身土不二(しんどふじ)の身とは人の体、土とは土地である。身土不二とは「身と土とは二つにあらず」で、人とその人が住む土地とは、密接不可分で一体であるという意味である。仏教からきた言葉である。

 身土不二のもとで教えられることは、つぎの2つのようなことである。
 まず、「自分の住んでいる土地でできたものを食べなさい」ということである。いま、われわれは店にいけば何でも買うことができる。日本は温帯なのに熱帯産のものが手にはいる。たとえば、パインナップルである。むかしは高価で買えなかったが、いまでは簡単に手にできる。しかし、これが健康にとってよいかというと、そうともいえないのだ。パインナップルは水分が多く熱帯向きにできている。これを温帯に住む人がたくさん食べると、体を冷やすことなる。果物は自分の住む土地のものを食べるのがよいのだ。日本の北国の人ならリンゴなどを、南に住む人ならミカンなどを愛すべしというのが、身土不二の教えである。これは野菜についても同じである。

 つぎは、「その季節にとれたものを食べなさい」ということである。
 たとえば、トマトやきゅうりであるが、関東では7月から9月に出まわる野菜である。だから、この時期に食べれば健康によいというのが身土不二での教えである。逆に、6月の初物を食べるのはすすめられないし、まして、ハウスものを冬に食べるのは、もっとすすめられないことになる。トマトやきゅうりは水分が多く、体を冷やす夏向きの野菜なのである。

 「旬(しゅん)のものを食べなさい、走りはダメ」と言うこともある。旬とは沢山とれていちばん味のよい時期であり、走りとは初物が出る時期である。野菜や果物は、店にいっぱいつまれているときに食べるとよく、少ししかないときは食べないほうがよいというのだ。値段の安いときに食べるとよく、高いときに食べると悪いのである。

 さて、私自身のことであるが、身土不二の教えをおかしてきた。それはコーヒーである。私は、ここ10年ほど、けっこうコーヒーを飲んできた。しかし、これは熱帯産で、なん杯も飲んでは体を冷やすようだ。そのため、量をへらすことにしたが、飲むなら自然塩を少し入れるのがよいとのアドバイスもみつけた。