2016年09月08日

1日1万円の粗利アップへの執着心

先日、某ホールで会議をしていた時の話です。店長から「火曜日の稼働が悪いので試算してみたところ、定休日にした方が1ヶ月30万円、利益が増えるという結果になりました」という報告がありました。その上で店長は「火曜日を定休日にしてもいいかなあと考えているのですが・・・」と切り出したのです。
社長様も同席の会議で、突然の「定休日」復活提案。かねてよりラッキーナンバー制や半休日復活、低価交換へのシフトなど、「原点回帰」の必要性を議論したこともある会議で、一瞬、面白そうな提案に感じました。

ただ、冷静に考えると、
(1)定休日を設けると、その日に他店に流れる人がいる。たまたま勝ったりしたら、しばらくは他店に通う可能性がある<自店から離反するチャンスを作ってしまう>
(2)遊びたい時に遊べないお店という負の印象を与えてしまう
というマーケティング上のデメリットが考えられます。

さらに考えると、1ヶ月30万円のコスト削減は1日1万円の粗利アップでまかなえる金額。マーケティング上のデメリットを抱えてまでトライすることではないかという結論に至りました。

しかしながら、この話には少し問題もありまして・・・。
現場のトップである店長が、1日1万円の粗利アップへの挑戦よりも、定休日実施によるコスト削減を優先するかのような考え方に一時的であれ立ったこと。これまで手を変え品を変え、様々なトライを繰り返しながら稼働アップへ挑戦してきていたにも関わらず、「1日1万円の粗利アップへの執着心」を失いかけていたわけです。これは大きな問題です。

ホール業界も不況かもしれません。ただ、世の中を見渡せば「楽勝!」と笑えるビジネスなどほんのひとかけら。大半が良い材料の無い中で「もがくように」ビジネスを続けているという状況です。それだけに、売上増への執着心を失うというのは非常に危険なことであり、ともすれば無気力な営業にも繋がってしまいます。今一度、売上増への執着心こそが様々な課題を解決していく原動力であることを認識すべきでしょう。

論理的に考えても、今回は「定休日復活」は見送るべきです。
それよりも、真っ向勝負に全力投球!!
1日1万円の粗利アップを目指しましょう。

有限会社オベーション
株式会社ワールド・ワイズ・ジャパン LOGOSプロジェクト上級研究員
岸本 正一
http://www.ovation.co.jp



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