「正しい食生活」で健康に

体調不良の原因の大半は「食事」です

付録『食物健康法』(1)

1−15 塩分は少ないほどよいのか

 「塩分不足で体調がすぐれない人」のことが気にかかる。
 「塩分のとりすぎはいけません」との指導がさかんである。高血圧になるというのだ。そのため、とりすぎを警戒している人がたくさんいる。

 私は、塩分をへらそうとは、まったくといっていいほど考えていない。それどころか、暑すぎる日には塩(自然塩)をなめることもある。海の成分に近い塩なら、多少とりすぎても害はないと思っているからだ。

 私が「塩分はそれなりに必要」と考えてきたのは、つぎの2つの理由による。
 ひとつは、減塩は肉食では必要だが菜食では不要と思っていたためだ。肉にはナトリウムが多く、また、塩の主成分も塩化ナトリウムである。だから、肉食の人が塩分をとりすぎると、ナトリウムが過剰になり体によくないとされている。いっぽう、穀物や野菜にはカリウムが多く、菜食はナトリウム不足になりやすい。

 つぎは塩と食事に関する歴史的事実である。私は、食事や生活習慣については、明治以前(近代化以前)のものに、正しいものが多くあると思っている。実は、むかしの日本人は十分に塩分をとっていたのである。そのことを、16世後半に日本にきたバードレ・ロレンス・メシヤという人が書きのこしている。

「その食物は他の諸国民と異なり、果物も甘い物も食わぬ。また油、酢または香料の加わった物は食わぬ。牛乳と乾酪(チーズ)は有毒なものとして嫌い、ただ塩のみで味をつけ、ある地方では塩が食料品である。大多数の人は米と各種野の草と貝類を沢山食い、野の草と貝類及び塩を以って養を取る者が多い。」(牛尾盛安『塩 自然塩と化学塩』)
 菜食中心の日本人は十分に塩(自然塩)をとっていたのだ。

 私は塩分のとりすぎを気にせず十分にとってきた。それで体調もよく血圧も正常である。塩分不足の人はいきおいがなく、いつも疲労感、脱力感、けんたい感に悩まされるという。もしそのような人がいるなら、考えなおしたほうがよいのではないか。厚生労働省は1日10gと指導しているが、自然医学の第一人者である森下敬一氏は、自然塩を「最低でも1日20g、できれば30g摂りなさい」と指導している。

1−14 牛乳は完全食品か

 私は、いま、牛乳を飲むことはない。料理やお菓子に入っているものまで気にはしないが、牛乳そのものは飲まないことにしている。飲まなくなったのは、食養法の指導者が「牛乳はよくない」と言っており、それを信じつづけてきたからである。

 牛乳について、世のなかの評価はどうだろうか。
 いま肉食がさかんである。しかし、「野菜も一緒にとろう」というように、肉を無条件によいという人は少なくなってきた。しかし、牛乳は別である。「牛乳はカルシウムが豊富でよい食品」との見方が、一部に定着している。完全食品ともいわれている。つい先日、ある高校のスポーツ選手が「1日にパック2本あける」との話が、テレビで紹介されていた。いっぽう、ほとんどの食養法の指導者は、牛乳は大いに問題のある食品だと考えている。

 私が牛乳をさけてきたのは、欧米人とちがって、日本人には牛乳の糖を分解する酵素が少なく、うまく消化吸収できない人が多いと知っていたからだ。
 ほかにも牛乳の害は、おぼろげながら頭にあったが、それほど強く意識はしなかった。そこで、今回、もう一度勉強しなおしてみた。

 牛乳の害はたくさん指摘されているが、ここでは2つにしぼっておく。
 ひとつは、牛乳がアレルギーをおこすことである。牛乳は食品のなかで一番アレルギーをおこすという人もいるくらいである。アレルギーがおきるのは、血液にとって異質な牛乳のたんぱく質が、腸から血液のなかに入るためである。牛乳のたんぱく質は粒子が小さく腸の壁をとおりやすい。アレルギーはガンなど大病のもとになる。

 つぎは、牛乳が骨を弱くすることである。牛乳はカルシウムが豊富なのに不思議な感じがする。しかし、カルシウムは豊富であるが、うまく吸収されず、また、取った量より以上のカルシウムが、尿をとおして出てしまうとされている。日本では牛乳の消費量がふえている。しかし、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)など骨のもろい人もふえている。だから、「牛乳が骨を強くしてきた事実はない」と指摘する人も多くいる。

 さて、とつぜん牛乳がよくないといわれて、とまどう人もいるかと思う。しかし、まず、牛乳に賛否両論があることをしっかり知ってもらいたい。

1−13 白砂糖の害

 前に、「厚いステーは毒に見えてしまう」と書いたが、私には白砂糖も毒に見えてしまう。だから、白砂糖を使うことはない。コーヒーや紅茶は、むかしは砂糖を入れていたが、いまはブラックで飲んでいる。玄米菜食にしてから切りかえた。ブラックだと苦みが気になるかもしれないが、なれるとコーヒーなどの風味がそのままのこり、かえっておいしく飲めるものだ。

 私は白砂糖をさけるが黒砂糖はつまんで食べたりする。また、黒砂糖を使ったお菓子を買って食べることもある。
 どうして黒砂糖と白砂糖を分けるのか。それは、玄米と白米の関係と同じである。黒砂糖は未精白食品であり、ミネラル、ビタミンが豊富である。いっぽう、白砂糖は精白食品で、糖分以外の成分はほとんどない。

 「白砂糖は健康によい」と思っている人はほとんどいないだろう。多くの人は甘いものを食べすぎることで、カロリーのとりすぎを心配している。
 では、問題点はカロリーのとりすぎだけなのか。実はもっと大事な問題がある。
 それは、白砂糖が体のなかのビタミン、ミネラルをうばい、病気を引きおこすことである。
 これについて森下敬一氏はつぎのように言っている。

「(白砂糖は)主成分の代謝に必要なカルシウムやビタミンB1 を失っているから、体内にとり入れられると、体内のカルシウムやB1 を容赦なくうばってしまう。その結果、もっともハッキリあらわれるのは、組織がだらけること。便秘になるのは、組織のだらけが直接の原因。全体の組織細胞がレベルダウンするから、さまざまなトラブルがおこる。」(『慢性病は食べ物で治る』)

 そして、白砂糖によるトラブルとして、虚弱体質、行動スローモー、ひじょうに疲れやすい、アレルギー疾患、小児マヒ、ノイローゼなどをあげている。

 私は、白砂糖を直接とることはないし、白砂糖の多い清涼飲料水も飲まない。しかし、白砂糖はいろいろなものに入っている。私はソバつゆを買うとき辛めのものを買うが、それでも白砂糖は入っている。また、料理にもお菓子にも入っている。だから、白砂糖は、とらないように努力して丁度いいようだ。

1−12 人は肉を食べる動物か

 肉はよく食べられている。だから、「肉を食べすぎないように」と言われても、「そうですか」と言えない人も多いだろう。そこで、ここでは視点を変えて、人と動物性食品の関係をみておこう。「もともと人は肉を食べる動物なのか」ということである。

 人は猿の仲間である。私は猿は菜食だと思っていた。ところが、あるときテレビで、「猿を食う猿」を見てびっくりした。調べてみると、猿のうちでも進化的にみて初期の猿(原始猿)の食べ物は、ほぼ半分は動物性なのである。いっぽう、人ともっとも近い類人猿(チンバンジーやゴリラなど)は、ほとんど動物性の物を食べることはない。だから、もともと人は肉を食べる動物ではなかったのだ。

 人と肉食の関係については、歯の構成からも説明されている。人の大人の歯は32本ある。そのうち肉食用の犬歯は4本、穀物をかみくだく臼歯(きゅうし)は20本、草を切る切歯(せっし)は8本である。人の歯は、ぜんたいとしては穀物や野菜を食べるようになっている。また、犬歯は32本のうち4本なので、人が肉を食べる比率は32分4、つまり食べ物ぜんたいの約13%を目安にすべきだという人もいる。

 人はもともと菜食なのに、なぜ肉をたくさん食べる民族や地域があるのか。
 それは、人が人の住むのに適さない地域に移住したからである。人は数がふえるとともに、新しい地域をもとめて移動した。しかし、場所によっては人が食べる作物が十分にとれなかった。そのため、家畜に草を食べさせ、その肉や乳を飲食するようにしたのである。肉は人が好んで食べはじめた物ではない。

 東アジアは雨がよく降り、穀物や野菜がよくできる。だから、人は肉を食べなくても生きていける。日本でも、江戸時代の終わりまでは、ほとんど肉を食べなかった。それが、明治維新後、欧米文明とともに、必要のない肉食をとり入れてしまった。
 いっぽう、ヨーロッパの諸民族は肉食せざるを得なかった。しかし、それほど肉を食べていたわけではない。歴史をさかのぼると、動物性食品をとる比率は多くて20%強、普通は20%以下であったという。もっとも、最近は多くなっているようだ。エスキモーなど極北でくらす人以外は、それほど肉を食べていなかったのである。

1−11 肉はよい食べ物か

 私は菜食を基本としている。そのため、厚いステーキは毒に見えてしまう。もっとも、野菜イタメの小さな肉や魚一皿くらいは、特に気にならずに食べている。

 私の子どものころは、肉はそんなに口に入らなかった。そのため肉にあこがれがなかったわけではない。私には、カレーライスのときだけ肉が食べられる、といった時期もあった。ところが、いまは肉だらけである。一杯飲みに焼きとりはつきものだ。立食パーティーでは肉や魚料理が多く野菜はかすんでいる。和風旅館でも肉を出す。肉がないとさびしい客が多いから、出さざるを得ないのだろう。

 肉は人気がある。では、肉はそんなによい食べ物なのだろうか。
 あるとき、テレビで、プロレスラーのジャイアント馬場が、「肉を食べてもカレーライスを食べても出る力は同じ」というようなことを言った。私は少しおどろいた。「菜食の人の方がスタミナがある」ということは以前から知っていた。しかし、まさかそういった話を、プロレスラーから聞くとは思わなかった。プロレスラーにも、肉をそれほど支持しない人もいるのだ。

 「頭の働き」といった点ではどうだろう。あるとき、現役の囲碁の名手が、「肉を食べた翌日の成績はさんざんだ」というようなことを言った。プロ棋士の戦いは朝の10時から夜遅くまでつづく。だから、頭のスタミナの戦いといってもいいだろう。この名手は、そんなきびしい戦いでは、肉を食べては不利と体験的に知ったのだろう。

 私は肉や魚を食べても、食べすぎにならないように気をつけてきた。それほど理論的につめていたわけではないが、つぎのように考えてきた。
「もともと肉はくさりやすい。それは体のなかでも同じで、腸のなかでもくさってしまう。肉にかぎらず動物性食品がくさったらこわい。いろいろな毒素を出すからだ。そして、毒素は腸から吸収されて血液のなかに入り、血液をよごす。よごれた血液からは異常な細胞ができ、それがガンなどの病気を引きおこす」

 日本人の腸は肉の腐敗には弱い。欧米人にくらべて腸が長いからである。肉の通過に時間がかかり、その間に腐敗がすすんでしまう。ちなみに、肉食動物のトラやライオンの腸は、人よりずっと短くなっている。
 人気blogランキングに投票してください
記事検索
プロフィール

kenko856

アクセスカウンター

    最新コメント
    「Amazonライブリンク」は提供を終了しました。
    • ライブドアブログ