テレビの健康番組をみていると、カタカナ用語をたくさん使う先生がいます。
 カタカナ用語は専門用語と思っていただいてもけっこうです。

 私はビタミン、ミネラルなどのポピュラーな用語は別として、他のカタカナ用語をいくつも並べられると、もう分からなくなります。
 おそらく多くの人もそうだと思います。

 では、聞く人が分かりにくいのに、なぜ講師はカタカナ用語を並べるのでしょうか。
 また、カタカナ用語が多い解説の問題点は何でしょうか。
 これについて、私なりの考えを述べてみます。
 
 私はカタカナ用語が多くなる理由を次のように考えます。

1.講師の思考方法が、身体を全体として見ようとするのでなく、部分を分析的にとらえようとするため
 どちらかと言うと、東洋医学系の人は身体全体を見ようとし、現代医学系の人は部分を分析的にとらえようとします。

2.講師の実力が十分でないため
 東洋医学系の知識を身につけた人なのにカタカナ用語が多い人がいます。
 この人たちは、いまだ、素人に語るだけの実力を身につけていないのかもしれません。
 よくいわれるように「専門家に語るより素人に語る方がむずかしい」のです。

3.自分の知識を披瀝(ひれき)するため
 聞いている人に対する優越感を示すために、カタカナ用語を使って自分を偉く見せる講師もいるかも知れません。 

 私はこの原稿の構想を練りながら、ひとつ気がついたことがあります。
 それは、「カタカナをたくさん使う講師は生徒を自分の仲間と見ていないのでは」ということです。
 本来、「正しい食生活」は、けっして難しいものではないのに、それを難しく語って、生徒と自分との間に距離をおこうとしているのではないかと。

 カタカナ用語の多い講師の話は、途中で退席する(又はテレビを消す)くらいで構わないと思いますが。