憲法を生かす奈良県民の会

日本国憲法はことしで公布70年。憲法の歴史は空洞化の歴史。解釈改憲を積み重ね、ついに明文改憲の危機が訪れている。だが、憲法が保障する権利や民主主義はいまだに実現されていない。憲法を暮らしに生かすために、微力ながらがんばります。

きわめて危険、駆けつけ警護

 あいまいな武器使用の基準


 モンゴルPKO
 *今年5月27日、モンゴルであったPKOの国際訓練に参加した自衛隊(読売新聞から)


 政府は、南スーダンPKOに派遣している自衛隊に、新たな「駆けつけ警護」「宿営地共同防衛」なその任務を付与するために、訓練を実施しています。11月に交替派遣されるのは青森市の陸自駐屯地の部隊およそ350人で、隊員や家族には不安が広がっています。稲田防衛大臣は、9月に予定していた南スーダン視察を急きょ取りやめましたが、これで新任務の付与は少し遠のいたとの観測もあります。それほど、現地の情勢は悪化しているのです。でもそんな危ないところに平気で自衛隊を送るなんてことを、彼らはやりかねません。油断はできません。


 駆けつけ警護の問題点は、まず自衛隊員が死亡する危険性が一気に高まることです。他国や国連職員が武装集団に襲われたさい武器を携えて現場に駆けつけ救出する、いわゆる「駆けつけ警護」は戦闘と隣り合わせの危険な任務です。とくに紛争が続く南スーダンのような地域では、部隊が移動するだけで攻撃対象となります。ところが日本のPKO協力法では武器使用の制限があり、政府や現場の判断ミスで隊員の犠牲がでるリスクが極めて高いのです。

南スーダン
 *南スーダンでは、武装集団が子どもを誘拐し、少年兵を養成している。その数は予想以上に多く、国内に13,000人の少年兵がいると推測されている。


 現地の市民を殺すリスクも


 また、自衛隊が現地の市民を誤って殺してしまう可能性もあります。相手が威嚇のために空砲を撃っただけなのに「正当防衛」として誤射してしまうことが考えられます。内乱、紛争で殺気立つ現地では一瞬の判断ミスが致命的な結果を招きます。そもそも停戦合意が崩れている地域に自衛隊を派遣すること自体が違法だといえます。


 犠牲、踏み台に憲法改悪


 自衛隊が殺されたり、殺したりするリスクは背反します。武器使用をためらって殺されるケースと、過剰な対応によって殺してしまうケースはまさに表裏の関係です。そして、いずれの事態が起きた場合でも、国内では自衛隊を正規の軍隊に変えること、すなわち憲法9条の改悪が叫ばれるのは明らかです。政府は、このような犠牲を利用して改憲への機運を高めようとしています。

「駆けつけ警護」を前提とした訓練は直ちに中止すべきです。若い命を改憲の踏み台にすることは許されません。


憲法まつり
*11月3日(祝・木)に恒例の憲法まつりを開催します。

テロとの戦争に展望はあるか?

テロとの戦争は正当か?
 戦争法発動、憲法改正へとのめりこむ前に
投票

改憲勢力が3分の2超える

7月10日に行われた参院選挙の結果、憲法改正に前向きの勢力が3分の2を超えました。すでに、衆院では改憲派が3分の2を占めており、いつでも国会発議ができる状態になりました。ただ、自公与党は選挙前に「改憲」を争点化せず、また大阪維新なども自民党の改憲案にそった国会発議を支持していないことから、衆参の憲法審査会で改めて論議が始まることとなります。

邦人もテロ攻撃の対象に

選挙戦のさなか、7月1日にバングラデシュで日本人をねらったテロ事件が勃発しました。親日的といわれる国で起きた事件で7人の邦人が犠牲となり、大きな衝撃が走りました。また10日には、自衛隊がPKO部隊に参加する南スーダンで内戦が再燃し、邦人が出国できず取り残される事態が続いています。もはや、わが国の「平和ブランド」は世界で通用しなくなっています。

対テロ戦争を断罪したイギリス

高まるテロや紛争の脅威に対して、わが国がどのような方針で臨むべきかが問われています。先日6日、イギリスの調査委員会は、同国が2003年のイラク戦争に参加したのは間違いだったとする報告を出しました。アメリカに追随し、国内外で多くの犠牲者を出した当時のブレア首相の責任を断罪しました。そして、この判断ミスが今も続く対テロ戦争の連鎖を招いているとの認識を示し、国の政策の見直しを求めています。

海外での武力行使を考え直そう

 わが国も、小泉首相時代にイラク戦争に参戦しましたが、いまだに客観的な検証は行われていません。それどころか、安倍政権になって秘密保護法や集団的自衛権の行使容認、安保関連法制など、アメリカと共に戦争を行う政策に前のめりになっています。この先、戦争法の本格実施などが進むと、海外へ派遣される自衛隊員の命や、外国で活動する邦人の安全がますます脅かされることになります。犠牲が拡大してから後悔しても遅いのです。いまこそ、武力行使を考え直すべきです。

いのちに直結する投票になるかも

6月にイギリスで行われたEU離脱・残留をめぐる国民投票は「離脱派」が多数を占め、世界の政治・経済は大混乱に陥りました。その後、あちこちでテロが頻発しています。英国内では早くも投票結果に対して後悔が広がっているといわれます。わが国では、7月10日にあった参議院選挙で、改憲勢力が3分の2を超えたとされます。すでに、衆院では改憲派が3分の2を占めているため、いつでも憲法改正の発議ができる状態です。今、世界中に広がるテロと報復戦争の連鎖は、わが国も無縁ではありません。憲法改正の投票がもしかしたら、私たちの命と直結しているのかもしれません。




参院選の結果から「展望」を見出す

アベ政治への反乱の萌芽~選挙結果をみる


 ホントに悔しい結果だった。参院選挙では自公が勝利し、おおさか維新も議席を増やした結果、改憲派は発議に必要な3分の2(162議席)を超えたとみられている。この前、本ブログに書いたように、秋の臨時国会で論点整理、年明けの通常国会冒頭にも発議、年内に国民投票というスケジュールも現実味を帯びてきた。


奈良県における参議院比例区の得票

 

政党 

2013

2016

増減

自民

220417

214924

5493

公明

86114

86199

85

お維新

115414

121492

6078

民進

70459

118080

47621

共産

61541

58840

2701

社民

10074

10669

595

生活

5961

7169

1208

幸福

2554

4862

2308

改革

 

4491

 

こころ

 

5591

 

いかり

 

3832

 

支持なし

 

5261

 

みんな

37108

 

 

緑の党

4227

 

 

みどりの風

3553

 

 

大地

2413

 

 

 

 

 

 


619835

641410

 

 

悲観していても時間は過ぎる。そこで、「いかにして改憲とたたかうか」を考えるために、明るい展望を選挙結果から拾ってみよう。まず、奈良県の比例代表区の開票結果を表にした。前回の2103年と比較していえるのは、自民が票を減らし、民進(前回は民主)が大幅に伸びたということだ。勝利に酔う自民だが、じつは3年前から5千票以上も獲得票を減らしているのだ。前回勝ち過ぎたのも一因だが、やはりこれまでの政策に一定の批判が現れたということだ。


自民の得票を市町村別にみると、注目すべき事実が浮かび上がる。というのは、自民は奈良市で5,700票減らしており、これが県全体の増減とほぼ一致する。他の市町村では増えたところと、減ったところが混在しており、増加は高田、郡山、天理、生駒、香芝、葛城の6市と、生駒、磯城、北葛城の3つの郡である。橿原市はほとんど増減なし、減少したのは桜井、五條、御所、宇陀の各市と山辺、宇陀、高市、吉野の各郡。県内の人ならこれを見て感じるのは皆同じで、高齢化、人口減少が著しい農山村地域で自民は得票を減らしているのである。宇陀郡・市で600票近く、なんと吉野郡では1500票以上も減少している。


これは、ある意味で全国の縮図だ。今回、秋田を除く東北各県では野党統一候補が勝った。定数3の北海道は民進が2議席を得た。大分、沖縄でも野党候補が勝ち、首都から遠く離れた地域で自民は議席を失った。アベノミクスや地方創生の果実が届かなない過疎の地から反乱が始まった。それと同じ傾向が奈良県でも現れているのではないか。もっとも、全国的に自民は比例区でも票を伸ばしている。そのなかで、あえて反抗の芽を見出すとすれば地方における「棄民政策」への反乱ということになる。ちなみに、今回自民が比例区票を減らしたのは、福島、群馬、大阪、奈良、和歌山、鳥取、高知、香川、宮崎の各県で、関西は大阪維新の影響、その他は合区の反発、被災政策への不満などが推察できる。


さて、奈良県では比例区「民進党」は5万票近く増えた。前回は、公明、維新にも及ばず、県内比例では第4党という不名誉な負け方をしただけに、この躍進は特筆すべきだ。選挙区での野党共闘の中心を担ったのは民進であるから、有権者はそのような共闘のあり方も含め民進を支持したといえる。つまり、民進を軸に安倍政治に対する対抗軸が大きくなることを期待している。近々に予想される解散総選挙でも、野党共闘という方式は有効であり、残念ながら選挙区で議席を失った候補も含め、各選挙区で野党候補の一本化にむけた協議が望まれる。

比例「自民」票の市町村別の動向
2013年→2016年
得票が増えた自治体大和高田市、大和郡山市、天理市、生駒市、三郷町、斑鳩町、安堵町、三宅町、田原本町、上牧町、王寺町、広陵町
変化がない自治体橿原市、葛城市、川西町
得票が減った自治体奈良市、桜井市、五條市、御所市、宇陀市、山添村、平群町、曽爾村、御杖村、高取町、明日香村、河合町、吉野町、大淀町、下市町、黒滝村、天川村、野迫川村、十津川村、下北山村、上北山村、川上村、東吉野村



 

 

 

 

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