1980年は横浜開港120周年ということで記念行事が色々と行われた。そんな中、この前の年に山口線で走り始めたやまぐち号の予備機として全般検査を受けて梅小路に動態保存中だったC581号機を臨港線に走らせるという企画が発表されていた。私は基本的にはイベント列車とか、あまり好きではなかった。何より人出が多い中でというのが不得意。だから積極的に出掛ける方ではなかったのだが、この時には何を思ったのかやる気を出して、撮影に行っている。しかも、本番前にロケハンまでしていた。今となっては、このロケハンの時に撮った新港埠頭周辺の臨港線の様子というのが貴重なものになってしまった。この頃だって徐々に変化していたのだが、今では臨港線がなくなっているだけではなく、造船所も倉庫も何もかもが無くなって変化しており、赤レンガ倉庫があるから位置は分かるものの、まるで違うところのようになっている。そんなところも面白いかと思って整理してみた。以前にも公開したことがあるのだが、古いブログは削除してしまったこともあって改めてデータからやり直してみた。訪問日は1980年5月29日。 

まず万国橋の上からみなとみらい方向を望む。高層ビル群は影も形もなく、造船所のガントリークレーンが威容を誇っていた。この正面の築堤上を臨港線が通っていた。今は遊歩道になっている。

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 この頃は完全に港湾設備であったから、どこか雑然として、殺風景なところだった。臨港線は桜木町から横浜港の構内各地に張り巡らされていた貨物線。といっても、かつては横浜港の旅客船に接続して東京駅へ向かう列車が運転されていたこともあるし、占領下でも占領軍専用列車が走っていた。

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今の万国橋交差点あたりになるのだろうか?奥に赤レンガ倉庫が見えている。夜になったら一人で歩くのが怖そうな、波止場の倉庫街という雰囲気だった。

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臨港線には高島線から横浜区のDD13が入線して貨物の小運転や入れ替えを行っていた。 

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構内の側線にはこんな謎の車両も留置されていた。簡易車両限界測定用という感じだけど、調べてみてもよく分からない。古い客車の台枠を利用しているように見えるけど、車端部にはアンチクライマーが付いているようにも見えるし。手すりも含めて仮設感が満載なのが面白い。 

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一休み中の横浜区のDD13192号機。都心部では品川区の初期型の一つ目のDD13が幅を利かせていた時期が長かったので、シールドビーム二灯のタイプは物珍しさがあった。

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そして、赤レンガ倉庫。何も知らずに行ったのだが、流石にこれは目の当たりにして圧倒されるようだった。まさか、これが商業施設になるとは想像すらできなかった頃。

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新港埠頭の案内板。全く純然たる港湾施設であり、倉庫だらけであることが分かる。

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赤レンガ倉庫の左手に入っていく線路。奥に先程の謎の車両が見えている。この奥に今も保存されている横浜港駅ホームがある。この頃は知らなかったけど。かつてはポートトレインが発着していた。 

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上の線路は手前で分岐していて、本線は山下埠頭へと伸びていた。そちら側を見たところ。横浜税関のビルの塔が見えている。

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手動ポイントがあって、分岐線がある。左手は倉庫。

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下っていく分岐線は高規格ではないけど、港の中に線路が張り巡らされていたことが分かる。

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三菱のマーク、新港詰所。モルタル塗りの建物も数多くあった。この辺りの感じは今となっては跡形もなさすぎて驚くほどになっている。

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山下公園の中は高架で横切る形になっていた。この前にも山下公園には何度も遊びに行ったことがあったけど、ごく当たり前に高架が横切っているのでそういうものかと思っていた。 今は存在していない。

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横浜開港120周年記念運転は桜木町、正確には東横浜信号場から山下埠頭の間で行わる。その終点、山下埠頭まで歩いてみた。ポートタワーがバックに入るのは良い感じだと思ったけど、結局本番ではここまで来なかった。

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山下埠頭は気軽に入っていける感じではなかったので、入り口から見ただけ。

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なかなか走りが開けたところで良い感じで撮れるところというのも難しそうだし、当日は凄まじい人出になると予想されたし、どうしたものかと思いつつ当日を待つことになる。しかし、横浜の変貌ぶりというのも、こうしてみると凄まじいものだ。この頃の新港埠頭は、まだ日活アクション映画に出てきそうな雰囲気があった。 それがまた独特の雰囲気があって、面白いところだと印象に残った。それにしてもイベント列車で事前にロケハンまで行くなんて、行きあたりばったりが座右の銘な私としては珍しいことをしたものだと感心する。