2007年01月18日

幾つもの物語

僕は最近毎日学校に行っている。もちろん、人生最後のキャンパスライフを楽しもうってわけじゃなく、ただ単純に卒論をやらなくてはいけないからという理由なのだけども。
片道2時間以上、とっとことっとこ電車に揺られながら通っている。よく4年間通ったものですね。


以前は電車の中で本をよく読んでいたのだけれども、最近は勉強しているせいかあまり文字を読む気が起こらない。なので、大半は睡眠時間にあてるかもしくは外の風景を眺めながらぼんやりといろいろ空想している。

これがまた電車の中というのはぽんぽんイマジネーションが沸いてくるんです。


僕の前を次から次へと通り過ぎていく家並み。当然のことだけど、その家それぞれに住んでいる人がいて、その数だけ物語が存在する。

いったい湘南から千葉までの間に僕はどれだけのストーリーを通りすぎていっているのだろう。
眺めていたら、ふと小学生のころを思い出した。


大人になってしまえば考えられないことだけれども、僕は小さいころ、世界の主人公は僕一人で、家族、友達、先生などはロールプレイングゲームでいう街の人々だと思っていた。だから極端に言えば、僕と接していないときはその人達は存在しない、その人達の物語は進行していないと思っていたのだ。
と、こんな考えが頭のどこか片隅にあるまま幼少時代を過ごしていた気がする。

そんな思いの間違いに気づいたのは中学1年のときだった。
僕はそのとき、1時間目から体育でほかの友達と準備体操をしていた。
そこへ同じクラスのたいして仲良くはない友達が遅刻してやってきた。そいつはクラスで目立つやつではなくむしろ暗いやつで、僕も周りの友達も特に絡みは少なかった。
しかし、なぜか彼はそのときに皆を見ると大げさに手をふってきたのだ。いつもならそんなことはしないはずなのに、彼は一生懸命おどけて自分をアピールしていた。

それを見た瞬間、僕はそいつも自分の物語を持ってその中で生きているんだなと気づいた。なんの前触れもなく、突然に。
そのときはもう中学1年生だったから世界の中心が自分一人だ的な思いは心の表面には全くでておらず、自分でもその気持ちを忘れていたのだけれども、おどけている彼を見た瞬間にその気持ちが現れ、そして完全に打ち砕かれていった。

なにもいつもとかわらない、中学1年の朝に僕は初めて世界には人の数だけ物語が存在することを知ったのだ。


ふと、常磐線に揺られながら過ぎ行く家々を眺めていたらこんなことを思い出してしまった。  
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2006年11月10日

とびら

あっちの世界とこっちの世界を繋ぐもの。


それがとびら。


どこかへ行くためにはとびらをまたがなくてはいけないし、戻ってくるためにもまたとびらを通らなければいけない。


そのとびらは片方から見れば入り口であるし、逆側から見れば出口である。だが、そんな入り口、出口も一瞬のうちにベクトルを変えてしまえば入り口が出口に、出口が入り口に変化する。

入り口と出口は表裏一体。


僕は、僕から見れば「僕」であるし、あなたから見れば「君」だ。

この瞬間、僕自身「僕」にも「君」にもなっている。

どちらか片方があるだけでは存在しない。
表があるということは必然的に裏があるということ。
何かへの入り口があれば出口も存在する。

AがあるからA´があるし、Bもある。

すべてのものはAにもなるし、A´にもBにもなる。


僕は君で、君は僕だ。  
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2006年09月06日

YKM

起きたらPM7:20だった。
寝汗で枕が湿っている。

昨日は確か夜中の3時過ぎまでこの間ブックオフで買った吉本ばななの本を読んで、それから寝たんだ。
っていうことは、16時間も寝ていたのか。

ベッドから出て2階のリビングに上がっていくと、そこでは暑い暑いと言いながら母が夕食の準備をしていた。


ご飯が出来上がるまでには、もう少し時間がかかるようだったから僕はソファでウトウトしていた。



リビングのドアを開ける音で目を覚ますとそこには仕事から帰ってきた母が、スーパーの袋を両手に抱えて部屋に入ってきた。

あれ、夕食の準備していなかったっけ、と僕は不思議に思う。

窓から外に目をやると夕日に照らされた隣の家が赤々と見える。


母が買ってきた水ようかんとジャスミン茶でおやつを済ませてから僕は自分の部屋で勉強することにした。
明後日までのレポートを早く終わらせなればならない。
まだ、1/4も終わっていない。

しばらく机に向かっていると眠くなってきたので、ベッドで横になることにした。


「いってきまーす。」という父の声で目を覚ました。
あれ、おかしい。
昼寝のはずが朝まで寝てしまったか。
最近、寝過ぎでよくないな。とかなんとか考えながら2階へ上がっていった。


テーブルにつき、ふと新聞に目をやるとテレビ番組が昨日と同じだった。
  
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2006年08月18日

好きな時間

海水浴に来た人達がシートをたたみだし、地元のサーファー達が活動的になる太陽が傾いた時間が僕は好きだ。

サーファーはこの夏で真っ黒に焼いた体にボードを抱えて海へと向かっていく。
彼らはこれからの波との戯れを待ち望んで一日がんばってきたんだ。

海水浴客はその日に焼いた赤い肌を駐車場でシャワーを浴び、冷ましている。
その日一日吸収した熱をゆっくりと取り除いていく。


そんな人たちを横目で見ながら僕は砂浜沿いのランニングコースを自転車に乗って江ノ島方面へと進んでいく。
昼間とはまた違った夕日のじんわりとした日差しに背中を押されながら、だんだんと近づいてくる江ノ島に目をやる。

どんどん島が大きくなってあと10分で着くという所で、そう、ちょうど地下遊歩道がある場所が僕の折り返し地点だ。
それ以上行ってしまうと帰るのが億劫になってしまうし、また行きたい気持ちにならない。
近くからよりも陸地とある程度の距離を保った江ノ島が好きなんだ。

僕と江ノ島の間に何人ものサーファーが浮かんで、同じ時間を共有する。


そんな時間が僕は好きだ。  
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2006年07月18日

ラッパ男

彼はいつも左手にラッパを持っていた。

近所の人は当然彼のことを知っていたし、そんなに大きな町ではないので隣の駅の人たちもラッパ男のことを知っていた。

ただ、ラッパ男はいつもラッパを手にしているのだが誰もその音色を聞いたことはなかった。
そしてその音色を知らないのと同様に、彼がこの町に来る前に何をしていたかも誰も知らなかった。

3年前の梅雨どきに彼はふと町にやってきたのだ。

ある人は彼はどっかの有名な交響楽団の団員だったが指揮者とケンカしてこの町にやってきたと言い、またある人は彼を昔テレビドラマで見たことあるとも言った。

しかし様々な憶測が流れても結局は噂ばなしであり、誰も彼のラッパを聞いたことがないということだけが事実だった。


彼が町に来てから3年と3ヶ月が過ぎようとしていたそんなある日、ラッパ男はラッパを持たずに家を出た。

彼にもなぜラッパを持って出なかったのか分からなかったが、ふと目覚めたらそんな気分だったのだ。

決してラッパを持つことを忘れたわけではないし、ラッパが嫌いになったわけでもない。
ただ「ラッパを持たないのもありなんだ」という気持ちが一番近いかもしれない。


そうして手ぶらで外に出てみると誰もラッパ男に気付いてくれなかった。
隣の家の小学生の男の子も気付いてくれなかったし、毎朝すれ違う50代のサラリーマンにも気付かれなかった。
唯一気付いてくれたのは、近所の野良猫だけがいつもと同じように彼の足に顔を摺り寄せてにゃあと鳴いてきた。


そう、彼はもうラッパ男ではなくなってしまったのだ。  
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2006年07月14日

品川から東海道線に乗って45分。
僕の家は湘南のはずれにある。
最寄駅で電車のドアが開き外に降りると潮の匂いがモワっとした。
もうそんな季節なのだ。
この匂いが特に好きなわけではないが、東京から帰ってきてこの匂いを嗅ぐと落ち着いた気持ちになれる。

駅から海に向かって自転車をこいでいった途中に我が家は存在する。
ベランダに出て耳をすますと、ごおお、といった波の音とも車の音ともいえる低いうなりが聞こえる。
その音に運ばれて届いた潮のかおりは我が家をとりまいている。
これを書いている今も、窓から潮達は家の中にやってくる。

この季節になると海岸線は渋滞の車でいっぱいになる。
昼間はトラックやファミリー、カップルを乗せた車が道路を埋め、週末の夜にはやんちゃな若者達が自分が誰よりも速いことを証明するためにバイクを転がしている。

そう、あの海岸線を何も気にせず風を切って飛ばしていると自分が鳥になってそのまま大空から海を見渡せるんじゃないかと思えるんだ。

  
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2006年06月17日

彼女は海を見たまま言った。

「私を探さないで。」

波の音の上に彼女の声は乗っていた。
そこいらのサーファーより、よっぽどうまく波をつかんでいる。
僕は聞こえなかったふりをして、崩れていく波を見続けた。

その晩は彼女がいなくなるんじゃないかと恐かったから、しっかりと彼女を抱きしめて寝たんだ。彼女には僕が怯えているのを悟られたくなかったけど、やっぱり気付いていたんだと思う。

彼女は一粒の涙を僕に落とした。

その涙は海の匂いがした。


翌朝起きてみると彼女の姿はやはりなかった。

今まで通りの部屋に今まで通りの生活があるのだけれども、そこには彼女だけがいない。歯ブラシは2本立ててあるし、彼女のお気に入りの海猫のマグカップもちゃんと戸棚に置いてありこっちを見ている。

ただ、彼女だけがいない。

僕はしばらく天井を見続けることにした。  
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りんご

ちょうど、庭にあるりんごの木からまだ完全には熟していない青いりんごが地面に落ちた時、僕の中でも何かがポトっと音を立てて落ちた。

それは僕が見逃してしまうぐらい微かなものだったが、確実に微細な音を立てて落ちたんだ。きっと僕以外の誰も気づいていないだろう。はたして、僕すら気付いているのか怪しい。
隣にいる猫はのんびりと気持ちよさそうに眠りつづけている。

そして、その波紋は池に一滴の滴が落ちたのと同じようにまん丸い円を描いて体の端まで届いていった。


たしかに、確実に。


しかし、その何かが落ちたからといって明日からの生活がガラっと変わるわけではない。
ただ、ほんのちいさな何かが壊れて、そして新しい芽が顔をだそうとしているだけなんだ。


ほんのちいさなものが。


そのほんのちいさなものを守ってきたんじゃないのか?




  
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2006年05月24日

時空

昔から時間とは流れるように連続的なものだと考えられてきたが、現在のデジタル時代では時間は不連続なものになっているらしい。

なぜ不連続かというと、僕達は自分達をとりまくメディアによって複製化された過去と現在が複雑に入り混じった時間の中で生きているからである。
その通りで、メディアでは誰々が悪いことをしました、という過去の出来事や今度選挙があります、といった未来のことが無秩序に流れている。

ここで、上に述べた現代社会の時空間を三次元で表してみる。
物体を二次元の平面として考え、z軸を時間軸とする。
そうすると、メディアの無い世界では物体は連続的に存在するので(いきなり何かが発生することはない)z軸は常につながって、連続したものとなる。しかし、メディアのある現代の世界においては過去や未来に自由に行き来できるために不連続に物体は存在するし、さらに物体はアメリカや日本はたは地球を飛び出して宇宙にまで存在することができる。
この現代の社会ではxy軸(場所)は好きな点に行けるし、また、z軸(時間)においても不連続に点は存在することができ、時間と空間が複雑に入り組んだ世界なのである。

また、僕達は時間を直線的なものと考える傾向がある。僕が先ほど時間軸をz軸にしたのも時間を直線的なものと考えているからだ。
しかしこういった考えはごく最近のもので、古来はずっと時間とは繰り返す円環的なものと考えられてきた。例えば、自然の四季であったり、月の満ち欠けのように一定期間が過ぎればまた同じものがやってくるのである。そもそも時計だってぐるぐると回っている。
なぜ現代のような直線的に時間を捉えるようになったのかはわからないが、この未来に向かって一直線に進む時間意識のために、現代人は未来への距離を縮めようとする脅迫観念にとらわれ、様々な分野で時間短縮を図ってきた。
そのために人々は時間に追われ、せっかちに街を歩くようになったのかもしれない。

この現代の直線的時間感覚が悪いというのではなく、昔のような「時」は循環しているんだという感覚も忘れずに、時間に追われることなくたまにはゆったりと「時」の流れに身を委ねるのも必要かもしれない。
  
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2006年05月22日

トンネル

そのトンネルの中で僕は一人歩いていた。

ずっと遠くにある出口からは光が差し込み、人の影がうっすら見える。
顔は見えないが、僕はそれが君であることを知っている。
輪郭もぼんやりしていて男か女かさえも見分けがつかないけれども、僕はその影が君であることを知っている。

君に追いつくよう僕は早歩きになり、そしてすぐに走り出した。
僕は待ってくれ、と叫ぼうとするが声にならない。
君は僕が走ってくることに気づかず、ただ不安そうにそこに立っている。
君がもうすぐ行ってしまうのをわかっているけれども、追いつくことができないということをわかっているけれども、僕は全力で走り続けた。

あと少しで出口というところで、君はトンネルの出口に背を向け行ってしまった。
ゆっくりと、しかし確実に君は僕から離れていく。
君の1歩が僕の10歩と同じなのだろう。

僕がようやく出口に着くと、そこにはもう誰もいない。
微かな君の香水の匂いだけが、確かに君がそこにいたことを物語っている。

僕は目を閉じ、そこにある空気を感じる。
ほんの少し前までそこにあったはずのもの。

そうして僕はトンネルの中へと戻っていった。
  
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2006年05月13日

ラクダ女

ラクダ女は言った。

「私のコブに何が入ってるか知ってる?
 まだ誰にも言ってないけど、あなただけに教えてあげるわ。
 実はこのコブの中には亀が住んでるの。
 あら、嘘だと思ってるでしょ。
 いいわよ、こっちの前のコブはそろそろ頃合で亀を出してあげなくちゃと思ってた ところだから特別にあなたがコブを取っていいわ。
 どうやってコブを取るかって??あなた何も知らないのね。
 いいわ、それも教えてあげる。とっても簡単なのよ。
 洗面器と歯ブラシがあればとれちゃうんだから。
 そう、洗面器をコブにはめて周りを歯ブラシで磨いてあげると。
 ほら、とれた!!
 あなた最初にしてはうまいわね。
 きっと良いコブ取り職人になれるわ。私が保証する。
 どれどれ、亀は充分育ってるかしら。
 あっ、見てみて!今回は双子だわ。かわいいーー。
 じゃあ、早速料理してあげるからそこでちょっと待ってて。
 亀コロッケでいいわよね。
 すぐ作っちゃうから。」

そうして僕はコブが1つ減ったラクダ女と亀コロッケを食べて夜を明かした。
ラクダ女は僕が思っている以上に亀と蛇について知っていて、僕が知りたかったことをすべて教えてくれた。
最後に、来週の木曜日にまた来ることを伝えて僕は家に帰った。
 
   
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2006年05月11日

ドーナツ

ドーナツの穴からドーナツを見てもドーナツはドーナツ。
表から見ても、裏から見てもドーナツはドーナツ。
ドナーツにもツナードにも決してならない。


ほら、エルフが浮き輪にして遊んでるよ。
ちょっと重いけど、表面が油でしっかりコーティングされてるからしっかり浮くんだ。
僕も試してみよう。そうしたら少しは常に穴が空いた状態のドーナツの気持ちがわかるかもしれない。


僕はドーナツ化してしまった。
一度ドーナツ化してしまった人間は、たとえ元に戻ったとしてもドーナツから逃れることはできない。
なぜドーナツはドーナツであり、穴が空いているのか。
世の中におけるドーナツの役割とは何なのかを永遠に考えて生きていかなくてはいけない。
ドーナツは一種のメタファーであり、人間一人一人を深層下でアイデンティファイするのに必要な絶対的なサブコンシャスである。

タイヤキについて考える人がいるのと同じように、世の中の誰かがドーナツについて考えていなくては世界は回らないんだ。
そうやって、僕はドーナツたらしめる。  
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完全なる独り言

なんでかなー。

こんなん久しぶりなんだよなー。

けど、高校ン時もこんなんだったなー。

うまくわりきれないんだよなー。

変わらないなー。

どうしようもないのはわかってるんだけど。

そりゃ、あれだけどさ。

けど、嘘じゃないんだよ。



モンモンモン。



またポッカリ穴空いちゃったよ。

穴だらけじゃん。

覗いたら何見えるかなー。

じーーっと目をつぶって。



モンモンモン。



こんなときは出家したい気分。

ダメだ、書いたら少しはすっきりすると思ったけど全然解消されないや。




モンモンモン。
  
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2006年05月06日

山猫

ある夜、山猫は海猫を連れてやってきた。
僕は海猫を見た瞬間、自分の目を疑ってしまった。
なぜなら山猫と海猫はいわば月と太陽の関係で、二人は決して出会わないと僕は祖父から聞いていたのだ。

「君たち、二人はどうやって出会ったんだい?」
と、僕は聞いてみた。
山猫は、海猫の方を向いてニヤっと笑うと僕の方に向き直って言った。
「君がその質問をするかどうか、僕たちは賭けていたんだよ。海猫はそんなこと君が気にするはずないって言ったけど、僕は君のすべてを知っているから君が疑問に思うほうに賭けていたんだ。これで、僕はヒラメを10匹もらえる。」
賭けに負けた海猫は僕の方を向いて、肩をすくめてみせた。
山猫は言葉を続けた。
「僕たちが出会ったのは偶然なんだよ。僕も正直びっくりしているんだ。
僕が川でコロッケを転がしていたら、そこでたまたま海猫君がメンチカツにのって川をのぼってきたというわけさ。」

僕は山猫にはいつも通りあじのひらきを、海猫には明日の僕の晩御飯にしようと思っていたニジマスを出してあげた。海猫なのに川魚を食べるのか心配だったけれども、彼はおいしいおいしいとムシャムシャ食べてくれた。

そして、今夜から3人でのババ抜きが始まった。  
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山猫

山猫は今日も深夜3時27分にやってきた。
もう僕は彼が今夜もやってくることを確信していたから、ジョン・アーヴィングの本をウイスキーを片手に読みふけっていたところだった。
彼は言った。
「夜遅いということは、朝早いということと同じことなんだよ。」

そして、いつものように僕は彼にあじのひらきを焼いてあげ、彼は僕に捕まえたてのもぐらを差し出した。今さら、彼にもぐらはいらないということが出来ないので、僕は彼が帰った明け方こっそり庭にもぐらを埋めている。
1万年後に僕の家からもぐらの化石がやまほど出てきたら、未来人に変な誤解を生ませてしまうだろう。
1万年前にはもぐら屋があって、とてもとても人気のある動物であった。そして、そのもぐら屋達のせいで現在はもぐらは絶滅してしまったのである、と未来の教科書にのるかもしれない。僕のせいにされるのは困るので、一匹の山猫のせいだよと言い訳をしたいものだ。

あじが焼き上がったので、僕たちは昨日と同じように二人でババ抜きを始めた。
山猫が訪れるようになってから2ヶ月が経つが、僕はまだ1回も負けていない。山猫が最後の二枚、そのうち片方はババ、になると僕は100%との確率でババをひかない。山猫は1回も勝ててないことについて何も言わないが、帰り際に
「いい勝負だった。あさっての新聞は種だよ。」
とだけ言い残して、毎朝帰っていく。

この前、
「山猫が毎晩来るから午後から出勤でもいいですか?」、と部長に冗談半分で聞いてみたら、
「それは君、幸運だね。僕の家にはまだ1回も山猫はきてないよ。是非、薦めておいてくれ。」
と言われた。僕は一瞬呆然としたが、はい、とだけ答えて次の日から午後から出勤することになった。

今夜も僕は24時間やっている近くのスーパーであじのひらきを買って、山猫とババ抜きをすることにしよう。  
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2006年04月28日

ぎょうざ

玄関を開けるとそこには餃子が立っていた。
「今日からしばらく住まわせてもらうことにしたんだ。よろしく。」
そう言って、餃子は荷物を和室に運び入れた。

次の日目覚めると餃子は朝食にパンとコーヒー、サラダ、ベーコンエッグを用意してくれており、すでに仕事にでかけていた。
朝食のお皿の横には書置きで、

いきなり餃子だとお互い緊張してしまうので、ゆっくり段階を踏んで餃子にしていきましょう。今日の晩御飯はトムヤムクンです。
                        ぎょうざより

と書いてあった。


僕は晩御飯が終わって、二人でテレビを見ている時になんとなく疑問に思っていたことを餃子に聞いてみた。
「なんで君はわざとしわを作っているんだい?」
餃子は僕をじっと見つめ、しばらくしてから口を開いた。
「君はモチモチとパリパリのどっちが好きだい?僕は恥ずかしながらどっちも好きなんだ。そこで、僕みたいにしわを作れば下側はパリパリに上側はモチモチになるということなんだ。じつは、この包み方は中国人が考えだしたものじゃないんだよ。たまたま、スリランカ人が餃子を包んでいる時にムシャクシャして強く握ってしまったらこの形が偶然できてしまったというわけさ。」
餃子は今でもそのスリランカ人と連絡をとりあって、新しい形はないか研究を積み重ねているらしい。

そうして、僕と餃子の二人暮しははじまった。  
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2006年04月27日

葉桜の下で君とふたり

ある朝目を覚まし鏡を覗いてみると、顔がカバになっていた。

まあ、そんな日も一生のうち一日ぐらいあっても特に問題はないから、そのまま顔を洗って歯を磨く。
ただ、慣れない顔で洗顔したり歯を磨くことが以外にも難しいのでいつもより倍の時間がかかってしまう。
母と顔を会わすと、
「あら、あなたカバになったの?たまには気分転換にいいんじゃない。お母さんも若い頃はよくマントヒヒになったものよ。」
と言っていた。なぜ母はマントヒヒになっていたのだろうか。そもそもなりたくてなれるものなのかな、と若干の疑問がわいたが特にそれには触れずに朝食をすませて家をでた。

電車の中では周りの乗客から、顔がデカイために少々うるさがられたが横浜で座ることができ東京駅までぐっすり眠ることができた。

上野で常磐線に乗り換えようとしていたら、ふと公園改札口の看板が見えたので今日は天気もいいことだし久しぶりに上野動物園に行くことにした。
小学校低学年の頃、母と兄、弟、僕の4人でよく行ったものだ。当時の売れっ子はランランとカンカンのパンダ二人。家でマジックペンを使って目の周りを黒く塗り、よく真似をしたものだ。パンダ役をしたら、笹団子をめいっぱい食べられるという権利がついてくるためみんなパンダをやりたがった。結局、パンダ役を一番多くやっていたのは兄で、僕と弟は飼育員の役か、動物園にきた客の役をやっていた気がする。

10年ぶりに入った上野公園は時間の流れがとてもゆっくりしていた。10年前の記憶を呼び起こしながら、僕は檻の中で深い眠りにつくことにした。  
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2006年03月12日

語りべたちは踊るよ

僕が日頃思ってること。

それは、世の中で人と人のつながりが一番大事なものなんじゃないかってこと。


僕の中で、学生時代最高の出会いはWISHとの出会い。
WISHというつながりで多くの人に出会ったし、これからも出会っていく。


ひとつの大きな公演が終わり、ひとつのことが終わったということはひとつの別れがくるということ。
卒業は新たなページへ進むための儀式。
ただ、決して前のページがなくなることはない。
いつだって読み返せるんだ。
そうやって、物語は物語たらしめる。



人は感動することによって成長する生き物だ。
  
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2006年01月20日

ニアミス

自分が思ってる以上にニアミスってあるんだろな。
結局ニアミスだからお互い気づくことないんだけど。

もしかしたら今日の学校帰り隣の車両に、エビちゃんが乗っていたかもしれない。

もしかしたら今日入るのをやめたマックに、柳沢慎吾がいたかもしれない。

もしかしたら明日のテストの隣の席で、小田和正が歌っているかもしれない。


この前品川駅で、茨城の中学に通ってたときの彼女らしき人を見かけた。
本人かどうかはわからないけど、彼女は電話をしていた。
僕が気づいた瞬間には通り過ぎていて、声をかけるか迷う時間さえなかった。
たとえ、迷う時間があったとしても臆病な僕は声をかけることはしないと思うが。

彼女のうしろ姿、歩き方はむかしと変わっていなかった。
すこしガニマタな歩き。独特のリズム。
見ていた数秒だけで、昔の思い出が走馬灯のように思い出された。と、言ったら言いすぎではある。
しかし、懐かしさが溢れ出てき、品川から辻堂までがあっという間に過ぎて家に着いた。


今日、カナダで同じ語学学校だった女の子を上野でみかけた。
本人かどうかはわからない。そっくりさんかもしれない。
彼女もまた、電話をして僕の横を通り過ぎていった。


出会うことってとてもとても小さな確率なんだと思う。
一緒になる人より、すれ違っていく人の数の方が多い。

僕の隣のマス目には大統領になるマスがあるのかもしれない。



ただ、誰もしらない。


  
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吐いたため息を全部吸う




とため息が深呼吸にかわるけど、こんやは吸うきりょくもないや。





はあああ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。












なんだかなあ。













月に逝って餅つきしたいナ。






うさぎはひとりで餅つきしてるんだっけ?







寂しくてしんじゃうじゃん。







けっきょく、自分なんだったんだろ。

よくわからん。





ただ自分の考えをおしつけようとしてただけなんかな。





スウウウーーーーーーーーーーーー。  
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