2009年07月21日

3機種に心乱れて 2

現在、塙幸成監督の次回作を準備中なのだが、低予算ロードムービーなので、この際、一眼レフカメラの動画機能を使おうかと考えているのだ。

最初は今ブームとなっているRED ONEも考えた。これは助手の古屋君が、あるディレクターと共同購入したので、早く使おうと機会をうかがっていたのである。
ところが、ラインプロデューサーが撮影終了したばかりの『時をかける少女』でRED ONEを使っており、今回の撮影には否定的な意見を言い出した。録画したCFカードをハードディスクに取り込むのに時間がかかり、専任の人が徹夜で作業しなければならないと言う。振動にも弱いかもしれないとも言う。次回作は車体にカメラを取り付けて撮影する場合も多くなると思うので、振動に弱いのは心配だ。
『時かけ』の上野カメラマンに聞くと、CFカードは30枚用意して遣り繰りしたと言う。低予算映画には結構な出費となる。
古屋君の意見は、RED ONEにレンズやファインダーを付けると結構大きくなり、車内で生活するシーンの撮影には困るのではないかというものだ。

ウ〜ン…と考えているうちに、古屋君のRED ONEは8月には共同所有者のディレクターが使うことになり、選択肢から消えてしまった。

んだば、使い慣れている小さなHDカメラPanasonic HMC155で、このシネマスコープ映画を撮ってしまおうかと考えた。
僕は以前、これと同じ大きさのSDカメラPanasonic DVX100を持っていて、それで数本の低予算映画を撮影した。天地をカットして1.85:1のビスタサイズにキネコしたこともある。海外の作品では2.4:1のシネマスコープにフィルムレコーディングした映画も見た。
その後、同じような大きさのHDカメラPanasonic HVX200で『炬燵猫』『受験のシンデレラ』『サンシャイン・デイズ』『真木栗の穴』を撮影した。
であれば、同じ1/3"3CCDのHDカメラでもセンサーが改良されている分、拡大率が高くなるシネマスコープでも行けるんじゃないだろうかと思ったのだ。多少、画質が見劣りしたとしても「低予算なんだから我慢せいっ!」って言ってしまおう。

と、そこへ塙監督からCANON EOS 5D Mark2の動画機能を使うのはどうかという提案。塙監督はEOS Kiss X3の20p動画でPVを撮影した経験があって、そのコネでキヤノンの技術陣と懇談会をして、テスト用に5Dをお借りした。
実は数ヶ月前、あるビデオ雑誌から記事を頼まれて、5Dを借りたことがあったのだが、その時はオート撮影しかできなかったので、使い物にならないと思って返してしまった。しかし今回は、マニュアル撮影もできるように改良されていた。
ただ、5Dは30p記録なので、映画用には不向きなのである。映画は1秒24コマで走っているので、何らかの方法で24pに変換しなければならない。そこに手間がかかるし、手間をかけても動きがスムーズになるかどうか判らない。

そこで僕が提案したのがマイクロフォーサーズのPanasonic LUMIX GH1の動画撮影。GH1は24pなのである。センサーのサイズはD5の面積比1/4だけど、HMC155に比べれば面積比16倍もあるし、HPX3000GやF23と比べても4倍大きいのだ。大きさは充分。マニュアル絞りもできるし、オートフォーカスもできる。
塙監督も大いに乗ってくれて、この3機種の比較テストをした。

5D、GH1、155を並べ、同じようにモデルや風景を撮り、Macで仮編集した。
20インチくらいのモニターで見ても、5D、GH1の画質の良さは抜群。問題はフォーカスとギクシャクとした動きだった。
これをIMAGICAで本編集してもらい、左右圧縮、天地伸張してイマレコにかけ、シネマスコープのネガを作成する。それから密着ポジプリントを焼き、アナモフィックレンズを通して映写すると迫力あるシネスコ大画面になるという寸法なのだが、果たしてどのカメラが満足行く結果を出せるのであろうか。23日の試写が待ち遠しい。
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2007年02月01日

椎名誠さんと接近遭遇 5

写真展会場の椎名誠さん
今日、1月31日は椎名誠さんの写真展の最終日なので、新宿池林房近くの会場に行った。

旧都電通りからコンクリート打ち放しの階段を下りると住宅風の木のドアがあり「お入りください」と書いてある。恐る恐るドアを開けると、確かに写真展をやっている。

ご存知のように椎名さんはモンゴル、アマゾン、パタゴニア、シベリア…と、世界の僻地を旅して写真を撮っており、感性が豊かなことと人に接することがとても上手いので、景色を撮っても人物を撮っても、その味のあるキャプションと相俟って、見る人を飽きさせず、ズンズン引き込んでいく。

例えば、像の群れが道を横切っている写真がある。キャプションは「象さんには象さんの都合があって東に進んでいく。雲さんには雲さんの都合があって西に進んでいく。僕には僕の都合があって真っ直ぐ進んでいく」という具合。かわいいいいいいいい!
その写真は10人くらいの注文が付いていた。

写真展の作品と、会場の広さの関係からか、展示モレになった作品を収録した写真集も売られていた。でもこちらにはこの魅力的なキャプションが付いていないので、ちょっと惜しいなと思った。でも、写真だけでも勝負できているとも思う。

「小説家の趣味で映画撮ったり、写真撮ったりして…」という陰口を叩く人にインフォメーションを。
椎名さんは小説家になる前から16ミリで映画を撮っており、写真学校(現在の東京工芸大学)にも行っていたのである。中退したけど…。

その写真集をパラパラめくっていると、椎名さんの声がする。いつの間にか、受付のところに椎名さんが来ていたのだ。久しぶりなので、話が弾んだ。椎名さんが『あひるのうたがきこえてくるよ。』『白い馬』に次いで映画化しようとしていたSF小説が、アニメと実写で映画化されるという話が進んでいるらしい。残念ながら、椎名さんが監督することはないそうだ。「カメラマンに推薦しておきますよ」と言ってくれた。

明日は北海道に行って「麺対決」の写真を撮るのだと言って、CANON D5をいじっていた。相変わらず精力的な活動をしているのだ。
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