いま、病気になった人で、病院以外の治療機関にいく人がふえている。
 2〜3年前のことだが、ある週刊誌に「スポーツ選手が故障したとき、どこの医療機関にいくか」についてのアンケート調査の結果がでていた。一流に近い選手が対象であったが、答えは、病院にいく人が約半数で、あとの半数はカイロプラクティクなど病院以外にいっていた。スポーツ選手には病院万能の意識はないようだ。

 いっぽう、病気になったら文句なしに病院という人もいる。病院のほかは見向きもしないのだ。私はその人たちをみていて、「頭がかたい」と思ったこともあったが、いっぽう彼らの気持もわからないではない。それは、むかしの私がそうであったからだ。私は、日本の伝統的な治療院の看板などをみながら、「これは何だろう」と思っていた。世のなか全般が西洋科学に傾くなか、私にも偏見ができてしまっていたのだ。

 現実を冷静にみれば、病院すなわち現代医学の力が限られているのは明らかである。むしろ、得意分野はそれほど多くない。現代医学は緊急医療ともいわれるそうだが、応急措置には強くても、慢性病などには弱いのである。

 ここで、私と病院以外の治療機関とのかかわりついて言っておこう。

 まず、腰痛治療のことである。あるとき、私の家族が腰痛になった。病院やマッサージにいったがよくならず、困りはてた私は、自然食品コーナーのある薬局にいって「腰痛によくなる薬はないか」と聞いてみた。店主は「腰痛にきく薬はない」といいカイロプラクティクを教えてくれた。そこへいったところ3回ほどで全快した。

 つぎは、私が円形脱毛症になったときのことである。「病院にいかないと頭の毛が全部なくなるよ」と知人の看護士から言われたが、私は病院でなく漢方薬局にいった。そこで薬を買い生活指導を受けた。そして難なく治ってしまった。

 私が経験したように、病院以外の治療機関も、それぞれ力をもっている。そうしたことが知れわたってか、近年、病院以外の所にいく人がふえる傾向にあるそうだ。ところが、相変わらず病院、つまり現代医学しか信用できない人がいる。もっとも、「病院しか信用できないから、ほかにはいきたくない」というのなら、それはそれで仕方がない。しかし、健康になりたいのなら、よく現実を見てもらいたい。

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