくすると宮武監督はアルトサックスを買うと言い出した。貧乏症の僕は「ナニも買う必要は無いんじゃないの」と言ったのだけど、監督は「自分で実際にやってみなければ脚本を書けない」と言うので、一番安い中国製の中古品と教本を買った。トランペットもサックスも、音を出すだけでも初心者には大変なことなのだ。そういうことが全てシナリオに反映されたのである。

また、主人公とその妻はジャズ喫茶で知り合ったということにしたいのだけど、ジャズ喫茶がどういうところだか知らないと自信が持てないというので、ネットで調べて道玄坂の上の方にあるジャズ喫茶にも行った。

音楽監督にはジャズに詳しいかもしれない、安くやらせることができるかもしれないという考えで、《ナビィの恋》《ホテル・ハイビスカス》の磯田健一郎氏に有無を言わせずやらせることにした。50万のギャラで「茶色の小瓶」のアレンジとオリジナルを書かせ、出演者の練習を指導させ、プレスコ用の音楽を録音させ、背景音楽を作曲させ、自費で相模湖から本庄まで来させ、自費でホテルに泊まらせ、演奏シーンの指導をさせ、果ては自費でサントラ盤CDを作らせ・・・。自分の取り分は撮影途中で無くなった。

結果的に磯田氏は別の楽器店とコネがあったため、イシバシ楽器店にはその後お世話になることはなかったのだが、僕としては映画《JAZZ爺MEN》はイシバシ楽器店のエレベーターを降りた時から始まったという思いが強いので、今日、イシバシ楽器店を訪ね、ポスターとチラシと招待券を渡し、お礼を言って帰ってきたのである。

宣伝予算が全く無いこの映画には、無償でポスター貼りなどをしてくれている応援団が何人もいる。数シーンにチョコっと出演もしてくれているマイミクのS.Y.さん、《薄れゆく記憶の中で》の制作スタッフで、今は出版社に務めているR.K.さんと彼の仲間たち、照明のA.S.さん・・・。それから横浜の上映館を紹介してくれたN監督、京都の映画館を紹介してくれたM監督、新潟の映画館を紹介してくれたI監督、はままつ映画祭参加のきっかけを作ってくれたナースのSさん、快くポスターを貼ってくれた浪漫坊、海森の店長、東京工芸大学のT先生・・・。ありがとうございます。
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この記事へのコメント

東京ではヒューマトラストシネマ渋谷でのモーニングショーですよね。何とか観に行きたいと思ってます!


1. Posted by アール・ケイ at 2011年10月13日 06:17 | 5
それも1週間だけなんです。よろしくお願いします。
2. Posted by 盍峺治 at 2011年10月13日 12:37 | 3
高間さん.クロサワ楽器、大久保店さんで、菊池さんのオーボエをお願いしに行き、高価なものでしたが、提供いただきました(^^)
なつかしい思い出です(^^)
3. Posted by kumakita at 2011年10月13日 23:59 | 5
高間さん、制作のRKさんは奇しくも、わたしと同じイニシャルてますね。
高間さんに助けていただいた、薄れゆくも、音楽のTさんにすごくたすけていただき、音楽がフルオーケストラでできたのもTさんのおかげです。
渋谷での上映、楽しみにしております(^^)
4. Posted by kumakita at 2011年10月14日 00:07
いえ、あなたのことです。感謝しています。
菊池麻衣子さんのオーボエが…。そうだったんですかぁ、懐かしいですね。最近その《薄れゆく記憶の中で》を何回も見たという役者さんに会いました。仕事で菊池さんと共演して感激したそうです。DVDは出ないのかと言うので、あのお粗末な経緯を説明しました。
5. Posted by 盍峺治 at 2011年10月14日 01:00
ありがとうございます♪ 自分のことに気がつかないとは・・・笑。一つだけ訂正です。私は今、出版社ではなく、PR会社におります♪ 今後とも宜しくお願いいたします♪
6. Posted by kumakita at 2011年10月14日 08:24 | 5
kumakita様

失礼いたしました。以前、本を贈っていただいたものですから、てっきり出版社だと…。
7. Posted by 盍峺治 at 2011年10月16日 15:35 | 2
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