1970年代には、歌謡曲とフォークの境目にあるような曲がたくさんあったように思います。ヒット曲が生まれる過程には、テレビやラジオからの発信がとても重要で、テレビで流れる曲が歌謡曲で、ラジオで流れる曲が歌謡曲よりのフォークのように感じていました。また、ヒット仕方には、レコードの売り上げ一気に上昇していく歌謡曲のようなヒットとジワジワ長く売り上げる演歌のような有線放送ヒットがあり、この境目に存在していたフォークだったのかもしれません。
 ビリーバンバンが1974年に、伝書鳩が1976年にリリースした「目覚めた時には晴れていた」は、切ない思いを伝えるフォークとして記憶に残っています。今になって聴いてみると、この曲は歌謡曲なのか演歌なのかと考えつつ、それが当時のフォークの立ち位置だったのかもしれません。この、歌謡曲、演歌、フォークの境目の曖昧さは、1976年リリースの因幡晃「わかって下さい」などにも見られる傾向で、1983年リリースの村下孝蔵「初恋」や「踊り子」までは続いているように思います。

伝書鳩 - 目覚めた時には晴れていた